日々のできごと。生物準備室より

理科教育、生物教育に関して考えたことをぼちぼち更新。たまに授業実践報告をします。

何を知りたいか?だよなぁ、、、酵素の反応。

2018-04-29 18:45:05 | 生物教育に関すること

久々に、酵素反応実験の実施を計画中。
で、予備実験前に検討する価値があるか予備実験。
 

定番の「だ液がデンプンを分解するよー」の実験です。

反応物のデンプンが分解されてなくなったよーを示すために


 

基準となるヨウ素デンプン反応。
左からデンプン溶液0.5% 0.25%・・・と、おぉ、見た目で分かるくらい色が違う。
よかった。続きができる。 

 


次に、分解されて生成物が増えてきたよーを示すために

 

ベネディクト反応。
左からマルトース溶液0.5% 0.25%・・・。
これも例の測定法でチャレンジすればなんとかなる?


実際にだ液でデンプンを分解して、ヨウ素反応とベネディクト反応。
0min, 3min, 6min室温で反応です。

 

ヨウ素反応はというと、青紫と赤紫寄りの色双方が存在。
(写真撮り忘れ)

ベネディクト反応は

うーん、黄色味が強い。

ベネディクト液に反応している生成物は、
マルトースだけではないからなぁ。
スクロースには反応しなかったけれど、
フルクトースやグルコースのみ、ではオレンジ色に。
マルトースのみの赤みとは少し違う。


マルトースだけの量を見たかったら、
デンプンの末端から切断していく酵素、
βアミラーゼのみを反応させれば、それなりに美しい結果が待っているハズ。

でも、「だ液」を自分から出すことに意味があるのか?
そうだとしても、口から出すって、何回やっても抵抗あるよなぁ・・・。

純度が高いβアミラーゼを最初から準備?
食品添加物として売られているβアミラーゼを準備?

でも、αアミラーゼとの比較で、こんなことが言われているので、
さて、どうしましょうかねー。

結局、何を知りたいのか、学習者が選択することが一番なのかも知れない。
受験勉強だけのためだったら、
エア実験でも問題ないし、
実験のお作法は入学後にもう一度プログラムされているだろうし。

ということで、
何となく方針は決定。

高校3年生はどう攻めるか。
ちょっと楽しみ。 

 

 






色の表現と定量が正確でないのはお許しください。 

 


 





 


まさかの放置技!!花粉管の伸長

2018-04-27 06:51:00 | 中学理科2分野(生物)


この4月、中高一貫校に異動しました。
中2、中3の2分野と高校生物を担当します。
中学理科では、

「脱レシピ実験」

をテーマの一つとして、思考錯誤の日々です。

学習者自身が色々と試しているので、
中々、面白い取り組みも。

ある3年生が、
「時間がなくなったので、
プレパラートを次の時間に見ていいですか?」
と保管を希望。
プレパラートは、寒天+スクロース+インパチェンスの花粉。

付箋に氏名を書いて保管。
次の時間に観察すると、
いや〜スゴイ。

花粉管伸び伸びで絡まっている様子がくっきり。
プレパラート作成から3日経過しているので、
水分は飛んでカピカピ。

いい感じでガラス間に挟まっています。

花粉管伸長の観察は時間が勝負。
だからこそ観察に適した花を選ぶのですが、
偶然とはいえ、1コマで勝負しないこの放置。
残念ながら、放置あと観察した生徒は、さっさと片付けたので写真はありません。

ほかの生徒は、
まず、ユリの雌しべ柱頭の蜜を
スライドガラスに擦り付けてから、
花粉をつけて観察していました。

そうだよねぇ、
一番伸びるはずの条件だよね。

もちろん、望んだ通りに進まなかったケースも。
ボルボックスを染色したら、どうなるのか?
動きが止まったことに驚いていました。


その生徒は内側にある細胞の塊を核とみたてていた。
と、私は予想しているのですが、
記録する、表現するところまでたどり着いていません。

さて、どの程度の枠が必要?