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アメリカGAYライフ American Gay Life by an expat Japanese

新ブログに引越!My new blog http://gayjapaneseexpat.blogspot.com/

滑らかに

2005-11-22 15:24:20 | Weblog
火曜水球。

練習中は、Jimmyと僕は別々にプレーする。
友達作りに励む僕ら。

やっぱ、特定の人と「できてる」とみんな遠慮するから。

それも、入りたて数週間の分際で
水球チーム暦8年の長老Jimmyとできたとなると
快く思わない輩もいるだろうし。


今晩も、なるべくみんなにばれないように
Jimmyと二人で体育館を出てJimmyの車に乗り込んだ。

そこまでは誰にも目撃されてない。よしっ。

滑らかに走り出すJimmyの車。
そして体育館の出口の前を横切ろうとしたとき、

みんなが体育館から出てきた。

その前を滑らかに走るJimmyの車。

みんなの目線が車を追う。

滑らかに走り続けるJimmyの車――

ド・オ・モ、アリガット、ミスタア・ロボット

2005-11-19 04:12:47 | Weblog
金曜の昨晩、これまた習慣化してきているJimmy宅へのお泊りを実行。肉好きJimmyがお勧めするというレバノン料理に行ってラム肉を食した。

8ドルくらいの安い定食だったけどJimmyのオゴリだったので"Thank you"を言った。そして「日本語でThank youって何ていうか知ってる?」と聞く僕。どうも知らない様子のJimmy。

「"Arigato"って言うんだよ」

するとJimmyは突然、"ド・オ・モ、アリガット、ミスタア・ロボット"と歌いだした。その歌を実際に聞いてみたい人はこちらをどうぞ。歌詞もこのサイトで見れます。

そのタイミングが絶妙だったことや、人真似や声色を変えるのがとても得意なJimmyのヒョウキンな一面が炸裂していて、僕は大声で笑ってしまった。

「Jimmy、その歌知ってるんだったら、ちゃんと意味も分かってなきゃ。Domo ArigatoっていうのはThank youっていう意味なんだよ」と僕。

この歌、ちょうど最近、深夜のテレビ番組Jay Lenoでもブッシュ大統領の物真似をしていたコメディアンが歌っていた。一時期はやった曲みたいです。

食事を終え、この晩はJimmyが好きという「That '70s show」を見て過ごした。low keyな至福の時間・・・。たまにジョークを見逃して笑えない僕の隣で、大声で笑うJimmyを見てるほうが、僕にとっては楽しかったのだけど。

* * *

そして就寝。ベッドに横になってお話をした。互いに「L」ワードはまだ口にしていない。「L word」というテレビドラマがありますが、僕が意味するLワードはもちろんこの「L(Lesbian)」のことではない。

なんでも正直に話すJimmyだけど、その一方でJimmyは慎重派。関係を急ぎすぎると相手が引いてしまう、というロマンスの定理も心得ているようで、それを実践している。なので、JimmyもこれまでLワードは発していない。互いに"I like you"とか"I like you a lot"とは言うけれど。僕もJimmyのことをとても好きになってきたので、逆にLワードは簡単には口にできないと思うようになってきた。性行為の最中なんて間違っても初めてLワードを口にする状況じゃない。もう少し時間がたって、互いをより深く理解して、そして普通にしているときに、僕は"I love you"を言うつもり。


Jimmyもなるべく焦らないように注意しているみたい。例えばJimmyが僕と急速に「ベタベタ」関係になるのを意識的に避けているそぶりが一つあった。おととい木曜夜、水球が終わって着替えているとき、Jimmyは手早く着替えてJulia(女性)と一緒に外に出てしまった。僕はあわてて足を拭いて靴下と靴を履いて外に出たのだけど、JimmyはJuliaと二人で話しながら立ち去って行ってる。僕に何も話しかけないまま・・・。その日はあまりJimmyと話していなかったこともあり、何が起きてるのか理解できない僕。

もしかしてJimmyは興味を失ったのか?それとも今日は疲れているから即、帰るつもりなのか?だけどそれを確認するチャンスもないくらい遠くを歩いているJimmy。僕はそのまま諦めて反対方向へ歩き始めた。すると、Jimmyが大声で「Ty, where are you going?」と叫んできた。

