新・定年オジサンのつぶやき

残された日々をこの世の矛盾に対して勝手につぶやきます。
孫たちの将来に禍根を残さないよう、よき日本を「取り戻したい」。

身内に甘い岸田文雄はジャニーズ問題より悪質である

2023年09月08日 12時06分24秒 | 岸田統一教会内閣

昨日は午後の涼しくなった頃、掛かり付けのクリニックに行ったのだが、同じような高齢者が待合室を埋めていた。
 
そこでは、「ジャニーズ事務所による記者会見」模様が映し出されていたのだが、最後までは見ることができずにクリニックを後にした。
 
その後、夕方のニュースでも放映されており、約4時間余りの会見だったらしいのだが、多くの世間の注目を集めていた肝心の内容はあいまいであった。
 
ジャニーズ東山新社長、芸能界の内幕を知る人たちの分析は…『変える気がない』『こうせざるを得なかった』」 
   

性加害問題の調査報告を受けて事務所が7日に開いた会見をどうみるか。芸能界の内幕を知るジャーナリストや音楽批評家に受け止めや、事務所側の狙いを聞いた。東山紀之氏が新社長に就任した理由はー
◆がっかり。名前も変えないなんて…
 「ジャニ研! ジャニーズ文化論」の著者の1人で音楽批評家の大谷能生さんは会見に落胆した。「評価できるのは犯罪を認めたというところだけ。もっと変わると思っていた。社名も変えて、分社化するのかと…。何も変わっていないじゃないか」
 自身もジャニーズの大ファン。だからこそ、きちんと経営改革がなされた事務所でのタレントたちの活躍を願っていた。「ジャニーズの名前を変えないという選択は非常に問題がある。あれだけの犯罪をした人の名前を冠にしたまま会社を続けるというのは、普通では考えにくい。国際的にも認められないだろうし、タレントたちの海外での活動が難しくなるのでは」と懸念する。
 新社長の東山紀之氏については「昔から藤島ジュリー景子氏の相談にのっていた人物で、ジャニーズ事務所にとっては身内。一心同体と言える。一番身内の人に会社を渡したのは、このまま続ける体制をつくりたいから。それはこれまでの体制を変える気がないということではないか」と批判した。
◆なくすべき部分、残すべき部分
 メディアの責任についても言及。
 「テレビには今もジャニーズ事務所に所属するタレントが出演し続けている。他のゲストが忖度してフリートークで性加害の問題を聞けないような状況もある。その光景をテレビを通して社会に見せることが最大の問題だ。これは暴力だと思う。これからのテレビ番組の制作者は大きな責任を負う」
 一方で、元々ジャニーズは、テレビではなくステージでエンターテインメントを見せる集団だったといい、「ライブやミュージカルなどこれまでつくってきた舞台と劇場文化を残していってもらいたい」と願った。
◆会見の狙いは同情を誘うこと?
 喜多川氏の性加害問題を追及してきたジャーナリストの松谷創一郎氏は、今回の会見にも参加し、「世間の同情を誘い、溜飲を下げるのが事務所側の狙いだった」とみる。
 会見は4時間超の長時間に及び、記者の質問にすべて答えた。ジャニー喜多川氏による性加害を調査した外部専門家による再発防止特別チームの指摘にもすべて応えている。一見丁寧に対応しているようだが、「真摯に向き合っている姿勢を見せているだけ」と松谷氏は語る。
 何をするのかという具体的な部分には事務所側が答えていないためで、「ふわっとしているんです」と強調する。「実際に何をするのか、今後の姿勢をチェックしないといけない」と呼びかけた。
◆意外と高得点 理由は…

 ただ、松谷氏は今回の会見に点数をつけるなら「合格点が75点で、70点。合格するかしないかくらいの評価だ」と意外と甘め。
 理由について「性加害を認め、補償をするとしたのは評価できる」と説明。「今までのジャニーズ事務所なら、マスコミの忖度に頼って否定していただろうから、そこは変わった」と受け止めた。
 さらに、ジュリー氏が株式を手放していない点についても「本当は手放そうとしたけど、他企業との交渉が決裂したみたいだ」と擁護。
 「社長も他の人を探したが見つからず、結局東山氏に頼んだようだ」と言い、問題視されている同族経営は「継続せざるを得なかったのが実情」との見方を示した。


 

 
少なくとも、「ジャニーズ事務所」が心機一転の出直しには、かなりの時間がかかることは容易に想像できるが、それまで所属タレントたちが持つだろうか、という野次馬て的な気持ちになる。
 
