
モッピーこと、茂山宗彦氏。
5年前にチェコで「男自転車ふたり旅」をして以来、
ロードバイクに乗り始めた。
誰もが「はまる」とは思っていなかったのに、
モッピーはすっかり自転車に乗るようになって、
コンポを換え、ホイールを換え、
1日200キロを普通に(でもないか)乗るようになった。
自転車探検部員のなかでは「走れる」部員として、
スリランカの灼熱地獄(走り終えたらひからびてた)を走り抜き、
ペルーの高山病事件(高山病で引き返したので同じ標高4000mの峠を二度登るはめになった)をのりこえ、
あと一歩で坂バカになれるか!? というところまで来ていた。
ところが!
名誉なことに、文化交流使としてチェコに行っている間、
自転車はすっかりオヤスミ。
愛車のバンビーノ(デローザ)は京都の自宅の飾り物と化した。
あと一歩で洗濯物干しにされてしまうところだったに違いない。
こりゃいかん!
ということで、走っていただきました。
「チャリダー★」で、琵琶湖を一周サクッとね。
私はロケに行けないので、
若いディレクターがロケを担当。
「茂山さんって、やっぱり難しい方なんですか?」などと
相当緊張していた。
「経験値がすごいからね。シビアにディレクターのことを見とるで~」
と、脅かしておいた。
もちろん「実際はアホだけど」と付け加えておいたが、
ものすごく緊張してロケに出ていった。
あいつと私は最強コンビだ、という思いはあるけれど、
きっと新ディレクターとやっても、うまくいくだろう、と思っていた。
あいつの経験値は半端ではない。
でも、どんなロケになるのかは、見当がつかなかった。

そのVTRの編集第一段階を見た。
モッピーは、見たことのないほど緊張していた。
それは「良い具合の」緊張感だった。
甘えのない、神経が行き届いた緊張だった。
ああ、お互いに好みを分かり合って、
あうんの呼吸でロケが出来る関係も最高だが、
やはりこういう緊張は必要なのだ、と思った。
「自分を知らない人」に丁寧にコメントする。
「分からない相手」の狙いがどこにあるのか、探りながら動く。
そんな緊張感は、映像に丁寧な親切さを加えていた。
これって大事だなあ、と思った。
結論。
あいつはやっぱりすごかった。
だって旅の終わりに待っていたのは……最高の結末だったから!
放送は……今月30日!

※琵琶湖の写真は持ってないので、写真はすべて過去素材です★