昨晩、シャワーを浴び終わって出てきたら、携帯電話と自宅の電話にDavidからのメッセージが入っていた。
「今週末、どうだった?僕はビーチですっごく楽しい時間を過ごしたよ。昨日はサマーハウスを一緒に借りてる弁護士事務所の元同僚たちとシーフードのレストラン行ってそのあとアイスクリームを食べて・・・。今、ビーチから戻る途中。今9時過ぎで、多分、家につくのは真夜中かなぁ・・・」
Davidの話はいつも長い。それもかなり一方的。過去にも、僕が知らない人なのに、「えっとー、今晩夕食に一緒だったのは、CatharineとStephanieと、Thomasも一緒だった」なんてメッセージに残ってたりする。名前聞いてもわからんっちゅうねん!
だけどそんなのお構いなしのDavid。
3連休、ビーチに行っていたDavid。その間、暇をもてあましていた僕。悶々とDavidのことを考えて3連休を過ごしていたような気がする。(Wyattのこともちょっと考えたけど・・・)
Davidとつきあったのはわずか数週間だけど、それなりに楽しかったニューヨーク旅行、野外での映画鑑賞、、、楽しい記憶がよみがえってくる。だけど、その一方で、つまらないことで口論したこととか、人を理解しようとしないDavidの性格にストレスがたまったことも思い出されて、そのときの苦い味が舌の上によみがえってくる。
携帯電話と自宅電話の子機を両手に握り締める僕――
Davidの携帯電話の番号が僕の携帯の画面に薄暗く表示されている――
その数字を一つづつなぞるように確かめる――
Davidからの留守録を聞いて、10分くらいそのままの状態で椅子に腰掛け、Davidのことを考えていた。
でもやっぱり言わなきゃ。
運転中ですぐには出られなかったのか、Davidの携帯電話は永遠と思えるくらい呼び出し音が鳴り続けていた。
"Hello? Hi. How're ya?"
いつもどおりのはしゃぎ気味の声。Davidが僕のことを好きなのがその声のトーンで伝わってくる。
「ゴメンね、さっきシャワー浴びてたから出られなかった」
「あ~気にしなくていいよ。で、週末はどうだった?楽しんだ?」
「うーん、まあまあ、でも楽しかったよ。うん、いい週末だった」
「それは良かった。僕も格別の週末だったよ。友達と楽しく過ごせた。で、今晩、何時くらいまで起きてる?」
「う~ん、あと2、3時間くらいかな」
「じゃ、僕が家についてから掛けなおしていい?」
「え、ああ、えっと、Davidに話しておきたいことがあるんだけど」
「なに?」
「この週末、僕はずっと一人で過ごしてたんだけど、いろんなことを考えたんだよね。それでね、僕たち、もう会わないほうがいいかもって」
「え、何?電波が途切れ途切れで良く聞こえない」
「えっとね、、、もう僕たち会わないほうがいいかも――」
"Wow..."
"It was totally out of the blue. Totally... I was clueless... Well, obviously I don’t understand you, and you don’t understand me..."
(とにかく驚いた。そんなこと考えてたなんて全然わからなかった・・・。ま、僕が君を理解してないってことなんだろうけど、君も僕について理解してないように・・・)
あまりにCluelessだったDavid... これは初回のデートからDavidがCluelessなのは分かりきっていたけど。最後にもう一回、先週金曜のデート、楽しかったか聞いてみた。
やっぱりDavidにとってはとっても楽しかったらしい。
具体的に、僕にとって何がイヤだったか少し切り出したら、
”Whatever, whatever...”
自分に非があるようなことや自分が認知・記憶してないことは、一切、聞く耳持たないって、まさにDavidらしい。
"You're breaking up by phone."
「え、聞こえない?僕は聞こえてるよ」
"No, no... I'm just making a joke."(ちがうちがう、ちょっとジョーク)
こんな状況でもジョークをはさむ余裕を見せるDavid。
「でもEメールで別れ話を持ち出すよりいいでしょ?」と僕。
"It's your decision."(君がそう決めたんだったら)
”I wish you well...”(元気で・・・)
「Davidも元気で。新しい仕事、がんばってね。それと、タイ旅行も楽しんで」
"Thank you. Bye."
