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ものづくりクラブ~防災工作をしてみよう~

2013年03月13日 | 鳩ヶ谷子ども館
3月9日(土) 13:30~15:00  

ものづくりクラブ~防災工作をしてみよう~を行いました。

参加者は幼児2人・小学生19人。中学生1人・保護者1人

震災から2年が経ち、記憶も過去のものとされつつある今日。
ですが、決して忘れてはならない、引き継いで行かなければならないことだと思い、
今回のテーマにしました。



『2011年3月11日。この日に何が起こったか覚えていますか?』

「東日本大震災」

突然の質問でしたが、5年生がはっきりとした口調で答えてくれました。


地震発生時刻は14時46分。
『その時みんなは何をしていましたか?』

「幼稚園にいた!」
「帰りの会の最中。」
「帰り道だった。」



『では、その時被災地の方々はどうしていたと思いますか?』

震災時のVTRを流すと、画面を食い入るように見つめ‥
「うわぁ‥」
「怖いね‥」

自分たちが地震を体感した同時刻、岩手や宮城、福島では
地震の揺れだけではなく、津波や原発による被害も急速に拡大していました。


『今回の震災で被害者はどのぐらいいたと思う?』

150人‥
400人…
3000人‥‥
10000人……
予想する子ども達。
ですが、実際の被害はそんなものではありません。


警察庁調べ2013.3.6時点
・死者数15881人
・行方不明者2676人(警察への届出有)
・避難、転居者315196人


ちなみに川口市の人口は580964人で、鳩ヶ谷地区では62748人ですので、
川口市に住んでいる半分以上の人が、やむを得ない事情で別の場所に住んでいる、
という計算になります。



メモを取りつつ聞いている子たちもいて、参加者の意識の高さを感じさせます。


震度表を用いて震度の話をした後、
地震による家の中、食器が散乱している状況を見せ、


『この写真を見て危ないと思うところはどこですか?』

少し考えた後、
「ガラスとかを踏んで足にケガをする。」
と、一年生が回答してくれました。

そこでさらに、お家でスリッパを履いている人を聞いてみると、
参加者の約半分程度。

もし通路にガラスやお皿の破片が落ちていたら、
避難する際にケガをしてしまいます。

ここで一つ目の工作。
緊急用の新聞紙スリッパを作ってみましょう。






新聞紙一枚あれば両足分ができます。
片方が完成したら、もう片方は自分の力で折る。
そして、自分で作った簡易スリッパで部屋の中を歩きまわっていました。

ここでは新聞紙一枚で折り方の説明をしましたが、
実際に使うには、紙を重ねたり、間に厚紙を入れたりなどの工夫が必要です。



ところで、電気・ガス・水道‥皆さんの家には全て通っていますよね。


『電気・ガス・水道で、元の状態に戻るのが一番遅いものはどれだと思いますか?』

電気、ガスにも手を挙げる人はいましたが、殆どの人は水道と答えていました。
まさにその通り。ライフラインで一番復旧が遅れたのは水道だったそうです。

人が生きるために確保しておかなければならないのは、水です。

飲み水として確保するために、清潔な水はそれ以外では使えなくなる場合が多いので、
例えば、使った食器は洗えなかったり、トイレは水洗ができなくなったりします。

そのような不衛生な状況を避けるために、二つ目の工作。


広告を水の漏れない特殊な折り方で、使い捨ての容器を作りました。
お皿やコップはもちろん、サイズや枚数を変えれば、ゴミ箱や簡易トイレにもなる。
水を蓄えてもおけるし、吸水シートにもなる。紙一つをとっても工夫次第で、
役立つことがあるかもしれません。


ですが、どんなに節水したとしても、避難生活が長引けば、
水が不足してしまうかもしれません。

そこで、ろ過装置の実演をしました。
(ろ過とは水の中に含まれているチリやゴミなどの不純物を取り除くこと)

作り方は、底を切り取って逆さまにしたペットボトルに、下から
綿・小石・砂・炭・小石・綿を順に入れ、布で頭を覆うと、
手作りのろ過装置の完成です。


ケガ人は基本的には動かしてはならないことになっていますが、
余震の恐れがあり、建物の近くに倒れていた場合は、
一刻も早くその場から、離れてもらう必要があります。

これは事前に打ち合わせをして、参加者の4年生に、
ケガ人役と搬送役で協力してもらいました。





ブルーシートと二本の竹馬の棒を用いて、即席の担架を作り、
ケガ人を安全な場所まで搬送しました。

数人に体感してもらいましたが、即席の割には乗り心地が良いようで、
「ハンモックみたい。」
と少し気持ちよさそうでした。


普段とは少し異なる内容の今回でしたが、話す時間が多かったのにも関わらず、
最後まで集中して話を聞き、こちらの問い掛けにも積極的に応じてくれました。



皆さんは、緊急時の避難場所や経路は確認していますか?
避難場所は示し合わせていたとしても、
経路は普段使っている道が使えるとは限りません。

地盤沈下や落石、水没などで通れない可能性も十分に考えられます。
また、家族との連絡方法も話し合っておきましょう。
携帯電話は救急用に、本当に必要な人のために残しておきましょう。
災害用伝言ダイヤルなどの使い方を、予め練習しておくのも良いかもしれません。


今回のイベントの企画、考案をしている際にさまざまな情報に触れましたが、
元気に体を動かせること。
友達とおしゃべりできること。
家族一緒にごはんを食べられること。
改めて、今ここに生きているということは、
本当に幸せであることなのだな、と感じました。



『生きていることに感謝』



宍倉 鉄平(5)

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