健康塾通信

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脳を活性化!

2007年12月15日 17時47分03秒 | Weblog
今年も「脳」にまつわるさまざまな話題が出た年でした。脳は今だ未知の分野が残されていますがその発達は止まっても活性化することはできます。

東北大の川島教授はある老人施設で、音読と一桁の単純計算を継続して行った実験で
コミュニケーション能力の変化や杖なしの歩行、ベットからの起き上がり、排泄の自立などの複合的な効果が生まれたことを報告されています。

特に文字を音にするという作業(音読)は脳の全身運動、副作用のない劇薬とまでいわれています。

脳の発生からみると元は単なる管であったものが、場所によっては複雑に変化して大きさや各部位が作られました。
基本構造は大脳、間脳、脳幹、小脳にわかれていて、それぞれの領域が協調して働いています。
ほ乳類では、大脳皮質が大きく発達し、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉に分かれています。
特に30から40%という大きな前頭葉をもつことは人間の特徴で、感情や創造や理性等にかかわっているとされています。
前頭葉を鍛えることでより人間らしさが育まれるのですね。

5年前くらいから各地で開催されていた 「人体の不思議展」に行った時、実際の「脳」を両手にのせて重さを体感できるコーナーがありました。
「えっ!こんなに軽いの?」と驚いた程ですが、成人男性では、1350~1500グラム、女性では1200~1250グラムで、これは体重の約2%にあたるそうです。
そして哺乳類の鯨が最も大きい脳を持っていますが脳の大きさは知能とは無関係ということです。
また脳に皺がたくさんあると頭が良い等と聞いたことがあるかもしれませんがそれも無関係です。おそらく頭を使うことで神経線維がふえるということと、混同しているのかもしれません。

次に脳幹ですが、中脳と橋と延髄の3つの部分に分けられていて、上で大脳と、背側で小脳と、尾側で脊髄とつながっています。

脳幹というと12脳神経ですが、「嗅いで見る動く車の三の外、顔耳のどに迷う副舌」 等のゴロで暗記したものです。

第I脳神経・・・・嗅神経     嗅覚

第II    ・・・・視神経     視覚
 
第III   ・・・・ 動眼神経   上下の眼球運動

第IV   ・・・・ 滑車神経   眼球運動(上斜筋)


第V   ・・・・ 三叉神経   顔面・鼻・口・歯の知覚、咀嚼運動

第VI  ・・・・ 外転神経    左右の眼球運動(外直筋)

第VII  ・・・・ 顔面神経    表情筋の運動、舌前2/3の味覚、涙腺や唾液腺の分泌

第VIII  ・・・・ 内耳神経    聴覚、平衡覚


第IX  ・・・・・ 舌咽神経    舌後1/3の知覚・味覚、唾液腺の分泌

第X   ・・・・ 迷走神経    のどの知覚・運動、頚胸腹部の臓器を支配

第XI  ・・・・・ 副神経     肩や首の筋肉の運動(僧帽筋、胸鎖乳突筋)

第XII脳神経 ・・舌下神経   舌の運動


この12脳神経は脳から直接出ている末梢神経です。
ⅠからⅣは中脳 ⅤからⅧは橋 ⅨからXIIは延髄に分けられています。

更に注目すべき点は12本のうち4本が視覚領域にかかわっていることです。ですから眼球の運動が脳を活性化するということはうなづけます。

そして、五感をみがくことや関節運動すること、咀嚼や発声などがさらに脳を活性化することにつながります。

最近、人の名前が出てこなかったり、「あの・その・そこの・・」など会話の中に自分だけしか解らない指示語が登場してませんか?
私も良くあるので・・要注意なのですが・・・これは脳の老化ですね。

脳は絶えず新しい情報を受け入れ変化を遂げています。
 
脳細胞は一日10万個ずつ死んでいくといわれてきましたが、年をとっても限られた領域ですが
新しい神経細胞がうまれていることもわかってきました。

冒頭の老人ホームの皆様の音読による効果が実証済みですから、あきらめずに「脳の可能性にチャレンジ」したいものです。