2週間ぶりの水球練習で、クタクタに疲れた身で家についたら、僕の携帯電話に見知らぬ番号から電話がかかっていた。留守録を聞いてみたけど、何のメッセージも残されていない。また間違い電話かなと思って夕食の準備をジェームスとしていたら、また同じ番号から電話がかかってきた。夜の10時を回ろうとしているこの時間に、また同じ番号から電話。おかしいなと思って、電話に出ることにした。
「はろー?」
「はろー。デビッド」
そう、この声の主は、あのケチケチ弁護士のデービッド。ちょうど去年の今頃、ニューヨークに旅行に一緒に行ってたような記憶が蘇ってきた。なんか、あれから1年以上の月日が経っている様な気がする。
「えー、ものすごく久しぶり。元気?」と答えてみる。
「元気だよ。そっちは?昨日自宅に電話したんだけど、女性が出てきて・・・」
「え?自宅って?ああ、自宅の電話番号は解約しちゃったんで、今はこの携帯電話しか使ってないよ」
「ああ、そうなんだ」
とちょっとぎこちない会話が続くこと数分。その後、互いの生活について多少アップデート。デービッドは去年転職が決まった職場がとても気に入っているとのこと。
「電話したのがね、今どうしてるかなと思って。去年の今頃、ちょうどニューヨークに行ったよね。すごく楽しかったから、思い出しちゃってさ。また再来週、ニューヨークに行くつもりなんだ」
「へぇ。そうなんだ。ま、ニューヨーク楽しんできてよ」とちょっとつっけんどんな僕。
「もちろん」とデービッド。
流れる沈黙・・・。
「今、水球の練習から帰ったところで、これから夕食なんだ」
「そうなんだ。悪かったね」と言うデービッドだけど、電話を切る気配がない。そこで僕のほうから、
「じゃ、ね」と言って促すと、デービッドも、
「じゃ」
で僕らは電話を切った。
傍で僕の会話を聞いていたジェームスは、
「今の、デービッドからでしょう?」とすかさず聞いてきた。僕がデービッドと話をしている最中に、ソファーでくしゃみしてるし。あんた、これが真剣な恋人相手だったら許せないかもよ。ま、デービッドだったからよかったけれど。
「そうそう、あのデービッドから。1年ぶりだよ。どこの風の吹き回し?」
そういいながら、おなかがすいてきたのでかに玉丼を作って食べていた。するとまた僕の携帯電話に電話が。
「あーまたデービッドからだ」と僕。
「もう出るなよ、そんな電話」とジェームス。あんた、これが自分だったら絶対に出てるでしょう?ヤダね。他人のこととなると冷たくなるんだから。
デービッドがなんでまた電話かけてきてるのかは予想がついたけど、電話に出ることにした。だって30分前に話をしたばっかりで、これで出なかったら寝つきがわるくなっちゃうじゃない?しかもデービッドはご近所に住んでるわけだし。
「はろー?」なんて、相手が誰だか分かってるのに知らないような振りした声を出してしまった。
「はろー。またデービッドだけど」
「なんでしょう?」
「去年のニューヨーク旅行、楽しかったって言ったよね。また今度、劇とかショーとか一緒に見に行けないかなと思って」
「・・・」
「もし嫌だったらそういってもらっていいから」
「いや、興味あるよ」と僕。
ってなわけで、今週金曜日、スティーブ・マーティン脚本・演出の劇を一緒に見に行くことになりました。当然割り勘で!ホントに変わってなーい。デービッドってやっぱダメ男君だね。あんた、1年ぶりに付き合ってた相手を誘い出しておいて割り勘はないでしょう?モルモン教徒だからこんなにドケチなのかなぁ?
ま、いずれにしても後腐れがないからいいけれどね。あくまで割り勘。僕らはプラトニックな単なるオ・ト・モ・ダ・チってね。これでまた会話の最中に議論を吹っかけてきたりしたら、あんた3度目のチャンスはないからね!って口に出しては言わないけど、僕の心の中ではしっかり刻み込まれてます。
「はろー?」
「はろー。デビッド」
そう、この声の主は、あのケチケチ弁護士のデービッド。ちょうど去年の今頃、ニューヨークに旅行に一緒に行ってたような記憶が蘇ってきた。なんか、あれから1年以上の月日が経っている様な気がする。
「えー、ものすごく久しぶり。元気?」と答えてみる。
「元気だよ。そっちは?昨日自宅に電話したんだけど、女性が出てきて・・・」
「え?自宅って?ああ、自宅の電話番号は解約しちゃったんで、今はこの携帯電話しか使ってないよ」
「ああ、そうなんだ」
とちょっとぎこちない会話が続くこと数分。その後、互いの生活について多少アップデート。デービッドは去年転職が決まった職場がとても気に入っているとのこと。
「電話したのがね、今どうしてるかなと思って。去年の今頃、ちょうどニューヨークに行ったよね。すごく楽しかったから、思い出しちゃってさ。また再来週、ニューヨークに行くつもりなんだ」
「へぇ。そうなんだ。ま、ニューヨーク楽しんできてよ」とちょっとつっけんどんな僕。
「もちろん」とデービッド。
流れる沈黙・・・。
「今、水球の練習から帰ったところで、これから夕食なんだ」
「そうなんだ。悪かったね」と言うデービッドだけど、電話を切る気配がない。そこで僕のほうから、
「じゃ、ね」と言って促すと、デービッドも、
「じゃ」
で僕らは電話を切った。
傍で僕の会話を聞いていたジェームスは、
「今の、デービッドからでしょう?」とすかさず聞いてきた。僕がデービッドと話をしている最中に、ソファーでくしゃみしてるし。あんた、これが真剣な恋人相手だったら許せないかもよ。ま、デービッドだったからよかったけれど。
「そうそう、あのデービッドから。1年ぶりだよ。どこの風の吹き回し?」
そういいながら、おなかがすいてきたのでかに玉丼を作って食べていた。するとまた僕の携帯電話に電話が。
「あーまたデービッドからだ」と僕。
「もう出るなよ、そんな電話」とジェームス。あんた、これが自分だったら絶対に出てるでしょう?ヤダね。他人のこととなると冷たくなるんだから。
デービッドがなんでまた電話かけてきてるのかは予想がついたけど、電話に出ることにした。だって30分前に話をしたばっかりで、これで出なかったら寝つきがわるくなっちゃうじゃない?しかもデービッドはご近所に住んでるわけだし。
「はろー?」なんて、相手が誰だか分かってるのに知らないような振りした声を出してしまった。
「はろー。またデービッドだけど」
「なんでしょう?」
「去年のニューヨーク旅行、楽しかったって言ったよね。また今度、劇とかショーとか一緒に見に行けないかなと思って」
「・・・」
「もし嫌だったらそういってもらっていいから」
「いや、興味あるよ」と僕。
ってなわけで、今週金曜日、スティーブ・マーティン脚本・演出の劇を一緒に見に行くことになりました。当然割り勘で!ホントに変わってなーい。デービッドってやっぱダメ男君だね。あんた、1年ぶりに付き合ってた相手を誘い出しておいて割り勘はないでしょう?モルモン教徒だからこんなにドケチなのかなぁ?
ま、いずれにしても後腐れがないからいいけれどね。あくまで割り勘。僕らはプラトニックな単なるオ・ト・モ・ダ・チってね。これでまた会話の最中に議論を吹っかけてきたりしたら、あんた3度目のチャンスはないからね!って口に出しては言わないけど、僕の心の中ではしっかり刻み込まれてます。