まあ、多くの国民の生活には影響のない話なのだが、昔から政府の本音を隠す「言葉の言いかえ」には問題が含んでいる。
 
例えば、チョット前の話になるが、安保法制を平和安全法制に、共謀罪はテロ等組織犯罪準備罪と実態を表さぬ名がつけられた。
 
最近では、敵基地攻撃能力も反撃能力とされたが、自民党関係者もこう言っていた。
 
「この敵基地攻撃能力も反撃能力もまやかしでしかない。政府が強引に進めたのは自民党内でも古くから議論がある予防的先制攻撃と自衛的先制攻撃の議論が実態に即している」と。

さらには、同志国に防衛装備品などを供与する新制度を「政府安全保障能力強化支援」として、殺傷能力のある武器の供与も狙っている。
 
そんな岸田文雄政権なので、今回の「核汚染水」を「処理水」と言って公海に投棄したことに対して、あたかも中国だけが反発しているかのような報道に対して、海外メディア記事を調べて「?」と投げかけている御仁がいた。
 
中国だけじゃない。英国もドイツも原発処理水を『汚染水』と報じている現実
 

■中国だけに非ず。世界が「汚染水」と呼ぶ岸田が海に捨てる水
8月31日、野村哲郎農林水産大臣が、福島第1原発に溜まり続けている自称「処理水」のことを、ついウッカリと「汚染水」と言ってしまったため、四方八方から集中砲火を浴びて大炎上しました。しかし、任命した大臣が次々と不祥事を起こすことでお馴染みの岸田文雄首相は慣れたもので、自身の任命責任を問われる前にマッハの速さで「謝罪と発言の撤回」を指示しました。
そして、野村大臣もマッハの速さで官僚に書かせた謝罪文を棒読みし、その「謝罪なのに顔を上げずに原稿を棒読みする」という態度が批判されるという、もはや、これまで何度見せられたか忘れるほどの自民党政権の伝統芸、そして、その様式美を披露してくれました。
ま、この野村大臣に関しては、中国が日本産水産物の輸入を全面禁止した件について、8月25日の閣議後の記者会見で「大変驚いた。全く想定していなかった」と述べたため、「おいおい!そんな認識で農水大臣やってたのかよ?」と全国からツッコミが炸裂し、すでに大炎上のフラグが立っていました。ですから、今回のウッカリ発言も既定路線だったと思います。
しかし、「世界中が日本の海洋放出を理解しているのに、中国だけが『処理水』を『汚染水』と言い続けて風評被害を広げている」というシナリオで突き進みたい岸田首相にとって、この担当大臣による「汚染水発言」は、痛すぎるアクシデントとなってしまいました。
でも、これは岸田首相が悪いのです。日本が海洋放出をすれば、中国が猛反発することなど子どもにだって分かること。本来なら何カ月も前に外相を訪中させ、次に経産相、環境相、農水相などを訪中させ、十分に下地を作った上で仕上げに岸田首相が訪中し、トップ会談で根回ししておく。そうすれば、少なくともここまでコジレることはなかったと思います。
さらに言えば、ロシアのウクライナ侵攻以降、西側諸国と社会主義国との対立の構図が鮮明になりましたが、それでも冷戦に突入しないのは、米中しかり、日中しかり、双方の国に利益のある経済的外交関係があるからです。それなのに、中国に何の根回しもせずに海洋放出を強行し、福島県産だけでなく全国の水産物の輸入を禁止させられるなんて、これは日本にとって経済面だけでなく国防の面でも大きなマイナスです。
それもこれも、岸田首相が韓国とのすり合わせばかりを重視し、中国を軽視したことが原因です。とても外相経験者とは思えないほど低レベルなシロート外交です。でも、わざわざ福島まで行ったのに福島漁連の人たちには会わず、地元の人たちにさえ最低限の説明もしなかった岸田首相に、他国への事前の根回しを期待するのは、カナブンに微分積分の問題を解かせるような話、最初から無理があったのです(ちなみに「カナブンに微分積分」はラップのように韻を踏んでみました、笑)。
■「汚染水」と表記する欧米諸国には抗議せぬ岸田首相
ま、それはそれとして、「処理水」を「汚染水」と言っているのは、本当に中国だけなのでしょうか?…というわけで、まずは大まかな流れを説明しますが、ずっと「汚染水」と呼ばれていたものが、突然「処理水」という呼び名に変更されたのは、菅義偉政権下の2021年4月でした。海洋放出を強行決定した菅義偉首相は、「汚染水」という呼び名のままでは海洋放出の実現への足かせになると判断し、今後は「処理水」という呼び名に統一するようにと、記者クラブを使ってメディアに指示したのです。
これを受けたNHKは、国内報道はそれまでの「放射能汚染水」を「処理水」に、国際報道はそれまでの「radioactive water(放射能汚染水)」を「treated water(処理水)」に、それぞれ変更しました。民放各局、新聞各紙も同様でした。
また、就任直後のジョー・バイデン米大統領も、日本政府の方針に理解を示しました。そして、アメリカのメディアもそれに忖度する形で、CNNニュースやニューヨークタイムズ紙などは「treated water(処理水)」や「treated radioactive water(処理された放射能汚染水)」という表現を使うようになりました。ワシントンポスト紙は、汚染されているかどうかを限定しない「Fukushima nuclear plant water(福島原発水)」という中立的な表現を用いるようになりました。
しかし、アメリカのメディアも、すべてが右へ倣えというわけではありません。シアトルタイムズ紙は、それまでと同じく「radioactive wastewater(放射能汚染水)」という表現を使い続けただけでなく、日本の海洋放出を批判する記事を掲載しました。これは、シアトルタイムズ紙が中央の影響を受けない独立系のローカル紙だからで、同様の論調のローカル紙は複数あります。
イギリスでも、BBCニュース、ロイター通信、ガーディアン紙を始め、ほとんどのメディアがそれまで通りに「contaminated water(汚染水)」という表現を使い続けています。一例を挙げますが、今回、日本が8月24日に海洋放出を始めた3日後の8月27日付のロイター通信の「Japan says seawater radioactivity below limits near Fukushima(福島の海水の放射能は基準値を下回っていると日本が発表)」という記事の中では、次のように書かれています。
Tepco is storing about 1.3 million tonnes of the contaminated water, enough to fill 500 Olympic-sized swimming pools, in tanks on the site.

