2012.10.13(土) 栗駒山へ行ってきました。
栗駒山の紅葉が素晴らしい、というのを知ってから何度も行きたいと思っていたけど、
遠いしなかなかドンピシャな機会に恵まれず先延ばししていたら、2008年の地震でその後断念。
先週縦走から帰ってきたばかりだったからおとなしくしているつもりが、週末晴れの予報!
紅葉もまさに見頃、というのを聞いたらやっぱり「今しかないかも!」という気になって日帰りで出かけました。
東京駅6:04の新幹線に乗ると、ザックを背負った人が意外にもいてビックリ。
くりこま高原駅から紅葉の時期の土日だけ1日一往復だけ走っているという「絆」号にのり、
「いわかがみ平」を目指します。乗客は30人近くいたかな?
新幹線の車窓から虹が見えていてキレイ~とか思っていたけど、虹が出ているという事は雨が降ったという事であって・・・
くりこま高原駅に着いた時から強風だったので、ちょっと嫌な予感はしたのですが・・・
途中から雨が降ってきて10時過ぎ、バスはいわかがみ平に到着。小雨が降ったりやんだり、風はとても強い!
合羽を着込み、でもこのときは何も考えず予定のコースで進みました。
今日の予定は東栗駒山~栗駒山~須川温泉へ下山~日帰り入浴~バスで一ノ関へ の予定。
須川温泉側と、こちらいわかがみ平側から路線バスが1日一往復のみ。
どちらも戻りのバス時刻は15:00、この時間には必ずバスに乗っていないとなりません。
タクシー使ったら¥20000はかかりそう距離じゃないかな・・・
本当はこのエリアで宿泊したかったのですが、1週間前では当たり前ですがどこも満室。
仙台まで行けば空いてたけど、温泉じゃなくちゃ意味がない、と弾丸日帰りとなったのでした。
レストハウス脇から見上げる進行方向、ゴウゴウ言ってますけど・・・東栗駒コース、進みましょう。
降っていた雨のせいなのか?登山道はぬかるみだらけ。
オマケにゆるゆるハイクのつもりで来てたから、ダンナはローカットのメレルだし、ストックは持っていないし。
(大体油断するとやられるパターン)
転んだら結構大変な感じだったので、色々気を使いながら疲れるこのコースを選んだことをちと後悔・・・
雨はふったり止んだり、時折日が差したりと目まぐるしく変わる空。
それでもこちらのコースは紅葉の中を掻き分け進んでいくような感じで、
穏やかな天気なら本当に気持ち良さそう。
ろくに地図も見ないできたものだから、渡渉があるとはビックリ。
しかも上流から吹き降ろす強風で、沢の水が舞い上がり顔にあたって痛い痛い
足滑らしたら即下山、のような天気なので、滑らないように気をつけて・・・
2,3度岩を渡り、反対側へ。やっとここからぬかるみの道から開放されそう。
ホッとしたのもつかの間、上空の雲がものすごい勢いで流れていくのは解っていたけど・・・
木が風から守ってくれていた登山道が終わり、稜線に出たとたんに叩きつける強風
山形県側からくる風は常に強風のうえに、時折ゴゴゴゴー、と唸りながら突風がやってくると息も出来ないほど。
私は立って歩くこともできず、前を行くダンナの後ろを這うように一歩一歩・・・
前方から時々転びながら歩いてきた若者3人に「山頂からですか?」と聞いてみると、
「いや、この先まで行こうと思ったけどとても歩けませんから引き帰してきました♪」
そ・・・そうか、そうなのか・・・やっぱり。
大きな岩の影でとりあえず風をよけようとやっとの思いで辿り着くと、既に先客の男性が2名隠れていた。
岩陰にいても常にカラダが強風にさらされている状態は変わらず、5分ほど様子を見ていたけど、
どんどんカラダが冷えてくるから、寒くなり始めて・・・でも隠れるだけで精一杯。
強風の中では簡単にザックを空けれる状況ではない、というのを体感しました。
これでは無理そうなので急いで中央コースで下山しようと考え、今自分がどのあたりか?目の前の尖がりがどこか?
ポケットから地図を出し開いてみると、なんだ、中央コースはあの尖がり(多分東栗駒山?}を越えるのか。
まだまだ先じゃん。二人でしばし悩む。
この強風で?
立ってられないほどなのに?
進むの?そこまでして?何のために?
無理~~~~~
ということで、非常に残念ですが、
敗退。
そうと決まったら急がねば。(進んだ人もいたようですが、それほどの熱意はない我ら)
これ以上雨が強くなってからのあの渡渉はイヤだもん。
あーー・・・やっぱり思いつきの強行で来るとろくなことがないよね・・・こ・・・交通費がぁ・・
と思いながらも、こういう状況ではだいぶ開き直ってくるから「又来ればいいじゃん」とポジティブになれるから不思議。
こんなことならおとなしく最初から中央コースを進んでおけばよかった、と思うけど・・・
いやぁ~~これだけ素晴らしい紅葉を見れたんだから、いいじゃ~~ん
水たまり(大きな穴?)に落ちないように気をつけて・・・
あれ?なんとなく青空が増えてきた?