振り返ってJimmyとJuliaのところまで行くと、「夕食食べる?」と聞くJimmy。てっきりJuliaも加わって3人で食べるものと思い込んでいる僕。だって状況が状況だったし。「僕たちどこに行くの?」と聞くと、「あ、Juliaにはクオーターをあげるだけだから」と言うJimmy。「クオーター?」

Juliaは帰りのバス代1.25ドルを払うのに小銭がなかったので、Jimmyが高速道路の料金を払うように車内に貯めているクオーター(25セント硬貨)を1枚もらうために車までついてきているだけだった。なーんだ。拍子抜けしてしまった。でもちゃんと説明してくれないとわかんない。

そのことをこの晩、ベッドで横になりながらJimmyに説明した。「だってTy、服着替えるの遅いんだもん。Juliaも早く帰りたかったから待たずに二人で車までゆっくり歩いてたんだよ。振り返ってみたら、Tyは違う方角に歩いていってるし。びっくりしたよ」と言うJimmy。ちゃんとコミュニケーションを取らないとダメですね。誤解が誤解を生むっていうのを実感。

そこで僕はついに切り出した。ピンク色のゾウのことを。「僕のYahoo!のEメール、どうやって知ったの?」

「え、何だって?」

「先週日曜日、家に帰ったらJ. XXXという人から登録リクエストが届いていた(XXXはJimmyのラストネーム)」

「それって僕じゃないよ」

「え??だってJ. XXXってJimmyの名前じゃん」

「XXXってよくあるありふれた名前だからね。たぶん、スパムじゃない?で、メッセージにはなんて書いてあったの?」

「メッセージはなくて、単にその人が僕のEメールアドレスを彼のIMに登録したという自動連絡があっただけ」

こんなことってありえるんですか?それともJimmyは知らないふりをしているだけ?僕がどういう反応をするか見てたとか?僕のほうから切り出したので、Jimmyの「テスト」には合格だったとか?これまた考えすぎでしょうか・・・。

でもJimmyがウソをついているとは思えないし。とりあえずピンク色のゾウは僕の中の想像に過ぎなかったと知ってホッと一安心。

* * *

翌早朝、太ったほうの猫Claud(オス)がミャーミャーうるさくて目が覚めた。Jimmyに通訳してもらったところによると、構って欲しいのだとか。我侭なネコ。もう一匹のやせていて人懐っこいAugust(メス)は愛嬌があって僕もJimmyもこっちのほうがお気に入りなんだけど、僕とJimmyがセックスした後、必ずベッドルームにやってくるんだよなぁ。Jimmyいわく、彼女は男性ホルモンの匂いをかぐのが好きらしい。子宮は切除してるそうなのだけど。動物って、、、やっぱり動物ですね。

* * *

朝日を浴びながらコーヒーを手にしてリビングまで行ってみると、コーヒーテーブルの上に新聞の切り抜きが2枚。Jimmyは何を切り抜いているのかと思いきや、新築マンションの広告だった。

「このマンションは古くてメンテナンスも大変だし、管理者とも気が合わないから新しいマンションに引っ越すことを考えてるんだ」とJimmy。

「だって何年もかけて内装して、キッチンだって自分で入れ替えたって言ってたよね?それも最近やっと終わったところだって」

「ま、苦労はしたけどね」

新築マンションの購入と引越し、、、Jimmyの新たなプロジェクトになりそう。車も2,3年おきに買い替えるっていうし。Jimmyってもしかして飽き性?僕は「Jimmyってもしかして飽きっぽい?」と聞いてみた。すると、Jimmyは僕の勘ぐりに気づいたようで、言い訳のように、

「今の会社には8年以上いるし、水球にだって8年間通い続けてるよ。このマンションだって長い」

ちょっと意地悪な質問だったかなと反省。でも今度マンションを買うときは、ツー・ベッドルームにしてとお願いしてみようかなと現金なことも考えている僕・・・。

あと、Jimmyは自分の容姿にとてもコンプレックスを持っているみたい。「将来、歯並びを直して、たるんできたまぶたやシワを取る手術をすることを考えてるんだ」なんてことをこれまでに何回か言っていた。今朝もその話題になって、よくよく話を聞いてみると、Jimmyの親友John(Jon)(60代)が肌のたるみを整形手術で直したのだとか。

