50数年まえの私
絵が大好きだった
なにかに導かれるように
大都会、東京に憧れて
いなか娘は旅立った
東京は
才能と天才ばかりの
集まる場所
私はそんな東京に
のみこまれて
挫折、挫折の連続
50年の空白
眼もダメになり
不自由な体と
どこから見ても
おばあちゃん
だけど
なぜか、今、
絵を描きたくて
もがきながら
絵筆を手に
時間だけが過ぎていった
なにげなく
指についた絵の具
白紙に一本の線を描く
とても不思議な感情
今まで感じた事のない
喜びと指が語る言葉
まだまだ
誰かにご披露なんて
恥ずかしくて
出来はしないけど
絵を描く喜びが
新たなる
希望が生まれた
喜び記念日