無量大数 - 10の68乗の世界

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ガン制圧は無理?

2009-11-25 11:23:02 | 医療・病気
http://www.nhk.or.jp/special/onair/091123.html


を見た。再放送が未定なのは残念。


ゲフィニチブなどといった「~チブ」を接尾辞?とする分子標的薬が、実はあまり効かない理由などが判明。要するに1つの分子のみを標的としても、それを代替してしまうしくみがガン細胞に備わっている、という理由のようだ。


細胞というものが非常に複雑な内部構造を持っていて、それがまだごく一部しか解明されていないことや、さらにそのあまりの「賢さ」に基礎医学と医療が追いつくにはまだまだ時間が相当かかりそうなことがよくわかる番組だった。


しかし神も見事に作ったものだと感心する。ガンや血管系疾患がなければこの世の中は再生産性に劣るジジババばかりになってしまう。細胞新生という胎児などに不可欠な仕組みと、老化に伴う死の仕組みが同じようなプロセスを持っていることに驚く。


膨大な数がある細胞内の遺伝子情報。ガン遺伝子は複数あり、さらに結果的にそれを助けてしまう、本来生命維持に有用な遺伝子の存在も大きい。HIF-1遺伝子は酸素が乏しい環境でも生き延びられ、かつ移動が容易なため正常組織内への浸潤が可能になるという性質を持つ。さらに、本来異物を排除するはずのマクロファージ細胞までもがガン細胞の動きを助けるなどという驚きの事実もあるのだ。


生体幹細胞とガン幹細胞がほとんど同じ性質を持っていて、それを区別するのも難しい、というのがガンの特効薬が出来ない大きな理由であり、さらに放射線その他の攻撃物に強く、結果的にパワーアップしてしまうというまさに「不死身の細胞」がガン幹細胞であるのは本当にすごいなと認識を新たにした。


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