"Jimmy, you look very handsome to me. You don't need surgery"

と僕は言ったのだけど、あんまり効き目はなかった様子。まだ肌がピチピチの僕(マジで。信じて!)に比べてシワが目立つJimmy。それに歯並びも良くない。でも背は高いし肩幅も広いし、声も低くてセクシーでイイ男間違いなしなのに、Jimmyは僕とバランスが取れないと思っている節がある。僕と出合ってから、おなかの贅肉を落とすために水球だけじゃなくてジム通いも再開したって言うし。

コーヒーを飲みながら、「木曜の水球のとき、オヤジのJohn(Jimmyの親友のJohnとは別人)にオシリやその他の部分を触られた」とJimmyに言ったら、少し驚きながらも、"Because you're beutiful"なんてことを言ってたし。


お世辞で言ってくれてるのだけど、ホント、美意識って人によってここまで変わるものなんだってここに来て納得。だから、あんなに見た目普通のアジア人女性とアングロ男性のカップルが多いんだね。アメ男は褒め方が上手いっていうのもあるけど、アジア人を魅力的に思うアングロって、美意識がちょっとズレてるから・・・マジな顔して"You're so beautiful"とか言われちゃうとそんなこと言われるのに慣れてない凡人としてはコロッといっちゃいますよねぇ。あ~、たとえこれが幻想でもいいッ。たまにはいい夢みさせてぇ~。

ピンク色のゾウ

2005-11-16 14:13:54 | Weblog
火曜夜は既に習慣と化している水球に行ってきた。夜7時過ぎにはJimmyから携帯に電話があり、「今晩、水球に行く?」という確認があった。二人とも遅れて参加した練習だったけど、充実した内容でした。

まだまだ僕は初心者でみんなについていくのが精一杯だけれど、チームメートのGeneから「上達してるね」とお褒めをもらったりしてちょっぴり頑張ってみようかなと欲が出てきました。内心、Jimmyにも出合ったし、これで辞めても・・・なんて弱気な気持ちも出てたのだけど。



ただ、Jimmyとの間に一つ問題が浮上。

日曜、Jimmy宅から自宅に戻ってEメールをチェックしていた。僕は加入しているISPのアカウント、実名で登録しているHotmailのアカウント、そしてファーストネームだけで登録しているYahoo!のアカウントの3つを持っているのだけど、Yahoo!はオンライン・デート専用に使っていた。

そのYahoo!のインスタント・メッセージングに、友達として「登録」するリクエストメッセージから誰かから届いていた。その送り主は、何を隠そう、Jimmy。

僕がJimmyに知らせていたEメールは実名のHotmailアカウント。なんでJimmyは僕のYahoo!のアカウントを知っているのか・・・。

答えは明らか。これまでに、僕の個人広告にJimmyがEメールを送ったことがあって、僕とEメールのやり取りがあったということ。そして確実にJimmyは彼の写真を僕に送ってなかったし、直接会うこともなかった。

だけどJimmyは僕のファーストネームとか身長、体重、年齢、そして住んでいる場所なんかの特徴や情報で、それが僕だったということを確信したんだと思う。世界って狭~い。ただ、自慢できないのが、その個人広告で僕は、けっこうあけっぴろげな性表現をしてたんだなぁ。あ~、また自分の行為に反省。実は、その広告でWarrenにも出会っていた。ここまで因果応報が続くと凹みます。

何でもストレートなJimmyの影響からか、僕もJimmyに向き合わなければ、と思って、そのままJimmyのYahoo!のEメールに対して返事を出した。「どこでこのEメール・アドレスを知ったの?」

それに対してJimmyからは返事なし。そして火曜夜、水球の練習でJimmyと直接会ってその後二人で夕食に行っても、そのことは話題に上ることはなかった。しかも!その夕食の後、初めてJimmyを僕のアパートに招待した。

