初秋の候(虫の音)
毎日、暑い日が続いていますが、もう暦は九月にはいり、やはり朝夕には秋風を感じる季節に入りました。
「この寝ぬる夜のまに秋は来にけらし朝けの風の昨日にも似ぬ」藤原季通。=今日の明け方の風は昨日と違って冷ややか、夜の間に秋が来たようだ。残暑の八月も過ぎてもう九月、季節の移りを自然に詠んでいて納得できる歌ですね。もう一首の歌、
「おしなべてものを思わぬ人にさへ心をつくる秋の初風」西行法師
鈍感な出家の私でさえ最初の秋風に吹かれるともの思いにふけってしまう。世を捨てた私でも月に秋風に心を揺さぶれてしまうものだ。
この二つの和歌に私はとても感動を受けました。人の心は微妙な感覚に四季を感じるものですね。初秋を肌で感じる季節になりました。
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