☆1日目:折立~太郎平小屋編
2日目:太郎平小屋~雲ノ平 その1 その2
3日目の朝。一番晴れて欲しかった日、目覚めると残念ながら雨だった。
止むのを待とうかと思ったけど、行程が長いので予定通り6:00出発。
この日は祖父岳~水晶岳ピストン~鷲羽岳~三俣山荘、翌朝、黒部源流下部だけピストンの予定だったけど、
雲ノ平山荘で夜、色々情報交換をしているうちに、黒部源流ルートの紅葉がものすごかった、と聞いて悩んだ。
それに最初からゆるいコース設定で来たけど、それでも毎日地図のCTを2割増しのタイムでしか歩けない自分。
大きなアルプスを縦走したことがなかったから、スケールの違いから来るハードさをじわじわ感じてた。
コース変更もありかと考えていたところ・・・雨。やっぱり1日2ピークは私には無理かな。
とにかく行って見よう。
晴れの日に雲ノ平を歩くという夢は消え、しとしと降り続く雨の木道を滑らないように黙々と進む。
祖父岳分岐に到着。まだ雨は止む気配がない。
このまま進むか?三俣山荘に直接行くならここから巻き道を行く。さあ、どっち?
どっちといったってまだ7時前。とりあえず祖父岳は踏んで先に行こう。
が、この祖父岳、先が見えないせいか地味にキツイ(笑)
7:50、祖父岳山頂。今回の山旅初めてのピーク。
祖父岳へは雲ノ平の東端にあるが、雲ノ平を形成している溶岩台地は祖父岳そのもの、
というはなしもあり・・・そうなのか・・・だとしたらすごい巨大な山なんだね。
下りはケルンに沿って進んでいく。途中梯子やロープがあるけれど、土砂降りじゃないから大丈夫。
でも右も左も真っ白。視界は5mほど。どよよよよーーーーん。輝く紅葉は夢だったの・・・
そんな暗い気持ちで歩いていると、あれ?雨が小降りになりガスっぽくなってきた。
そうだった、夕べ文字放送でみた今日の天気予報は晴れなのだ!!
きっとこの雨は止む、そうに違いない、そう思えてきた矢先・・・
谷筋に光が差し込んできた!
頑張れ!お日様!お願い、このまま雨を終わらせて
8:50、岩苔乗越に着いた。ここからワリモ分岐経由で水晶岳を目指して鷲羽岳・・・
でも小屋の人が言っていた言葉が忘れられない。
このまま鷲羽岳へ行ってしまったらみんなが絶賛する黒部源流の紅葉が見れない。
ちょうど紅葉の時期にこれたのに、見ないなんてそんなのやっぱりイヤだ。
ピークを踏むことより源流の紅葉が見たい
とここにザックをデポし、水晶岳に行き、戻って黒部源流、鷲羽岳は後で考える、と変更した。
このエリア、色んなコースが取れるから助かった。
そうと決まったら行くしかない!最強のテルテル坊主もある!晴れを信じて歩き出した。
稜線に出ると風が強くて寒い、でもそのおかげか風が雲を飛ばしてくれた!
見えてきた!水晶岳への道。
そしていつしか天気はすっかり回復し、気持ちの良い稜線歩きとなった。
ああ、昨日はあそこからここを見ていたんだね、とても登れそうもなく巨大に見えたこの稜線に。
水晶小屋から先もゆるやかな稜線歩きは続いたけど・・・
山頂手前は一変、岩の間からそそり立つ様に見えるギザギザの山頂を見てビビる。
梯子や切れ落ちたところ、しがみついて岩をまたがなければいけないところなど・・・
高度恐怖症には怖くて苦手な箇所もあり、ヤダーとかコワイ~とか叫ぶ私はダンナに怒られながら・・・
なんとか到着ーーー!水晶岳山頂
気づいたら風もおさまり無風。平日なのでだれーーもいない山頂二人占めです!
初めてかもしれない、360度、山しか見えないなんて。
こんな大きな山々に囲まれているところに立っている自分、やっぱり来てよかった。
すごい・・・眺め・・・感動で恥ずかしながらうるっと・・・言葉が出ない・・・。
山頂から先は私などにはとても歩けない読売新道・赤牛岳の稜線、黒部ダムも見えている。
(sanpoさんすごい!)
今、歩いてきた稜線の先には槍ヶ岳。手前は鷲羽岳。
裏銀座の稜線の向こうには、楽しかった思い出の燕岳~大天井~常念岳。
そして、薬師岳に守られるように浮かぶ溶岩台地、雲ノ平。ぽつりと建つ雲ノ平山荘が良く見える。
雲ノ平は、そこにいて感じる良さもあるけれど、こうして上から見下ろしてみると、
黒部の源流で削られ形成された(らしい)様子が一目瞭然、昨日よりもっと雲ノ平の価値を感じることが出来た。
水晶岳から見た雲ノ平はまさに北アルプスの最深部にどっしり構える「日本最後の秘境」
そう言われる意味が心にじーんと響いた二人だった。
山頂降りま~す。キラキラ輝く石があちこちに・・・水晶岳だけに・・・
邪魔になって途中でデポしたストックを回収し・・・
9月末で小屋閉めした「水晶小屋」まで戻ってきました。
小屋の脇に腰を下ろし、地図を広げて山座同定。
誰もいない、風の音とホシガラスの声しかしない、静かなひととき。気持ちいい~!
いつもあせあせ歩いているから、こんなに山でゆっくり出来るの、最高の贅沢だね。
晴れてくれてホントによかった
つづく。