日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

【緩募】立体造形が得意な方をご紹介ください!!

2019-01-31 22:16:24 | その他

粘土細工でも彫刻でも、CGでも、
制作技術をお持ちの方、お知り合いにいらっしゃる方、是非お教えください。
人類進化を学ぶための教材として、人類の頭骨レプリカは優れています。
左側の黄色いアファレンシス君は、市販の頭骨をコピーしたため、
限られた範囲でしか活用できません。
自分で粘土細工してみましたが、うーん、餅は餅屋。
模型をみながら制作していただける方、募集中です。
コメント欄にご入力いただけると嬉しく思います。
(表示はしません。)
お待ちしております。 


おかげさまで、ご縁がありました。
ありがとうございました。

 


校種はあまりカンケーないよ、授業づくりの考え方(No.3)

2019-01-26 11:38:15 | 最近読んだ本
授業づくりの考え方 ―小学校の模擬授業とリフレクションで学ぶ
渡辺 貴裕 (著)
くろしお出版


われらの師匠、渡辺先生の最新作です。
読んでいると、
私にとっては実践よりの理論を追求する研究者、
渡辺先生の語りがそのまま、
正しくは、頭の中で関西弁に変換されて届きます。

真っ当な?レビューはこちら
いくぼんさんのブログにお進みください。



流れとして、
「試みる」まずは学生が模擬授業をやってみる。
「かえりみる」模擬授業について生徒役の学生と感想を言い合う。
「深める」著者が振り返りを深める視点を学生(&読者)に語る。
「広げる」著者の話を受けて、授業の改善案や発展方法について話し合う。
をいくつか繰り返し、
間に著者のミニレクチャーが入ります。

 

「試みる」で描かれる模擬授業のエピソードは、
あぁ、かつて自分も同じようなことしてたよね、と
記載内容よりもイタイ思ひでとして蘇ります。
そのイタさから今につながるので、無駄な経験だとは思いません。
でも、いきなり実践の場で挑んでいた初任の頃を思い出すと、
安心・安全な場、模擬授業で体験することのメリットを感じます。

 
1回の授業経験で何かが大きく変化するのではく、
何日も何か月も何年もかけて、
経験で得た知識や技術が、
その授業者にとって意味のあるものとして再構成されていきます。

その再構成を促すために、
対話を通した模擬授業検討会の実施は効果があるんだろうなと、
一連のエピソードを読んで初めて思いました。
一部ではなく、全体を読んで、です。

初任者研修の一環として行われる研究授業&検討会で、
講評者が何か伝授した時と同じく、
たった一回の検討会で何か教えられたからといって、
劇的に変わるわけではないのですから。

 


p163

 教室を子どもが共に学ぶ場にしたいのであれば、教師自身がまずそうした共に学ぶ場を仲間の教師たちと実践できていなければなりません。教師の学びと子どもの学びの「同型性」です。

 結局、ここだと思います。


「共に学ぶ場にしたい」

この思いがなければそもそも成立しません。
「教えるー教わる」の関係性は、結構、根深い。

そして世代は関係なく主流であると感じています。
「共に学ぶ場にしたい」と思わせるような場作り、
こちらの方が何倍も困難を極めるだろうな、、、、

なんか、気分が沈んできました。






気を取り直して。

 

これまで何回か参加した模擬授業検討会では、、
教科内容と教材の検討に関して、
いつも多少のフラストレーションを感じていました。

文中には登場する学生5人が教科内容について調べて話し合うシーンがありますが、
やはり、生ぬるさを感じます。
しかたありません。
模擬授業検討会ではこの部分を焦点化しているのではないこと、
自分には、熟達者と教科内容と教材の検討をがっつりできる日常がたまたまある、という理由です。
比較したら当然、満足できるわけがありません。


枝葉の内容になりますが、
素朴概念について気になりました。
動物の分類を例として挙げ、
「子どもが生活経験に基づいて自然現象などに対して抱く自分なりの理解のことを、特に理科の分野では『素朴概念』と呼んでいる。」
と説明があります。
正しい「動物」概念って、さて、何だろう?アメーバとかミドリムシは?巨大ウイルスはどう説明する?
素朴概念の例が、自然現象でなく人為的な分類なのは何でだろう?
もう一度、素朴概念について調べてみたくなりました。

 

 


当たり前を疑ってみる(No.2)

2019-01-24 20:57:41 | 最近読んだ本

ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ! ―役に立つウイルス・かわいいウイルス・創造主のウイルス

クリエーター情報なし
さくら舎

インフルエンザウイルスが流行するこの季節。
勤務校も例外ではなく、学級閉鎖も。

インフルエンザウイルスに限らず,
ウイルスには良いイメージがありません。

「ウイルスは病原体」
「ウイルスは小さい」
「ウイルスは生物ではない」などなど。


そんな前提となる認識に対し、
ホントにそうなの・・・?と疑問を持つきっかけとなる一冊です。

 

どんな対象・分野でも、
当たり前と思っていることを、一度、疑ってみる。

その気づきから前進する。

進んだ先はそれぞれかも知れませんが、
まずは疑う、からスタートすることは共通するのですね、多分、
物事が進むときには。

 

