CRASEED Rehablog ニューロリハビリテーションとリハビリ医療の真髄に迫るDr. Domenのブログ

ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

NHKスペシャル|闘うリハビリII・感想 ~その4~ 方針が揺れた?

2009-02-09 00:16:31 | リハビリ
いくつかの疑問。
1)NHKのホームページでは、最初、リハビリ日数制限や成果主義について国と裁判をしている澤田石先生の写真が載っていたように記憶していましたが、それが藤田太寅さんの写真に変更されていました。これは、編集段階で、裁判問題がカットされたものと想像します。(厚労省側からのクレームがはいったと仮定すると、原告と被告双方の主張を入れなければという『中立性』を確保する必要が生まれ、それができない編集状況からカットされたのかもしれません。確認しようもありませんが。)

2)金曜日の朝のニュースで、『メンテナンスリハビリ』を紹介した後、キャスターが『このような取り組みを受けて、厚労省では、介護保険による短期集中リハビリを検討しています。』と結んだので、飲んでいたコーヒーを吹き出してしまいました。このような結びでは、特集で紹介したことが根本から崩れます。ただ、これも厚労省側から、『介護保険でやっていることをコメントせよ』と言われたとすると、内容的に支離滅裂なコメントになったとしても不思議ではありません。

3)それでも、藤田太寅氏は、自らの大変不自由な生活までさらけだして、いつまでも長期にリハビリが必要であることを訴えてくれました。また、『メンテナンスリハビリの取り組みを知った厚労省は、慢性期でも医療保険での短期リハビリができるように制度を検討する』という意味のことを言ったと、藤田氏が発言。これは大変重い事実です。結論を『介護保険によるリハ』にしなかったことは、NHK側が圧力に屈せず、最後の最後で頑張ったのではないかと想像します。

介護保険の短期集中リハではなく、『改善』をめざす、個別的医療としての、リコンディショニング入院の復活、そして診療報酬上の裏付けの確保が必要です。

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