(東京電力は、オリンピックサイズのプール500個分を満たすのに十分な約130万トンもの汚染水を敷地内のタンクに保管している)
記事自体は、「東電はトリチウム以外の放射性物質は含まれていないと説明している」「トリチウムも環境や人体に影響のないレベルまで希釈されていると説明している」など、日本の報道と同様の内容ですが、タンクに貯蔵されている水に関しては、これまで通りに「contaminated water(汚染水)」なのです。
また、脱原発を達成したドイツのドイツ通信社の記事では、radioactive water(放射能汚染水)」と、さらに踏み込んだ表現を使っています。岸田首相は、「汚染水」と言っただけの野村大臣にマッハで謝罪・撤回させたのですから、こうしたイギリスやドイツのメディアにも抗議すべきなのでは?…なんて思ってしまいました。
■国民のナショナリズムを煽る作戦に出た岸田政権
ま、そもそもの話、岸田首相は福島漁連との6年前の「関係者の理解なしに、いかなる処分も行なわない」という政府の約束を反故にし、地元への丁寧な説明もないままに海洋放出を強行したのですから、本来なら国民の怒りは岸田政権へ向くところでした。しかし、中国が「日本の水産物の全面輸入禁止」という過剰反応に出て、この問題を政治利用し始めたので、岸田首相は「渡りに船」とばかりに、これに便乗したわけです。
中国の国営メディア、新華社通信は、通常運転でも「contaminated water(汚染水)」、ここ一番の日本叩きの記事では「nuclear-contaminated water(核汚染水)」「contaminated radioactive wastewater(汚染された放射能廃水)」「contaminated Fukushima water(汚染された福島の水)」など、どこの国のメディアよりも厳しい表現を使っています。
そこで岸田首相は、中国の一挙手一投足をいちいち日本のメディアに大きく報じさせ、オマケに「中国の原発排水のほうが日本よりトリチウムが高い」と報じさせることで、国民のナショナリズムを煽る作戦に出たのです。安倍政権から続く警察官僚の入れ知恵だと思いますが、こんな幼稚な作戦でも、脳みその回路が直列つなぎの一部の国民は、「悪いのは中国だ!」「日本が海洋放出しているのは安全な処理水だ!」と思い込んでしまうのです。
しかし、実際に世界各国の報道を見てみると、日本と同じように「treated water(処理水)」などと表現しているのはアメリカの一部のメディアくらいで、多くの国のメディアは「contaminated water(汚染水)」や「radioactive water/radioactive wastewater(放射能汚染水)」という表現を使っているのです。また、日本に対して批判的な記事を書いているのも、中国だけではありません。
たとえば、今も「radioactive wastewater(放射能汚染水)」という表現を使っているアメリカのシアトルタイムズ紙は、「福島の地域住民の9割が海洋放水による漁業への悪影響を懸念し、放出に反対している」と明記して、岸田政権が地元住民の理解を得ずに放出を強硬したと書いています。
また、イギリスのガーディアン紙も、環境保護団体「グリーンピース・イーストアジア」の専門家の発言として、「もしも福島第1原発のタンクの貯蔵水が放射能汚染されていないと言うのなら、東京電力は同国の原子力規制委員会に海洋放水の許可を得る必要などなかったはず。タンクの貯蔵水は『アルプスで処理したが放射性物質を除去できなかった水』である。日本政府は『処理水』という言葉で国内外を欺こうとしている。」という指摘を掲載しました。
これが世界の現状なのですから、岸田首相は「中国だけが日本を批判している」という卑怯な印象操作で保身に走らず、自分の非を認めるべきだと思います。そして、ここまで言われても「汚染水でなく処理水だ」と言い張るのなら、「contaminated water(汚染水)」や「radioactive wastewater(放射能汚染水)」という表現で福島の海洋放水を報じている世界各国のメディアすべてに抗議して、野村大臣と同じように謝罪と撤回を要求してほしいと思います。
■農水大臣「汚染水」発言に国民の方が怒っているという恐怖
さて、野村哲郎農林水産大臣のウッカリ発言の翌日9月1日、文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ』の「メインディッシュ」にゲスト出演したジャーナリストの神保哲夫さんは、「野村農相が処理水を汚染水と言い間違えて謝罪するという、何か変なことになって来ましたね」という大竹まことさんの問い掛けに、次のように答えました。
「むしろ深刻ですね。一種の言葉狩りのようになって来ている。あれは、アルプスで処理をしたが、一定の放射性物質、トリチウムを加えて12種類の核種が残留している水ですよね。それを、マスメディアは政府との間で何らかの合意があるのか、『処理水』と言うようになった。これは記者クラブから始まったことです」
「かつて『狂牛病』のことをある時期から『BSE』と言うようになりましたが、これは農水省の記者クラブからでした。記者クラブが『BSE』と言えば、朝日新聞だけが『俺たちだけは狂牛病と報じ続けるぞ』というわけには行かなくなっちゃうんですね。役所の記者クラブから統一する。風評被害を防ぐためには『狂牛病』という言葉は使わないほうがいい。今回も同じです」
「同じように『盗聴法』の時も、途中から『通信傍受法と言え』と、総務省の記者クラブから始まりました。当時、あるテレビ局の番組に出た僕が『盗聴法』と言うと、そのたびにアナウンサーが『通信傍受法です』と訂正したんですよ。今回とても危機感を持っているのは、今までは役所が記者クラブを通じてメディアの情報統制をして来たので、言葉は一色に染まっても、見ている人たちは分かっていたわけですよね。『まあ、BSEと言ってるけど狂牛病だろ?』ってね」