「Jimmyが来てもいいように掃除しようと思ったんだけど、取り繕っても続かないでしょう?最初っからありのままを見せておけば、後がラクかなぁと思って」

僕の正直コメントにJimmyも笑ってくれた。

自分のこと(年収まで!)話すJimmyとは対照的に、僕は会社のことや過去の関係なんかもあまりJimmyには話していない。Jimmyに圧倒されているっていうのが正直なところなんだけど、Jimmyにしてみれば、僕はあまり心を開いてないと映っているのかもしれない。そんな僕が、ついにJimmyを自宅に招待したということで、Jimmyはとても嬉しかったみたい。

ソファーに二人で座って、お話をしたりキスしたり。Jimmyが大学に行ったSan Diego。僕は一度もSan Diegoに行ったことがないと言ったら、「二人で行ってもいいかもね」なんてJimmy。「That'll be great! You can guide me around.」と僕。

でも、結局、あのYahoo!の話は一切二人の口から出ることはなかった。まるでピンク色のゾウが部屋の中を歩いているのに、誰もそんなものは目に見えてないかのよう。

「じゃ木曜夜の水球で」と言って僕のアパートを去るJimmy。実質、彼が僕のアパートにいたのは30分くらいだった。木曜夜こそは、ピンク色のゾウについて話さなければ。

秘密

2005-11-13 12:53:08 | Weblog
昨日のブログを書いてから、何故か疲れてせっかくの土曜なのに自宅でゴロゴロしてしまった。そして暇つぶしにやってきたJamesに、Jimmyの家に初めて泊まったことや、Jimmyとの会話がイマイチだったことなんかをブログに書いたままに告白。Jamesの一番の心配は、「このJimmyっていう人は、前のDavidみたいに性格ひん曲がってない?」というもの。それは大丈夫というのを念押ししておいた。ただ、Jimmyの性格が120%一直線なのが心配というか、おののいてしまうのだけど。

そんな午後を過ごしていたら、またJimmyから僕の携帯電話に電話がかかってきた。午後5時半くらい。僕がJimmyの家を出てからまだ4時間くらいしかたっていない。僕はJamesに、「あ、Jimmyから電話。ちょっと静かにしてて」と言って電話に出た。そしてJimmyからの電話の内容は、「今晩、また一緒にどこか行こう」ということ。

数時間前に別れたばかりなのにまた誘われてしまって、複雑な心境。今日の午後わざわざ僕を家に追い返した理由はなんだったの?

だけどJimmyの心境が掴みきれてなかった僕は、この間髪入れない電話に嬉しかったことは言うまでもなく。

そして僕たちはチャイナタウンで待ち合わせをした。そしたらJimmy、今日の午後散髪に行ってきたらしく、髪を軍人さんのごとく短くカットしている。前のちょっと伸びたほうが僕は好きだったのだけど・・・。だけど一応、「You look cute」とお世辞を言うことは忘れずにいました。

この晩はChicken Littleというディズニー映画を観ることにした。子供向け映画だったけど、ディズニーにお決まりのゲイのキャラクター、ブタ君が登場して、大人も楽しめる映画だった。僕もJimmyもところどころ大爆笑。大人、しかもゲイにしか分からないようなジョークがちりばめられてて笑えました。それにこの晩は居眠りしなかったし!(僕ってもしかしてお子様?)

二人で映画館を出ると、土曜の夜ということもあってものすごい人だかり。しかもバスケットの試合があったようでそれを見終わった観客があふれかえっている。僕とJimmyは夕食を求めてごった返す交差点まできた。すると、その人ごみの中に、僕がこの夏、一晩の情事を過ごした男、Warrenが。彼と目線があう。向こうは同じような30代の白人男4人組でつるんでいる。Warrenは交差点を横切る途中。渡りきったところでもう一度振り返って僕のほうを見る。慌てて僕は違う方向に顔を背ける。このとっさの行動にJimmyはまったく気がついていない。

「確か、向こうのほうにピザ屋があったから行ってみよう」

と行って、交差点をわたり始めるJimmy。

Oh my god...(僕の心の叫び)



マジやばい状況。Warrenがまた振り返って、しかも話しかけてきたらどうしよう。Jimmyと上手くいきかけている関係が砂のお城のように崩れてしまうのは目に見えて確実。自業自得、因果応報とはこういうことを言うんだねっていまさらながらに自分の軽率な行動を反省。でも時既に遅し。しかも、Jimmyの歩くスピードが早い。あっという間に先に渡ったWarrenたち4人男の真後ろにつけている。

Oh my god...



