建交労長崎県本部

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佐賀労働局・唐津労基署の不当なじん肺合併症不支給決定を取り消させる!

2022年02月01日 16時37分56秒 | 活動報告

佐賀労働局と唐津労基署は不法不当な決定を2回も行う!

九州支部長崎分会のHさんは、長期間にわたりトンネル坑夫として粉じん現場で働き、長崎労働局長からじん肺管理2の決定を受けていましたが、咳や痰が続くため佐賀の唐津労基署に続発性気管支炎の合併症申請を行ったところ、2回も不支給決定されました。

開示請求を行ったところ1回目は、じん肺診査ハンドブックに基づいた起床後1時間の蓄痰(ちくたん)検査が行われていないことが判明しました。長崎分会は、じん肺の専門医である長崎民医連のU医師に依頼し、ハンドブックに基づき痰の検査をしてもらい再度申請しました。

ところが、2回目は続発性気管支炎を認めたものの、間接リウマチに合併する間質性肺炎/肺線維症が原因であるため認められないと不支給にしたのです。

この不法不当な決定を取り消させるために、九州支部の川路潔執行委員長を先頭に2度にわたり佐賀労働局の労災補償課と交渉を行い、自庁取り消しを行うよう追求しました。2度目の要請には全国労職部会の石田直道部会長も参加しました。しかし、佐賀労働局は「自庁取り消しはできない」の一点張りで、審査請求を行うよう主張しました。長崎分会は自庁取り消しを求めながらも、10月13日付で審査請求をおこないました。

日本共産党の田村貴昭衆議院議員に相談

長崎分会は、九州支部高田正矢書記長とも相談し、佐賀労働局と唐津署の不当な決定を佐賀県民に明らかにする宣伝行動を行うと同時に日本共産党の田村貴昭衆議院議員に協力を依頼することにしました。

田村議員には、厚労省の職業病認定対策室長を招いての説明会を12月24日午後3時に設定していただきました。沖縄の名護市長選挙の支援を早めに切り上げての緊急の調整でした。

田村議員主催の説明会には、支部の高田書記長、石橋寛巳執行委員、長崎県本部の中里研哉委員長が出席しU医師の意見書をもとに1時間30分間にわたり今回の決定の不当性と異常性を説明しました。室長は「既に審査官預かりであり、自庁取り消しは無理なので主治医意見書や説明を受けた内容を審査官に伝える」と回答しました。組合側は年内に決定を行うよう求めましたが、室長は「なるべく早く決定を出してもらうよう伝える」と述べました。

佐賀労働局審査官が決定を取り消す

審査官は1月11日付で不支給級決定を取消し、Nさんの合併症が認められました。

U医師は、意見書で「H氏の診療に関わるようになってわずか約2年間であるが、この間に慢性呼吸不全の進展、肺機能低下(拘束性換気障害)、咳や痰の治療への抵抗性に極めて難渋している。その背景に存在する『じん肺』を決して見失わないように診療を継続する所存である」と述べ、画像診断のみに偏る一連の流れを批判しています。

今回の事案は、ハンドブックに基づく痰の検査をおこなわなかったことや長期間にわたる粉じん作業者に不整型陰影のじん肺が発症し咳や痰が出ているにもかかわらず、粒状影陰影が薄いので関節リウマチに伴う間質性肺炎/肺線維症とされ、一度決定された管理区分が否定されるという「じん肺法」の根幹にかかわるものでした。本来は自庁取り消しが妥当な事案でもありますが、コロナ禍での行動の難しさや何より本人の体調なども考慮し最も早い解決方法を選択しました。



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