「でも今回、僕が恐いのは、どちらかと言うと市民のほうが怒っているんですよね。農水大臣が『汚染水』と言ったことに対して。つまり、上から下に『これからは処理水と呼べ』という統制が行なわれても、市民は『実際は汚染水だ』という事実が分かっていた、というのではなく、ベタで『あれは処理水であって汚染水ではない』という政府が作ったバージョンが信じられてしまっているんです。あるいは『信じたい』という願望を強く持っているがゆえに、そうじゃないという情報を流す人たちを攻撃したくなる。憎いを思うようになる現象が起きている」
■なぜ政府は「海洋投棄」という手段を選んだか
「『汚染水と呼ぶと福島への風評被害が大きくなるじゃないか』というのは市民感情なんですね。でも、そうじゃないんですよ。政府が海洋投棄するという決定をしてしまった。それなのに、その水が海洋投棄してはいけない水だった。そこが問題なんですよ。当時、有識者会議では5通りの処理方法が示されました。その中で海洋投棄が一番安かったんですよ。34億円と試算されましたから。ご多分に漏れず、実際にはもう500億円を超えてますけどね」
「水蒸気にして蒸発させる、コンクリートにして固めてしまうなど、5通りの処理方法の中で、最も安易で最も安い海洋投棄を当時の政府が選んだんです。その結果、それが最も環境負荷が高く、最も風評被害を起こすものだったんですよ。その処理方法を選択したのは政府なのに、その水の呼び名がどうだから風評被害が起こるというのは、完全にお門違いです」
「最初は、汚染水が海へ流れてしまった。そうしたら批判された。『ああ、海へ流すとヤバイのか』と学習し、それでタンクに溜め始めた。でも、そのまま汚染水を溜め続ければ、いずれ海に流すしかないことは(政府も東電も)みんな分かっていた。それなのに、10年以上に渡って何の代替案も考えずに放っておいたら、その通りになった。これはもう子どもですよね」
神保哲夫さんは、この後も、世界の原発国が流しているトリチウム水と日本が流し始めた自称「処理水」との大きな違いについて、日本は今後どうするべきかなど、この問題を多角的に解説しています。以下のリンク先で「大竹メインディッシュ」を選べばポッドキャストを聴くことができますので、ぜひ聴いてみてほしいと思います。また、8月30日の社会学者、宮台真司さんも、トークの前半でこの問題について詳しく解説していますので、ぜひ聴いてみてください。
PodcastQR | 文化放送