Warren達を抜きそうになるその一瞬、Jimmyは「あ、このハンバーガー屋は?」と僕に聞いてきた。天の助け!とばかりに僕は立ち止まって入り口のメニューに見入る。だけど中は普通のファーストフード店。色気ないことこの上ない。性格も良くて優しいJimmyだけど、食事に関しては一切、僕と趣味が合わなさそう・・・。あ、牛乳は飲まなくて豆乳派というのは僕と一緒だけど。でもとにかくハンバーガー、ステーキ、いわゆる典型的なアメリカン・フードが好きなJimmy。そして野菜をあんまり食べない。しかも、アジア料理のレストランをお勧めしてみても、乗り気じゃないのが分かる。結局この夜、場所を変えてアメリカ料理屋(兼バー)に僕たちは落ち着きました。Warrenとの鉢合わせもどうにか避けられてホッ。



この晩のJimmyはちょっと別人だった。昨日のブログでは、話が一方通行でつまらない!ということを書いたけど、この晩はJimmyはなぜかリラックスしていてよく笑った。会話も弾んで、ちゃんと「キャッチボール」していた。これが本当のJimmyなのかなぁ。この夜に比べると昨日までのJimmyは凝り固まった万年雪のよう。


そして二日連続、Jimmyの家でお泊り。

翌朝、昨日と同じようにお腹の上に乗っかってきたネコに起こされる。

既に起きてコンピュータに向かっているJimmy。何をしているのかと思いきや、また株価をチェックしている。これって、Jimmyの趣味なんだね。しかも、なんかエクセルシートを開けてにらめっこしている。「Good morning...何してるの?」といいながら覗き込んでみると、左端には年齢、そして年齢ごとに増えていく彼の年俸の予想額、その他、株価上昇も見込んで、年齢別に資産がどれくらい成長していくかを予測するチャートになってる。

「このエクセル・チャートってもしかしてJimmyのお手製?」

「そうだよ」

――Wow。

彼のことが少しずつ分かってきた気がする・・・。

一応、話を弾ませるために「米ドル以外の外貨投資もしてる?」なんてちょっとテクニカルなことを聞いてしまった。

「もちろん。為替リスクは計算に入れてないんだけど、ブラジルの株式を買ってるんだ」

「ブラジル?ちょっとハイリスク・ハイリターンじゃない?」

「知らないんだ。これが僕が買っているブラジルの株式チャート。ちゃんと毎年上昇してる。僕が買ってるのは消費財を生産している会社じゃなくて、鉱石とか天然資源を生産している会社だから突然つぶれるっていうことはないんだ」(Jimmyはこの他にも3分くらい株式投資の説明をしてくれた・・・)

さらにJimmyは、

「僕の甥たちのために大学資金も積み立て始めたんだ」

「そうなんだ。僕のためにも資金積み立ててくれない?ははは」と冗談で言ってみた。

「もし君が僕のパートナーになったら」とマジな回答をするJimmy。

「ハハハ」(←乾いた僕の笑い)

この他にも朝っぱらからディープな話が目白押しだった。彼のこれまでの恋人4、5人について話をし始めた。いつになっても、デート中の人の元カレの話を聞くのは心が痛い。ジェラシーってやつだね。それがたとえ過去のことであっても。しかもJimmyの遍歴は国際色豊か。パキスタン、ブラジル、などなどとにかくエスニック。



