埼玉県の子育て支援【コマーム】のブログ

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医療保育

2012年09月24日 | 病棟保育
今月の医療保育研究会で、自分の病棟で行っている製作あそびの情報交換をしました。

子どもたちが熱中して作った物や逆に作った物で子どもたちがよくあそんだ物、
材料や手間がほとんど要らず作れる物、動きや音を楽しめる物など、
1人が何品かずつ持ち寄り発表しあいました。

私達は1人ひとりが違う病棟で保育にあたっており、
内科外科の特徴の違いだけでなく、病棟によって対象児の年齢差や抑制の度合い、
配慮すべき点が全く異なります。

保育の中での製作あそびはとっても楽しいですが、保育士1人でやるので、
簡単に出来たり、準備に手間がかからない、動きに制限のある子でも楽しめる、
などは、かなり重要です。

あそびの時間は、入院中のつらさや痛みを忘れる事ができる唯一の時間なので、
楽しく気分転換できるように、製作あそび1つとっても、
保育士の工夫が大切だと実感しています。

今回は仲間の保育士が作った物やアイディアを知る事が出来、
早速自分の病棟に戻ってやってみよう!と思いました。

楽しい製作あそびがあったら是非とも私達に教えてくださいね。

蔵原 仁子

病棟保育 「読書会」

2012年02月28日 | 病棟保育
病棟には、それぞれの病状によって長いベッド生活を送る方がいらっしゃいます。
そのベッド上の生活を、少しでも楽しく潤いのあるものにする一助として、
゛読書会゛
をしています。
始めは、横になっているお子さんの目の前方に絵本を広げ、耳元に言葉を届けるように読み聞かせをしていました。そのうち、保護者がいらっしゃる時は、一緒に聞いてくださるようになりました。

今回入院が長くなったAちゃんのお部屋では、言葉を発しないAちゃんの代わりに、
お母さまが
「うん、うん」
と頷いてくださいます。

回を重ねるうちに、お母さまの緊張が解けてきたようすで、
絵本のところどころで笑い声が聞かれるようになりました。

読み終わると、
「この絵はリアルなのに柔らかくてやさしいですね。」
とか、
「この表情がなんともいいですね。」
など、感想も言い合うように…。

次第に、読み聞かせというより、Aちゃんとお母さまと保育士との読書会になってきました。本選びも、私の好きな絵本の紹介は底をつき、今では、図書館で新しい絵本を発掘して、
その魅力を話し合ったりできるものをと、身が入ります。

先日見つけた『
山のとしょかん』(肥田美代子作)。
おばあさん、絵本、子だぬき、縁側…
という要素が繰り広げる世界を、大人2人は郷愁を交えて楽しみました

また、西宮達也の
『あいしてくれてありがとう』
は、読み終わると、
「何だか涙が出てきてしまいました。」
とお母さま。
「絵本ってほんとにいいですね。」
こちらもウルウルしながら読んだのでした。

毎日、幼児たちの保育の合間を縫って、ほんのひととき、ベッドサイドでの読書会。
Aちゃんは追視もかすかなのだけれど、絵本を介して母と保育士が笑い、
感動し、時におしゃべりがはずむ楽しい雰囲気を、シャワーのように体いっぱいに浴びて、
一緒に味わっていてくれることと思います。

私はこうした読書会を通して、これまで以上に絵本の楽しさを味わい、
その奥深さを一段と深く覗きつつあります。

保育士 西脇レイ子①