帯にある「ウイルスを知ると世界の見方が変わる!」は、
ウイルスの見方を知るとの方がフィット感あり。
見方、大事です。


1年のはじまりはWHYから(No.1)

2019-01-06 22:32:20 | 最近読んだ本
WHYから始めよ! ―インスパイア型リーダーはここが違う
クリエーター情報なし
日本経済新聞出版社


大雑把に読んで終えていた一冊。
気になるところだけを記録します。

第2章 飴とムチ

Pp21.L4
人間の行動に影響を及ぼす方法は、ふたつしかない。

操作(マニピュレイト)するか、鼓舞(インスパイア)するか、だ。

L21
ビジネスから政治まで、あるいはセールスからマーケティングまで、どんな世界でも操作がはこびっている。なかでもよく見られる例を紹介しよう。価格を下げる。プロモーションをおこなう。恐怖心を利用する。周囲と同じ行動をとるよう仲間集団から圧力をかける。上向志向のメッセージを送る。あるいは、あなたが行動を変えればイノベーションが起こると訴える。(略)操作にすっかり依存してしまうのだ。無理もない。操作には効果があるのだから。

 

 

 

人間の行動に影響を及ぼす私たちの職務。

“操作”と“鼓舞”にあたる振る舞いを、どれだけ意識しているのだろうか?
とふと疑問に感じました。
“操作”することこそ教員の本務、と本気で取り組んでいる方々、沢山いらっしゃるような気がしてなりません。

 

 

第3章 ゴールデンサークル

 

P60,L5
はたしてWHATで自分を定義してきた多くの企業や産業は、長きにわたって生き残っているだろうか?あまりにも長いあいだ同じ手法をとってくると、新たなテクノロジーに対抗したり、新たなものの見方を獲得するのが、ますますつらい任務となる。

 

 

 

 

 

現場にいると、山のようなWHATリストが降ってきます。出処はいろいろです。
HOWまで細かく指定され工夫の余地もないことも多々あります。
さらに、個人レベルでWHATを定義して苦しむことも。
「○○科は××だから~」や
「校種が違うから」
「偏差値が違うから」等、
バージョンは多数あり。
結局、視座をどこに置くかで見え方が変わってきます。
自分がどの位置で感じたり考えたりしているのか?
自由に動く余地があるのか?
自問自答です。

 

P64,L6-

(略)このように、私たちはどこに行こうが、価値観や信条を分ちあえる相手を信頼する。

 

 どこかに帰属していたいという願望は、非常に強力だ。だから私たちは、どこかの一員になるためなら苦労をいとわない。

 

 

 

今となってはありがたいことに、
自分自身の価値観や信条に相当するものに対して、
理解を示されないだけでなく、
問題ありとジャッジメントを受けるという経験があります。
経験不足や興味関心の方向性の相違いなど、
相手にも少なからず要因があったと、
今では分析できます。そして、分ちあえない時の不信感も痛いほど。

 

価値観、はいつごろから身につくのでしょうか?

 

仕事で接する中学生は、立派にそれぞれの価値観があります。

 

3兄妹の成長を思い返すと、
生まれてすぐの授乳時から、それぞれの主張があったように思います。
生まれた瞬間から、1個体のホモサピエンス。

 

尊重すべき存在。

 

第5章 明快さ、厳しい指針、一貫性

 P82,L4-

終始一貫したWHATには「本物であること」(オーセンティシティ)が求められる。「本物であること」「真正であること」を意味する「オーセンティシティ」は、企業や政治家がよくまき散らしている言葉だ。本物であることが大切ですと、だれもが熱く語っている。(略)本物であることは、成功の必須条件ではない。だが、永続する成功を望むなら、必須である、ここでもまた、もとをたどればWHYにたどりつく。自分が心から信じていることを言い、行動に移す。それがオーセンティシティだ。だが、自分のWHYがわかっていなければ、志や理念を言葉であらわすことなどできない。自分のWHYと行動が矛盾せず、終始一貫していなければ、本物にはなれない。WHY抜きで本物になろうとするのは無駄な努力だ。そんな真似をしても、結局、ニセモノで終わるのだから。

 

 

 

第6章 危機に瀕する信頼

 

P98,L3

 

会社が従業員を酷使すれば、それは次に、客にたいする従業員の態度にあらわれる。山頂から土石流が落ちてきて、ふもとに立っている人間がまともに一撃を食らうようなものだ。

 

 

 

P192,L8

 

勝ちたいという欲望は、本質的に悪いものではない。ところが得点だけが成功の基準になると、問題が生じる。そもそも、最初に動機としていたはずの自分のWHYを忘れ、得点稼ぎだけに夢中になってしまうからだ。

 

P124,L8

 

内部の人間が守られていると感じるからこそ、すばらしい組織が生まれる。企業文化を強く意識するからこそ、帰属意識が生まれ、それが安全ネットのような役割をはたす。上司や同僚が、そして組織全体が、自分のことを見守ってくれているとわかっているからこそ、社員は安心して出勤する。その結果、全体のために働こうとする意欲が生まれる。個人の決断、努力、行動が、組織全体に長期的な利益をもたらす。そしてまた、その利益を守るようになるのだ。

 

 

 

同型性。

 

どれだけ気づけるか。
どれだけ気づく人を増やせるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第12章 WHATとWHYの乖離

 

P220 数値化できないWHY