複雑な気持ちを抱えつつ、さて、今朝は何をするのかなぁと思っていたら、Jimmyが誰かに電話を始めた。

「そう、Tyっていう名前なんだ。水球で知り合った。僕のこれまでの例に漏れず、彼も外国人で日本人。身長は僕より少し低いくらい。体重はずっと低いけど」

Jimmyが話していたのは彼の旧友Lenny。この近所に住んでいる。Jimmyの親友というのは、同じマンションに住んでいるJohnとこのLennyらしい。Jimmyによると、Lennyの秘密のEメール・アドレスは、「MuscleLover(筋肉好き)」らしい。これを聞いただけでLennyがどんな人か想像ついてしまった・・・。Jimmyは、僕を彼の親友Lennyに紹介するために一緒にブランチを取るセッティングをしたのだった。ついにきました。親友への恋人紹介。僕は、「面接試験ってやつだね」と皮肉交じりに言った。「いや、僕は友達の意見は参考にしないから」とフォローするJimmy。

「ところで、James XXXって誰?」

ネコとベッドの上でじゃれあっていた僕はあまりに唐突な質問に心臓が飛び出しそうになった。

「なんでその名前を知ってるの?」

「君の電話のコーラーIDがJames XXXってなってたから」

「あ、なるほど・・・Jamesっていうのは僕の大親友で、家族も同然の人なんだけど、元恋人でもあったんだ。今でもすごく親しくしていて、携帯電話もまだ彼とファミリー契約して加入したときのままになってる」

これはすべて事実なんだけど、Jimmyの鋭い質問にうろたえたまま動悸が治まらない。一瞬、Jimmyは僕の身辺調査をしたんじゃないかと思ってしまった。Jimmyの一直線な感じからするとそれもありえる。Jimmyは僕の説明に納得した様子で、それ以上は何も聞いてこなかった。

Lennyとのブランチを終え、僕たちはJimmy宅へ戻ってきた。天気のいい日曜日。「一緒にシャワー浴びる?」といわれるがままにJimmyとシャワー。

――またまた約1時間後。

二人とも疲れてまたベッドでウトウト。ネコのAugustも仲間に入ってきて二人と1匹で日曜午後をベッドでうたた寝をして過ごした。ふと目が覚めると、外は薄明るい。目が覚めたJimmyが「また朝?」なんて冗談っぽく話してきた。

だんだんと日が沈んで薄暗くなる中、僕たちはベッドの上で抱き合ったまま、また色々なお話をした。

「今度水球に行ったら大変だなぁ」と僕は始めた。

「なんで?」

「だって、みんなと一緒にシャワーを浴びてるときに、Jimmyが隣に来てもこういう風にはできないでしょう?なんか変」

「わかった、僕はちょっと距離を取るようにするよ」

「う~ん、そういう意味じゃなくて。Jimmyは僕のそばにいて欲しいんだけど。いずれ、誰もが分かることだと思うから」

「もうMarkは知ってるよ。彼とは仲のいい友達だから。そしてMikeも感ずいてるんじゃないかな。みんなこういうことには敏感だから。木曜夜、僕と二人で家路についたのをMikeは知ってるでしょう?」

やっぱり、あの「選択」は誰の目にも明らかだったんだね。驚いたのは、JimmyによるとMikeは「エゴの大きな人」らしい。自分中心で主導権を握らないと気がすまないタイプ。これには意外だった。だって、僕を水球に誘ってくれたのはMikeだったし、これまで練習に行ってもいつも「Hi, Ty!」って呼んでくれたし、水球を教えてくれたりとても親切だったから。

JimmyはMikeの他にも水球メンバーのことについて話し始めた。「ゴールキーパーのTomは、僕がオンラインで知り合って水球に誘ったんだ。確か、SMの皮のジャケットをインターネットで売ったのがきっかけで知り合ったと記憶してるんだけど。その後も一緒にSMバーに行ったりして長い付き合いになってる。Markは親友なんだけど、少し変なんだ・・・。(Markは、着替えるとき最後まで下着をはかずにTシャツから着始めるツワモノと紹介したまさにその人。)とにかく物への執着が強くて、一度手にするとそれを捨てられない性格なんだ。多分、一種の神経症だと思う。だから、恋人もできない。家に行くと、もう人が住むとは思えないようなガラクタの山。Mannyはみんなからプリンセスって呼ばれていて、今年フロリダに水球の遠征に行ったとき、衝動で2000ドル分の洋服を買ってたよ」

