自給率向上による食糧安全保障も大事だが、実は石油を使わないと立ち行かない営農がほとんどという現実を忘れてはならない。
農耕機械だけの話ではない。ハウスを用いる作物は旬を除いて全滅だろう。トマト1個、苺1パックを作るのに真冬どのくらい重油を焚いてハウスを暖房しているか、想像がつくというものだ。
2007年10月27日付埼玉新聞記事より引用
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脱トラクター稲作成功 羽生の後藤さん | ||
トラクターを使わず、必要最低限の軽量機械だけを利用することで、石油燃料をできる限り使わない農業を実践している羽生市の後藤雅浩さん(42)の田んぼで、稲が収穫期を迎えた。休耕期に田んぼで育てたレンゲを肥料代わりにして育てた。後藤さんは「今の農業は人手を減らす代わりに石油燃料が大量に使われている。限りある燃料がなくなった時のために、節約型の農業を試したい」と話している。 レンゲを肥料に 後藤さんが石油燃料の節約を始めたのは、二年ほど前。トラクターが盗まれたのをきっかけに、農業に使う燃料の多さを実感。「石油が入ってこなくなったら、日本の農業はどうなってしまうのか」と考え、試行錯誤を始めた。 秋から春にかけての休耕期に田んぼで育てたレンゲの枯れ草を、ハンマーナイフと呼ばれる軽量機械で粉砕して肥料代わりにした。表面をたたいて柔らかくした土に苗を植える方法で、土を掘り起こす手間を省いたという。 最初の二週間は雑草の芽をデッキブラシでたたく作業に追われたが、その後は水の管理だけ。「トラクターも使わず、肥料をまく必要もない。ここまで手間がかからずにできたのは今年が初めて」と振り返る。 田んぼ周辺ではミツバチを飼育。肥料となるレンゲの受粉を促すだけでなく、副産物としてハチミツも収穫できる。「ハチミツもそうだけど、一番の副産物は田んぼに咲くレンゲの花の美しさですね」と語る。 インターネットでこの成果を発表したところ、全国から問い合わせが集まったという。 後藤さんは「機械が中心の米作りはハードルが高く、一般の人が手を出しにくい。燃料も手間も節約できる方法なら、小規模の稲作で実践できるのでは」と期待を寄せている。 |
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