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ニューロリハビリテーションの臨床応用を実践するリハビリ科専門医・道免和久の日記【CRASEED Rehablog】

CI療法のグレード降格問題に日本リハビリ医学会担当者より回答

2010-02-22 10:57:26 | リハビリ
CI療法は対象者が『限定的』と誤解。
全国10施設以上で確認していても『全国規模では行われていない』と断定。


回答の主旨は1)対象者が限定(的?)である、2)全国規模で行われていない、3)教育を受けた者が行う必要がある。よってBと判断したそうです。

CI療法の適応はリンクの通りであり、Wolfは脳卒中全体の20%程度と言っています。軽症例のみという誤解は、どこかの施設で実施していた先入観であり、集団伸展のみの場合でも適応になります。集団伸展レベル以上の対象者を、限定的である、とか、軽症例である、という見解には無理があります。

では、全員にできないではないか、というようなことを主張する人もまれにいますが、医療には『適応』があるのは当然であり、万能薬ほど怪しいものはありません。集団伸展が可能、等の適応基準をもっているため、適応外にはCI療法はできませんが、そのことをもって、限定的と断じるのはいかがなものでしょうか。

また、欧米で何百というエビデンスがあっても、なくても、日本全国で行われていなければグレードAにはならない、というガイドライン委員会の方針は初めて知りました。これが、内科治療、脳外科治療を含めて、脳卒中治療ガイドラインの方針であるのかどうか、委員長に問い合わせ中です。CI療法は、兵庫医大だけでなく、作業療法学会などで発表されているだけで10施設程度はあり、それ以外にも相当に広まっております。ガイドラインの委員の施設でたまたま実施されていないということでの印象であれば、これも認識不足ではないかと思います。全国規模という閾値を100施設など高いレベルかどうかは不明ですが、欧米で普通に実施されている高いエビデンスの治療を、むしろガイドラインがきちんと推奨して、日本全国に広まるように編集する見識があって良いと思います。編集委員長レベルの先生方はそのようなことを理解されていると思います。

以上、ずいぶんと偏見があるようで、困っております。また、ご報告します。

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