これはJimmyが暴露した水球メンバーのほんの一部。まだ5回しか参加したことのない僕には、みんないい人にしか見えなくて、そういう影の顔というか、本当の部分を知らされて「え~、信じられない」の連発。

そして、僕はしっかりJimmyが言った発言を聞き逃しませんでした。そう、SM。

「JimmyはSMが好きなんだね」

「うん。レスリングのユニフォーム、水着、ジョックストラップ、下着なんかも好きだよ」

うお~。Jimmyってどこまで素直なんでしょう。でもこれはゲイだったら誰もが反応するアイテム。特に驚きではない。しかも、先週、水球の練習のあと、ロッカールームでJimmyが勃起したのを目撃したのは、僕が白いKCのブリーフをはいていた日だった。昨晩も同じ種類の下着を履いてたのだけど、Jimmyの反応が違うのが分かった。



夕日がほとんど沈みかけで、互いの顔がようやく分かる薄暗い寝室で、僕たちは赤裸々に自分たちのフェティシズムを話し合った。僕も、水着や下着系が好きということやユニフォーム、スーツなんかも気になるっていうのを言った。それを聞いて嬉しそうな顔になるJimmy。彼が持っているスーツを少し見せてくれた。(あ~、Jimmyってスーツが似合いそう。ムフッ)

そう、それで本題。「SMって何をするの?」ちょっと恐る恐るJimmyを問いただしてみた。

するとベッド脇のキャビネからJimmyが取り出したのは皮の首輪・・・。

「どこで買ったの?」

「ペットショップで。これ犬用なんだ」

Jimmyはネコしか飼ってないのは百も承知。それが犬用に買ったものじゃないことは明白。しかもベッド脇に収納されてるし・・・。

Wow。

「人にとって一番大きな性器は、ペニスじゃなくて脳みそって言うでしょ?僕は人を気持ちよくさせることが好きなんだ。これまで付き合った人の中には、僕がオシリをピシャリと打つと『なんで殴るんだよぅ』って嫌がる人もいたけどね。他の人は大体、好きだったよ。初めての人も、意外と好きになったし。傷やアザになることはしないから。それはちょっと極端なSM」

内心たじろぎながら平静を装う。

「少しずつ試してみようね」と僕は言ってJimmyの胸に顔をうずめた。

お泊り

2005-11-12 05:39:37 | Weblog
「電車を降りてから、ショッピングモールを抜けたところにスケートリンクがあるからそこで待ってて」

とは言われたものの、ぐるぐるショッピングモールを歩き回っても出口が見当たらない。突き当たったのは駐車場へ行く通路だけ。数分歩き続けているとまたJimmyから電話があった。

「今どこ?」

「完全に道に迷った。スケートリンクに行く出口なんてないよ」

「駐車場を通り抜けないといけないんだよ」

「え~そうだったの。駐車場はみかけたけど違うと思って引き返しちゃった」

初めてJimmyのマンションへ行くのがこんなに難しいこととは思いもしなかった。

僕が住んでいる市内とは違って、郊外型のショッピングモールが展開する。高層マンションもニョキニョキと建っていてまるで違う風景。実は、今年2月の旧暦のお正月にChinese New Year's PartyでBenのアパートに呼ばれたことがあったけど、Jimmyのマンションはその裏側に建っていた。奇遇。

いつも水球の練習に来るときは着古したジーンズとスウェットシャツという服装のことが多いJimmy。だけど今日はブランド物風のジーンズに黒い皮のジャケット、下にはカウボーイ風のシャツできめていた。「やればできるじゃん!」と心の中で歓喜する僕。

Jimmyのマンションに到着。6年前に購入して以来、少しずつ自分で内装を整え家具も揃えてきていると話していただけあって、立派でした。なんでゲイってこんなにインテリアにお金と時間をかけるのでしょう?Davidもそうだったし、Denisもそうだった。これまでお家訪問をさせてもらったゲイは90%、インテリアデザインに凝っている人たち。多分、子供がいなくてその分、資金力と時間をかけられるということの他に、内装に凝って「自分の家」を作り上げることで「家族を作る」という欲求を満たしているのかもしれない。