 
ところで「処理水」という表現を垂れ流している大手メディアは、こんなことも垂れ流している。
 
大メディアは政局予想垂れ流し 木原続投報道にこれだけの雑音
 
  
股肱の臣を切るのか、重用し続けるのか。岸田首相が早ければ来週にも実施する内閣改造・自民党役員人事に向け、驚きの記事が6日の朝日新聞に掲載された。
〈木原氏続投で調整〉
 そう小見出しが躍り、〈最側近の木原誠二官房副長官を続投させる方向で調整する〉と報道。〈岸田派に所属する木原氏は、外交・内政の重要問題を首相とともに検討してきた最側近で、政権運営の安定に欠かせないと判断した〉と伝えた。
 なぜ、驚きなのか──。木原を巡っては、週刊文春が7月13日号(同月6日発売)以降、妻の元夫の不審死事件に関し、重要参考人として事情聴取や家宅捜索を受けていたと報じ、妻が事件に関与した疑いを連続追及している。木原は2カ月も逃げ回り、すっかり憔悴。与野党問わず「公務に支障を来している」と危惧する声が上がっている。支持率低下に悩む岸田にすれば「切るしかない」が大方の見方だったのに、まさかの続投報道が飛び出したのだ。
 木原は確かに、岸田が最も信頼を寄せる腹心の部下だ。2020年の自民党総裁選で菅前首相に敗れ、無役となった岸田を支え、1年がかりで共に「新しい資本主義」などの看板政策を練り上げた。21年に岸田が総理の座を勝ち取ると、木原を抜擢。官邸中枢で岸田がただ一人、心を許すことのできる「総理の精神安定剤」とも言われている。
 木原は現政権の主要政策のほぼ全てに関わり、「異次元の少子化対策」を発案し、ネーミングしたのも彼。岸田のスピーチライターとしての役割も担い、昨年5月、英国の金融街シティーで講演した際、「インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と言わせたのも木原だという。
 岸田にとっては余人をもって代えがたいのだろうが、その内情を差し引いても、木原の醜聞はあまりにも、おぞましい。
■元捜査官は「自殺ではない」と実名告発
 文春の一連の報道は、17年前の前夫の「怪死」に、木原の妻とその関係者が関与していたことを十分にうかがわせる。だからこそ、18年には警視庁も当初は不審死として処理した事件の再捜査に動き、妻を事情聴取。自宅や実家へ家宅捜索に入ったのである。
 聴取が始まったのは、2018年10月上旬のこと。その際、木原は同月24日から始まる臨時国会について言及し、「国会の召集日までに取り調べを終わらせろ」と捜査幹部に要求。木原は妻に「俺が手を回しておいたから」「刑事の問いかけに黙っておけ」と語っていたと文春は報じた。
 妻の取調官だった元警視庁捜査1課警部補の佐藤誠氏によると、10月下旬、突如として取り調べの中止が言い渡され、間もなく捜査は自然消滅してしまった。文春に証言した佐藤氏は7月下旬に記者会見し、「自殺ではない。事件はありえない形で終わった」と実名告発。異例の経過をたどる「木原事件」だが、木原本人は記者会見など公の場での説明を一切していない。
 メディア対応は代理人弁護士を通じて、司法記者クラブ宛てに「想像を絶する著しい人権侵害」などと自身の心情を書き連ね、「速やかに刑事告訴を行う」という文書を送り付けただけ。妻のために捜査に圧力を加え、終結させたとしたら政権を揺るがす大スキャンダルだ。
 木原も後ろめたいことがないのなら、堂々と釈明すればいい。ましてや、木原は官房長官に代わって記者会見を担当することもある政権のスポークスマン。自分の身に何が起き、どう考えているのか、説明責任を果たす義務がある。
■内閣の一員なら何をやっても許されるのか
 文春が妻の疑惑を報じて以来、木原は囲み取材にも応じず、記者を避けるように官邸の裏口から出入りしているという。7月には岸田の中東3カ国歴訪に同行する予定も、突如、磯崎副長官に変更。先月、米ワシントン郊外のキャンプデービッドで行われた日米韓首脳会談には同行したものの、記者団へのブリーフィングは一切なし。
