緊急事態宣言下で開催が強行され、大会後には感染者数が急増したンにもかかわらず、昨年12月22日に行われた東京五輪・パラリンピックの組織委理事会で提出された報告書は670ページという分量であったが、大会開催が新型コロナの市中感染拡大に影響しなかったことや、熱中症になった選手・スタッフは280人いたが重症者は少なかったなどとして、大会の成功ぶりを自画自賛していた。
しかし莫大な協賛金を支払っていたスポンサー企業からは以下のような苦言がアンケートに寄せられていた。
経理面については、
「招致計画よりも開催費用が増額していることに対し、国民に分かりやすく説明責任を果たすことが必要だ」
「観客の有無が不透明で、無駄となったコストが多く発生した」
「大会直前の無観客開催決定により多額のキャンセル費用が発生した」
そしてその他として、
「開催意義について納得のある説明が国民にされなかった」
「人権やジェンダーにかかわる問題が残念」などがあったが、670ページの報告書にはそうした意見に対する組織委の見解は記されていなかったらしい。
「東京五輪・パラの成功アピール 経費の倍増、森前会長の女性蔑視発言などへの検証・考察はなし 組織委報告書」
少なくとも都民から集めた税金もふんだんに使われたのだが、それに対する詳細な説明は闇の中らしい。
そして五輪後の感染拡大した9月以来という数東京でも2198人という感染爆発が起きているにもかかわらず、リーダーシップを発揮すべき知事たる小池百合子の存在感がまったく希薄なのはどうなってるのだろうか。
小池百合子は昨日、経済同友会、東京商工会議所、経団連と個別にオンラインで会談し、新型コロナウイルスの感染急拡大に備え、業務継続計画(BCP)策定などの対策を要請したという。
「コロナ対応でBCP策定 小池都知事、経済団体に要請」
「これまでにないスピードで感染が広がっており、社会活動がストップしてしまう」と小池百合子は指摘して、BCP策定を支援するために作ったチェックリストの活用を促しながら、社内の1割を超える従業員の欠勤を想定した応援要員の確保や、優先業務の洗い出しなどを呼び掛けたという。
しかし呼び掛けていた小池百合子の横顔からは生気が無く気の乗らない顔がアップになっていたが目が死んでいるようで、淡々とルーティンワークをこなしてますっという風情で、危機感は爪の先程も感じられないようであった。
経済団体とオンラインで会談し、業務継続計画(BCP)の策定を求める東京都の小池百合子知事=12日午後、都庁
ネットにはこんなコメントがあった。
「これからBCP整備なんていう企業は余程のダメ企業。名前を公表して恥晒しの刑に処すべきですね。」
「『さあ、わたくしの出番ですことヨ、ほほほ』なんて考えているんじゃないのかな。
最近は聞かなくなったが、『火事場泥棒』という死語のような単語を連想していまいました。」
まあ、西の吉村洋文大阪府知事と東の小池百合子都知事、いずれも「やってる感」を醸し出すパフォーマンスは相変わらず健在のようである。
そんな小池百合子が、この時期にトンデモないことを言い出していた。
「7月に東京五輪1周年記念式典 8月にはパライベント 都が開催 10月にハーフマラソンも」
東京都は今年7~10月を東京五輪・パラリンピック大会1周年記念期間とし、スポーツイベントや「東京レガシーハーフマラソン」を開くと明らかにした。 都は大会1周年記念事業(仮称)として新年度予算案に8億円を盛り込む方針で、小池百合子知事は「大会の記憶を共有するとともにレガシーを活用し、スポーツ振興につなげたい」と述べた。 五輪開会式から1年の7月23日にメダリストや大会経験者が多数参加する記念セレモニーを開催。8月24日にはパラ開会式から1年の記念イベントも開き、セレモニーやエキシビションマッチを行う。昨年の大会は無観客だったため、多くの都民や子どもたちに観戦機会を提供するとしている。 10月16日には、約1万5000人の参加を予定する東京レガシーハーフマラソンを開く。国際オリンピック委員会(IOC)の協力を得てトップ選手を招く。この他にも7~10月、スポーツイベントを開く。 |
おそらくは10月ころにはCOVID-19の感染者数も昨年の同時期のように激減し収束に向かうかもしれないし、多くの国民もそう願っていることは間違いないだろう。
しかし安倍晋三の世界的な虚偽プレゼンテーション(福島はアンダーコントロール発言)によって五輪開催を手に入れながら、その後の五輪にまつわる様々な不祥事を顧みれば、「呪われた五輪」といっても過言ではなく、しかも今後利用価値がなく建設費の一部も回収の見込みもない施設が多く存在している。
改めて、振り返れば新国立競技場建設が白紙になりコンペのやり直しがあったり、エンブレムの盗用が発覚したり、マラソン会場が東京から札幌に変更され、しかも「2020東京五輪」がコロナ禍により1年延期になった。
あげくの果てに世論の8割近くが反対する中での開催の強行があり、その間にも感染は拡大して医療崩壊を招き、開会直前には差別発言などによる関係者の辞任や交代が相次いだ。
もはや負の記憶しかない東京五輪。
そんなイメージを払拭したいという願望から「東京五輪1周年記念式典」を開催したいという東京都知事の思惑が透けて見えるのではないだろうか、とオジサンは思う。