猫のCOCOとヒゲじいさんのなっからさくい生活

なっからさくいは「めっちゃ気軽な」って感じ、ちっとんばいデブなシャム系猫といい歳こいたじいさんの自楽な生活記録です

水野真由美さん登場の「兜太を語る」を紹介します。それと、奇異な行為で承認欲求を満たそうとする風潮は変です

2023-02-03 07:23:39 | なっからさくい生活

写真右側の初老の男の人は日本芸術院会員で文化功労者に選ばれた俳句作家の故金子兜太(1919~2018)さんです。左側の一見では性別不明の人物は三俣町の古書店・山猫館書房の主で俳句作家の水野真由美(不明~)です。父親に「親不孝が服着て歩いている」と言わしめた稀有な子どもとしての逸話が伝えられています。

 冒頭の写真はこの本の中に見つけました。董振華(とう・しんか)さんの企画・編著、自費出版の書籍です。故金子兜太さんと「海程」の会員として一緒された15人の俳句作家に故金子兜太さんに纏わる想い出を董さんがインタビューしています。水野真由美さんもその15人の一人として登場し、冒頭の写真の如き実態をつまびらかにしています。

 不思議な面白さのある本です。戦後俳句をけん引した故金子兜太さんとその強い影響下で俳句作家となった皆さん方の得体の知れない「関係」に関心を持たれる方には必読の書かもしれません。

  孤独のあかんぼちんぼこさらしはだか麦

水野真由美さんが選句した兜太さんの句の一つです。なお、この本は書店には出ていないようですので、万一欲しいなとお思いの方は山猫館書房( 027-232-9321)に「ヒゲじいさんで見た」と言ってお問い合わせください。なお店主の実物を遠くから見たい方は、毎月三日の弁天ワッセで立川通り側の入口に出店しておりますので無料で見られます。話もできます。

 

 
昨日も素敵な日差しが猫窓を通して届いていました。至福のCOCO、いい年こいたおじさん猫のかわいい前足をご覧ください。私も今度機会があったら真似しようかなと思いながら、石原総合歯科へ歯の治療に行きましたが、診察台の上ではとても真似する勇気はありませんでした。

 
治療を終えてから、JAファーマーズ朝日町店へ、節分と立春の行事食のための買い出しに行きました。前日と打って変わって冷たい風が吹き抜ける芝生広場には誰もいませんでした。でもね、ずいぶんと緑色が増えてきています。野芝が緑の新葉を伸ばし始めているのです。

 
でも、北風はメタセコイアの高い枝を鳴らしていました。赤城山はしっかり冬姿です。買い物しながら思い出していることがありました。回転ずしチェーン店やなんかでの迷惑行為がSNSで拡散されている問題です。店の経営者が、「刑事・民事の両面から厳正に対処します」というのはごく当然のこと、不正な違法行為であることは紛れもない事実ですから。

 


いったん家に戻ってから、今度は岩神町の養田鮮魚店へ向かいました。広瀬川の柳の枝も風に大揺れでした。飲食店での迷惑行為について弁護士の住田裕子さんがテレビで言っていたことを紹介します。迷惑行為は「何かやって目立ちたいという社会への承認欲求なのでしょうが、実社会で出来ないので、ネット社会でやってるのですね」と説明してました。そして、「いったん画像が出てしまうと、ネットの社会はずーっと永遠に残りますから、忘れられる権利は行使できませんから、絶対まねしちゃダメです」と。ほんと、そうなんです、いろいろ気を付けねばと自戒します。


養田鮮魚店の鮮魚ケースにシマアジがいました。「何年ぶりかな、シマアジ見るの」、「オレも久しぶりですよ」。おいしい魚です、一尾もらいました。
もう一つ思い出したのは、私が初めて行った寿司屋、高崎の「満春楼」の親爺さんのことです。子どもは決してつけ台には座らせませんし、食べたいものを聞きません。「子ども用」として親爺さんが勝手に作ってテーブルに運んでくれる桶のを黙って食べるのがルールでした。

 こちらは通称「シロアジ」と呼ばれる大型のマアジです。顔だけ見るとそっくりです。
「子ども用」桶には、づけマグロ、煮イカ、タコ、玉子焼、乾椎茸の含め煮、干ぴょう巻とかっぱ巻きが入っていたと記憶しています。大人たちは、つけ台で、コハダとかシメサバ、トリ貝とか赤貝、あれこれ注文して食べてました。子どもが余分なことや生意気を言っても親爺さんは無視・黙殺です。親父さんは子どもたちの承認欲求などはなから認めていませんでした。

 
顔つきが全く違うのはカンパチ、アジの仲間ではないです。赤いのはキンキです。生のイワシやヤリイカもいました。
大学生になって帰省した時、高崎で途中下車して満春楼に立ち寄ったことがありました。テーブルに座ると、「こっち来い」とつけ台に招いてくれました。そして「飲めるようになったか?」と尋ねると、「おい、一本つけてやってくれ!」っておかみさんへ、そして、「なんにする?」って。初めて一人前の扱い、「客」として承認されたんです。私が求めたのっではなく一方的な承認でした。

 風はますます強くなってきていました。満春楼に限らず店にはそれぞれの店の規範がありました。それが嫌なら「出てきな、もう来るんじゃねえ」てな具合の店がいっぱいありました。私はそんな店で育てられた「客」です。承認欲求などで勝手するようなことは考えられなかったです。店と客の関係が大きく変わったんだなとつくづく思っています。それは、社会の変化でもあるのだと思います。社会が認めてくれているという「実感」が普通に暮らしているのでは手に入り難くくなっているのかもしれません。


中央前橋駅脇の広瀬川の川面に風が細かな波模様を描いていました。
ネット社会でも実社会でも奇異な行動が増えています。「目立つ」ことが認めてもらうために必要なことになっているかのようです。この先どうなるのかな…

 

 
買い込んできたイワシです。背びれと頭と内臓を取り除き、酒と味醂と梅干しと少しの醤油でのんびり煮ました。節分に食べるイワシの梅煮です。煮汁に一日漬け込んでおくと、小骨まで食べられるようになります。それと、海老そぼろと牛そぼろ、赤大根と蓮根の甘酢漬けを仕込みました。こちらは立春の日の稲荷ずしの材料です。

 

 
夕食です。シマアジの刺身です。手前の細長いのが腹身です、こっちが旨いんです、とにかくおいしい魚です。それと、牛筋大根です。真っ黒く煮えているのは、焦がし醤油で煮込んでいるからで、塩っ辛くはありません、むしろ甘口の煮物です。

 
セロリのピクルスとトマトとブロッコリーのサラダです。汁はほうれん草の卵とじでした。

今日は節分です、けんちん汁を作ります。

 

 ヒゲじいさんの連れ合いの三代目若柳吉駒でございます。
1937年(昭和12年)に祖母の初代吉駒が始め、伯母の二代目吉駒が受け継いでまいりました直派若柳流美登利会を承継しております。毎年春に開催しております舞踊会は、戦時中の開催禁止と一昨年のコロナ禍による延期を除いて、今年で78回を重ねることができました。今春4月9日には、第79回舞踊会を開くことといたしまして、会員一同精進を重ねております。引き続きご贔屓くださいますようお願い申し上げます。

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第78回美登利会と第3回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧下さい
第77回美登利会と第2回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧下さい
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