それでも強風はおさまる感じではなく、振り返る先ほどの稜線はまだ真っ白。
ぬかるんだ道を又気を使いながら戻り、休憩する場所もなかったので、お腹がすいた~、
とレストハウスに戻り、中でおにぎりを食べました。
時計を見ると13:00、バスの時間までまだまだあるから、
食べ終わったら中央コースの途中まで行ってみようと話していました。
と、前のベンチに座っていたおばあちゃんとオジサマのところへ10代の少年が二人来た。
どうやら中央コース(サンダルでもいけるらしい)で山頂を往復してきたらしい。
中央コースのCTは登り1:30、下り1時間と書いてあったから、バスの時間があるからはなから諦めていた我ら。
父「おや、もう帰ってきたのか?引き返してきたのか?」
息子「いや、山頂まで行ってきたよ。下りが早かったな、30分くらい?」
父「ここを出て行ったのが11時30分過ぎてたよな?ずいぶん早かったな」
???????
食事をしていた私たちの手が止まった。
時計を見ると今、13:20.
バスの時間が15:00.
残された時間はあと1時間40分・・・
CTは往復2時間30分・・・
少年のCTは約1時間50分・・・
私は絶対に無理だけど、ダンナなら行ける??いや、かなり厳しいでしょ・・・
(↑ダンナカメラ)
「じゃ私、先歩いてるから!」と食べ終えて私が飛び出したのが13:25.
そのあと(ラーメン中だった)ダンナが出発したのが13:40
案の定、さっさと私に追いついてきたダンナを見るとサックをデポしてきたらしく、手に水しかもっていない軽装。
やる気だ・・・この人・・・
「バスの時間は15時だからねーーー!!」
と見送った。
風は相変わらず強かったけど、すっかり青空になって。
さっき敗退した尾根が見えた。あの右下の岩の陰に隠れていたんだ、強風で敗退したあの稜線・・・く、悔しい。
その頃、ダンナは疾風の如く(?)山頂めがけて進み・・・
(↑ダンナカメラ)
14:20、きっちり山頂を踏んだ
観光客でも普通に登れる「栗駒山頂」辿り着けなかった私にとっては遠い、夢の山頂となったのだ(笑)
(↑ダンナカメラ)
でもさすがに焦っていたらしく、山頂滞在時間3分で下山開始したそうだ
その頃私は・・・
時間的に無理なのが解った時点で紅葉見物に変更。
カメラマンさんと一緒に夕日に輝く紅葉の美しさにうっとり
山頂から続く山肌のパッチワークにほっこり
これこれ!やっぱり東北の紅葉はこれですよ!ツツジなどの落葉低木が密集して織り成す紅葉の絨毯。
ああ、やっぱり来て良かった!見れて良かった!強行でも来て良かった!(悔しさを忘れる為連呼)
と、山頂方面、レンズを覘くとずいぶんな速さで降りてくる白っぽい物体を発見
多分、ダンナだ。
あの勢いだと私が抜かれる・・・時計を見ると時間は14:30、まずい、急げ!!
美しい紅葉に後ろ髪引かれながら途中で追いつかれ、二人走るように石畳を下り・・・
14:50、バス停に到着。レストハウスにデポしたザックを回収し無事に路線バスに乗り込みました。
結局レストハウスから山頂まで登り40分、下り30分、CT往復2時間30分のところ(これは甘いですけどね)
半分以下の1時間10分で往復してきたダンナ
さすが岩手の山の中で育ってきただけのことはある エライぞ ダンナ
と誉めてみたけど、だんなは「アホだね・・・よくやるよ・・・楽しくない」
といまいちだったようです(笑)
帰りの車窓からは夕日に染まるのどかな風景。ふるさと岩手も今、このぐらいの感じなんでしょう。
田んぼに鴨が一杯いてビックリ、私は見たことのない風景でとても新鮮でした。有機栽培?
くりこま高原駅に戻ったのが16:30、駅のオミヤゲ屋さんで散々買い物をし、
宮城県の充実した名産品をつまみに、反省会しながらまた新幹線で帰りました。
ドタバタ珍道中でしたけど、行ってよかった、紅葉最高だった~。
交通費だけで2人で約¥50,000という財布には痛い、忘れられない弾丸遠征日帰り山歩き。
またいつか、今度は須川温泉に泊まってゆっくり歩きたいな、と思いました。
おしまい。
【行程】東京駅6:04→くりこま高原8:24(新幹線¥11,000)→ミヤコーバス絆号8:45→いわかがみ平10:10(¥1,200)
山中滞在時間10:30~14:50
ミヤコーバス絆号いわかがみ平15:00→くりこま高原駅16:25(¥1,200)
くりこま高原駅15:15→大宮駅18:58 (新幹線¥10,100)大宮→新宿(¥450)