最後の間延びした"Bye"は、互いの声が重なり合った――
* * *
これで一生、会うこともないのか、って思うと心ちぎれます。それなりにまじめにお付き合いしてたつもりだったから。
自分から切り出したことだったけど、自分から終わりにしたいって思った関係だったけど、もしかしたらDavidに非はないことかもしれない。少なくとも、Davidは僕のことをすっごく好きでいてくれたのは疑いなく信じることができたから。
夏が終わるLabor Dayにあわせて同時に精算しておくとタイミング的に楽かなぁなんて、計算高いことを考えていたけど、自分の気持ちが思っていた以上にダメージを受けてるのに驚く。きっとCluelessなDavidにとっては僕以上に大きな衝撃だっただろうけど。
だから大失恋した女の子なんかは、「もう恋なんて二度としない、したくない」って思うんだろうなぁ。こりゃぁマジ辛い。振ったほうもこんなに辛いんだから。
ここ数日、突然に朝夕の気温が下がるようになった。この気候、恋の痛手を癒すどころか、塩を塗りこむような悲壮感を醸し出してる・・・。もうエアコンをつけずに寝られるのはうれしいけれど・・・。あ、そういえば、Davidのうちに泊まった時、夜、うるさいエアコンをつけて寝るか消して寝るかで話をしたなぁ。それに、寝室の天井、ちょうどベッドに寝そべったら見られる天上にガラスがはめてあって、そこから時にはお月様が見えました。
今、これを書いている最中に、大きく開いた窓からヒヤッとしたひと筋の夜風が僕の足元をすり抜けていく。この時間、きっともう寝てしまっているDavidの耳元にも、同じ夜風がそよいでいるにちがいない。
人気blogランキングへ
「今週末、どうだった?僕はビーチですっごく楽しい時間を過ごしたよ。昨日はサマーハウスを一緒に借りてる弁護士事務所の元同僚たちとシーフードのレストラン行ってそのあとアイスクリームを食べて・・・。今、ビーチから戻る途中。今9時過ぎで、多分、家につくのは真夜中かなぁ・・・」
Davidの話はいつも長い。それもかなり一方的。過去にも、僕が知らない人なのに、「えっとー、今晩夕食に一緒だったのは、CatharineとStephanieと、Thomasも一緒だった」なんてメッセージに残ってたりする。名前聞いてもわからんっちゅうねん!
だけどそんなのお構いなしのDavid。
3連休、ビーチに行っていたDavid。その間、暇をもてあましていた僕。悶々とDavidのことを考えて3連休を過ごしていたような気がする。(Wyattのこともちょっと考えたけど・・・)
Davidとつきあったのはわずか数週間だけど、それなりに楽しかったニューヨーク旅行、野外での映画鑑賞、、、楽しい記憶がよみがえってくる。だけど、その一方で、つまらないことで口論したこととか、人を理解しようとしないDavidの性格にストレスがたまったことも思い出されて、そのときの苦い味が舌の上によみがえってくる。
携帯電話と自宅電話の子機を両手に握り締める僕――
Davidの携帯電話の番号が僕の携帯の画面に薄暗く表示されている――
その数字を一つづつなぞるように確かめる――
Davidからの留守録を聞いて、10分くらいそのままの状態で椅子に腰掛け、Davidのことを考えていた。
でもやっぱり言わなきゃ。
運転中ですぐには出られなかったのか、Davidの携帯電話は永遠と思えるくらい呼び出し音が鳴り続けていた。
"Hello? Hi. How're ya?"
いつもどおりのはしゃぎ気味の声。Davidが僕のことを好きなのがその声のトーンで伝わってくる。
「ゴメンね、さっきシャワー浴びてたから出られなかった」
「あ~気にしなくていいよ。で、週末はどうだった?楽しんだ?」
「うーん、まあまあ、でも楽しかったよ。うん、いい週末だった」
「それは良かった。僕も格別の週末だったよ。友達と楽しく過ごせた。で、今晩、何時くらいまで起きてる?」
「う~ん、あと2、3時間くらいかな」
「じゃ、僕が家についてから掛けなおしていい?」
「え、ああ、えっと、Davidに話しておきたいことがあるんだけど」
「なに?」
「この週末、僕はずっと一人で過ごしてたんだけど、いろんなことを考えたんだよね。それでね、僕たち、もう会わないほうがいいかもって」
「え、何?電波が途切れ途切れで良く聞こえない」
「えっとね、、、もう僕たち会わないほうがいいかも――」
"Wow..."
"It was totally out of the blue. Totally... I was clueless... Well, obviously I don’t understand you, and you don’t understand me..."
(とにかく驚いた。そんなこと考えてたなんて全然わからなかった・・・。ま、僕が君を理解してないってことなんだろうけど、君も僕について理解してないように・・・)
あまりにCluelessだったDavid... これは初回のデートからDavidがCluelessなのは分かりきっていたけど。最後にもう一回、先週金曜のデート、楽しかったか聞いてみた。
やっぱりDavidにとってはとっても楽しかったらしい。
具体的に、僕にとって何がイヤだったか少し切り出したら、
”Whatever, whatever...”