茶色の革張りのソファの上にはでぶっちょの黒猫Claud、そして床には細身の黒猫Augustが待っていた。リビングには先週買ったばかりというフラット画面のTV、ダイニングテーブルも漆黒か深い茶色の上品なもの。キッチンにもドイツ製のステンレスの大型冷蔵庫が居座り、カウンタートップは御影石か何かでできている。そしてキッチンの窓際には二人が向かい合って座れるこじんまりしたテーブルと椅子。

ここまで完成させるのにはかなりの時間がかかったはず。MBAを取得したのはほんの1年ほど前というから、いつそんな時間を確保したのか不思議。それに水球にも週に2回通っているし。Jimmyは常に何かプロジェクトに取り組んでいないと気がすまないタイプの様子。「この会社に入ってから修士号を2つ取った。次は博士号を狙ってるんだ」というJimmy。「おいおい、ボーイフレンドをかまう暇なんてないじゃん」と心配になる僕。

そんな僕の心配をよそに、僕たちはベッドになだれ込んでしまった。

――約2時間が経過

「さて、映画を観にいくんだったよね。時間を調べてみよう」

と言ってJimmyがインターネットで検索を始めた。7時20分からと9時10分からがある。時間は6時過ぎ。7時20分のに間に合う。

すると、Jimmyは自分の株式投資のウェブサイトに行って今日の株価を調べ始めた。何で今それをする必要があるのか不明だったのだけど、色々と僕に説明を始めた。そしてFidelity Investmentsにある彼の口座のポートフォリオや株価動向のチャートを開くJimmy。見たくなかったけど、Jimmyの後ろに立って話を聞いていると2000万円分くらいの株式投資をしているのが分かった。それだけお金があるっていうことを僕に見せたかったのか?でも初めてお家訪問で自分の株式投資額を見せるかなぁ?ちょっと僕の常識とはかけ離れてるので驚いてしまった。

やっぱり車があると便利だねぇ。都市部よりも郊外のほうが新しいショッピング・センターや映画館があって小奇麗。その分、ゲイ人口はぐっと減ってミドルクラスの白人が多く目に付いたけど。

前々から観たかったCapote。だけど僕は疲れから途中、うたた寝をしてしまった。Jimmyにはばれてないかなぁと鷹をくくっていたけど、見終わった後、「途中で寝てたでしょ」と突かれてしまった。あ、やっぱりバレバレだったんですね。「首がコックリコックリしてたよ」とまで言われる始末。せっかくJimmyの奢りだったのに。しかも、自分で観たいと言った映画だったのに。印象悪くしたかも。

Jimmy宅に戻り、デザートを食べて、フラット画面のテレビで中国の蒙古時代のドキュメンタリー番組を見た。それは実はNHKが製作したものだと判明。住んでる場所が違うと見れるTVチャンネルも微妙に違うみたい。僕が聞いたことのないチャンネルだった。

「11時だけど、泊まっていく?」と聞くJimmy。「もし問題ないんだったら」と答える僕。「もちろん喜んで」と言うJimmy。ということで、初めてのお家訪問で初お泊りになった。

翌朝、僕たちの上に乗っかってきたネコに起こされ目が覚めた。まだ7時半。「よく眠れた?」と聞く僕。「う、ん、、、6時過ぎにネコに起こされたし、夜中、足が吊っちゃってあんまり良く寝れなかった」。

僕はぐっすり眠れたんだけど、Jimmyにとってはなんだかすごい夜だったみたい。まだ眠そう。そのままベッドでゴロゴロ。

その後、ブランチを食べに行き、紅葉を見にドライブ。そして散歩。デートコースとしては問題なく、いい時間が過ごせたけど・・・。

Jimmyって話下手。会話ってキャッチボールなんだけど、Jimmyって一方的な投げっぱなし型。二人で楽しい会話が弾むっていうことがあまりなかった。それに土曜の午後だというのに「仕事があるから」ということで中途半端なお別れ。

あれだけ僕に果敢にアプローチを仕掛けてきていたJimmy。この週末のお泊りデートでその印象は変わったのか?!変わってしまっていたら悲しいけど・・・。Jimmyの方ではどんな感想を持ったのだろう。果たして僕たちはラブラブカップルになれるのか?