 ダンマリを決め込むことで、官房副長官としての本来の職務に支障が出ているのは明らか。木原続投で重用し続けるつもりなら、岸田は国民を完全にナメている。
「自らにかけられた疑惑に責任ある対応を一切せず、ウヤムヤのまま、沈黙を続ける。木原氏とそれを許す岸田政権には『どうせ、国民はすぐに忘れる』というおごりを感じます。疑惑にフタで世論の忘却をひたすら待つのは、安倍政権以降の常套手段。『モリカケ桜』と、政権を揺るがす疑惑が相次いでも、説明を尽くすことなく、ダラダラと続いた安倍長期政権から悪しき教訓を岸田政権も学んでしまった。いくら『聞く力』を標榜しても、逃げ得戦術を踏襲した安倍亜流政権で、国民愚弄政治が常態化しています」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)
 木原の妻が事情聴取を受けた18年10月は安倍政権下で「官邸ポリス」が暗躍していた時期とも重なる。当時、元警察官僚で官房副長官だった杉田和博氏が内閣人事局長を兼ねて霞が関を牛耳り、「官邸のアイヒマン」と恐れられた大物警察官僚の北村滋氏が内閣情報官として内閣情報室を束ねていた。
 2人が影響力を及ぼす警察庁は、長官が栗生俊一氏、官房長が中村格氏という体制。菅官房長官のもと、彼ら官邸ポリスの鶴の一声で、捜査機関は政権に忖度。安倍長期政権を支えたとされる。
■後追い報道封印のドーカツに屈し
 当時、警察トップの栗生氏は、今や木原とともに官房副長官を務めている。木原事件について警察側は、7月に警察庁の露木康浩長官が「証拠上、事件性が認められない」とコメントして以来、その姿勢を崩そうとしない。遺族に対し、警視庁の担当者は「自殺と考えて矛盾はない」などと説明しているという。
 文春の報道によると、警視庁の刑事部長に、事件性のない自殺という形で「火消しをしろ」と命じたのは現トップの露木氏であり、彼にそうハッパを掛けたのは元トップの栗生氏。岸田は安倍から国民愚弄だけでなく、官邸ポリスまで引き継いでいるのだろうか。
 むろん、警察側の説明は説得力に乏しく、文春も疑義を挟んでいる。それでも木原事件が政権に大ダメージを与えているとは言いがたい。最大の理由はこの2カ月、大新聞・テレビがまったく追撃しないからだ。
「警察側が事件性を認めていない以上、報道するわけにはいかない」と言うのなら、独自取材で権力の不正を暴き出す「調査報道」を否定するのと同じ。刑事告訴をチラつかせる木原の「後追い報道」封印のドーカツに屈すれば、それこそ権力の思うツボだ。
 大マスコミは一体、どこを向いて報道しているのか。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言った。
「木原氏続投の政局予想を無批判で報じ、世論の動向を見極めたい政権側の『観測気球』に協力するかのような朝日の報道姿勢には違和感を覚えます。木原氏は、他にも愛人女性と彼女に生ませた娘とのディズニーランド・デートや、愛人運転のベンツで官邸に出勤する様子も写真付きで文春に報じられた。あろうことか、今年6月まで違法デリヘルの常連客だった疑いまで指摘されています。これだけ政治家としての資質が問われる事案が浮上しても、大手メディアが沈黙していれば、政権側はますます思い上がる。『権力の内側にいれば何をやっても許される』と国民に誤ったメッセージを送っているのと一緒です」
 ハレンチ木原のウヤムヤ続投を許したら、いよいよ日本のモラルは地に落ちる。

  

 
当分の間は、テレビメディアは「ジャニーズ」関連報道を垂れ流し、その裏では岸田政権による疑惑のデパートの木原誠二官房副長官をかばい続けることになるのであろう、とオジサンは思う。   
  
 

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