自分に非があるようなことや自分が認知・記憶してないことは、一切、聞く耳持たないって、まさにDavidらしい。
"You're breaking up by phone."
「え、聞こえない?僕は聞こえてるよ」
"No, no... I'm just making a joke."(ちがうちがう、ちょっとジョーク)
こんな状況でもジョークをはさむ余裕を見せるDavid。
「でもEメールで別れ話を持ち出すよりいいでしょ?」と僕。
"It's your decision."(君がそう決めたんだったら)
”I wish you well...”(元気で・・・)
「Davidも元気で。新しい仕事、がんばってね。それと、タイ旅行も楽しんで」
"Thank you. Bye."
最後の間延びした"Bye"は、互いの声が重なり合った――
* * *
これで一生、会うこともないのか、って思うと心ちぎれます。それなりにまじめにお付き合いしてたつもりだったから。
自分から切り出したことだったけど、自分から終わりにしたいって思った関係だったけど、もしかしたらDavidに非はないことかもしれない。少なくとも、Davidは僕のことをすっごく好きでいてくれたのは疑いなく信じることができたから。
夏が終わるLabor Dayにあわせて同時に精算しておくとタイミング的に楽かなぁなんて、計算高いことを考えていたけど、自分の気持ちが思っていた以上にダメージを受けてるのに驚く。きっとCluelessなDavidにとっては僕以上に大きな衝撃だっただろうけど。
だから大失恋した女の子なんかは、「もう恋なんて二度としない、したくない」って思うんだろうなぁ。こりゃぁマジ辛い。振ったほうもこんなに辛いんだから。
ここ数日、突然に朝夕の気温が下がるようになった。この気候、恋の痛手を癒すどころか、塩を塗りこむような悲壮感を醸し出してる・・・。もうエアコンをつけずに寝られるのはうれしいけれど・・・。あ、そういえば、Davidのうちに泊まった時、夜、うるさいエアコンをつけて寝るか消して寝るかで話をしたなぁ。それに、寝室の天井、ちょうどベッドに寝そべったら見られる天上にガラスがはめてあって、そこから時にはお月様が見えました。
今、これを書いている最中に、大きく開いた窓からヒヤッとしたひと筋の夜風が僕の足元をすり抜けていく。この時間、きっともう寝てしまっているDavidの耳元にも、同じ夜風がそよいでいるにちがいない。
人気blogランキングへ
でも・・・
やっぱり、別れてよかったんだと今では思います。
自分を殺してまで付き合う関係って、最終的には自分まで無くなっちゃう気がする。
tyさん、今夜は何をしてらっしゃるのかしら?
一昨日より、少しでも心が軽くなっていることを祈っています。
(ファイト)
先週はずっとDavidの怨霊(?)に悩まされ続けた日々でしたが、人ってうまくできてるもんですね。辛い経験を頭の中でひたすら回想し続ける、というのにも疲れてきました。
初めてバンジージャンプする人が、「飛ぼう!」と本気で思うのだけど、最後の一瞬で思いとどまるみたいに、Davidと最後に電話で話した直後の数日間は、「Davidへ電話しよう!」という衝動に何度となく駆られてしまいました・・・。
しかも、以前カミングアウトした仕事つながりの知り合い(日本人女性)に報告したら、「今ならまだ間に合う。前言撤回で連絡したら?」なんてそそのかされちゃうし。
それにDavidと行った最初で最後のNY小旅行の写真を、まだ彼に送ってなかった・・・。ホテルの部屋で僕が椅子に座ってるところに、モンスターの振りして襲い掛かってくる一瞬を撮った彼のうれしそうな顔――ちょっとグスン。
Davidがタイ旅行から帰ってきて、新しい職場に出勤する9月26日に、この写真を送りがてら電話してみようかなと思ってます。(やっぱ電話しちゃダメ?)
実は似たようなことが昔あったのです。今では良い友達関係になってるJudsonとのエピソード・・・2004年10月27日のBlogに書いてます↓
http://blog.goo.ne.jp/cogito20009/e/041cb9946c926a46b1ccc64ea7154cdf
きっと、今はDavidも僕に対して悲しみと怒りがないまぜになった感情を抱え込んでるだろうけど、長期の旅行に行ってリフレッシュして、しかも新しい職場での初出勤を終えて帰宅する頃には、少しは客観的に僕と話ができる落ち着いた状態になってるんじゃないかと。
人生長いようだけど、こんな関係になれる人って意外と少ない。映画『Before sunset』のセリフみたいに。↓
http://blog.goo.ne.jp/cogito20009/e/d968df9b4d082957f18de93ea63d5fc6
もし連絡を取り合える関係になれるんだったら、そうしたいなと。