優れたマスプロパガンダはイコール優れた選挙戦略であり、優れた伝達戦略を裏打ちして初めてその効力を発揮するであろう。果たして次回の選挙までに準備が整うか。
卓越した論考はいくつかあるが、そのひとつ。さすがは山口二郎教授といったところ。
http://yamaguchijiro.com/archives/000248.html より引用。
この間、民主党は何をしていたのか。政策を愚直に訴えるという姿勢が間違いだったとは思わない。民主党の最大の誤りは、政策に関する各論だけで、それをつないだ時に現れる全体的な社会像が欠けていた点にあった。大阪の下町や札幌で民主党候補の応援に行ったとき、それらの候補者は私と一緒になって日本社会の二極分化を批判し、誰もが安心して生活できる公平な社会を作ろうと叫んでいた。しかし、こうした声は民主党全体の主張ではなかった。小泉人気にあおられて、民主党も小さな政府に向けた競争に参加した。公務員削減や歳出削減を自民党と競っても、インパクトはない。民主党は小泉政治を否定する言葉を持たず、小さな政府に対抗する社会ビジョンを持たなかった。だから、負けるべくして負けたのである。
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求めるべきは「小さな」政府ではなく「効率的な」政府組織である。米国FEMAが従前はきちんとした力を発揮していたのに、ブッシュ政権後はなぜ機能しなくなったかを考察するとわかりやすいだろう。
目的意識がはっきりとしていてモチベーションが高い組織であれば、予算の多寡を超える能力が発揮されるものである。これは会社組織に属したことがある人間なら経験したことがある人もいるだろう。
問題は時の政権がいかに官僚にそういうモチベーションを与えられるかではないか。

ときどき