風の音で、目が覚めた。
目の前には薄暗い天井があった。
ああ、ここは編集室の床なのだと気がつくまでに
しばらくかかった。
スタジオ収録を終えて、自転車で会社に戻ったところまでは覚えている。
慌てて時計を見ると、1時。
チェ、と舌打ちをした。
観に行こうと思っていた舞台は終わってしまっていた。
1年以上会ってない友人が
たいへんな思いをして稽古した舞台だった。
しばらく起き上がる気力がなくて、
じっと天井を見つめていた。
仕方ねえ、3日寝てなかったのだから、
と思っても慰めにもならない。
病院のような地味な天井に街明かりがほんのり差し込み、
外では風がざわついている。
建物の中に人の気配はない。
すべてが虚しいことのように感じられて、
泣きたかったけれど、涙が出なかった。
友人よ、すまないね。
君の人生のひとコマを見逃してしまった。
たまには人生から逃げ出したいもんだ。
体ひとつで遠くまで行くんだ。
そんな虚しいことをしばらく考えた挙句、
逃げる場所を探しに、もう一度寝ることにした。
目の前には薄暗い天井があった。
ああ、ここは編集室の床なのだと気がつくまでに
しばらくかかった。
スタジオ収録を終えて、自転車で会社に戻ったところまでは覚えている。
慌てて時計を見ると、1時。
チェ、と舌打ちをした。
観に行こうと思っていた舞台は終わってしまっていた。
1年以上会ってない友人が
たいへんな思いをして稽古した舞台だった。
しばらく起き上がる気力がなくて、
じっと天井を見つめていた。
仕方ねえ、3日寝てなかったのだから、
と思っても慰めにもならない。
病院のような地味な天井に街明かりがほんのり差し込み、
外では風がざわついている。
建物の中に人の気配はない。
すべてが虚しいことのように感じられて、
泣きたかったけれど、涙が出なかった。
友人よ、すまないね。
君の人生のひとコマを見逃してしまった。
たまには人生から逃げ出したいもんだ。
体ひとつで遠くまで行くんだ。
そんな虚しいことをしばらく考えた挙句、
逃げる場所を探しに、もう一度寝ることにした。
