上野オンライン将棋教室ブログ(横浜西口大人将棋教室)

平成31年1月から開講している横浜西口大人将棋教室のブログです。現在は上野オンライン将棋教室も併せて開講中です。

精読

2008年01月23日 | 対局
C1 対 脇八段

研究会等の時間の短い将棋では、
「まあ、ここはこう指すよね」
とさらっと通り過ぎてしまうところでも、
時間がたっぷりとあると、
ほんの僅かな違いとまっすぐに対峙する必要が出てくる。

第1図。
(僕は先手番です)



「少し指せるはず」

とずっと思い続けてこの局面を迎え、
僕はさらに延々と考え続けた。

(角金交換の駒損だが、玉の安定度、持ち歩の数で勝り、
 竜も作って、さらに手番を握っているから先手優勢、という形勢判断)

第一感が「▲4三銀」で
その次に「▲5三歩」もあるかと思い検討を始め、
しばらくして「▲4三金」も選択肢に加えた。

①▲4三銀には△3三銀と受ける。
そこで▲5四金、という変な手を見つけて勝ちそうだと思ったが、
その後の変化で読みきれない部分があり、却下した。
(それでもおそらく最善は▲4三銀だった)

②▲5三歩も有力だと思った。
そこで、△同銀なら▲6五桂の味が良い。
しかし、△4三銀と受けられると、
▲3四銀の絡みがあるものの、大変と見て却下。

③▲4三金を思いつくまで、30分以上かかった。
金と銀の違いは、
▲4三○△3三銀▲5六歩の時に、
金なら、「△4四角とできない」ということ。

ただし、銀で済みそうなところで金を打つのは何か感触が悪く、
躊躇したが、上記の読みにより③▲4三金を決行した。



そもそも、この局面で後手の選択肢が多すぎて、
何を指されるのか全く分からなかった。
自分が優勢かどうかさえ、まるで分からなくなっていた。

だから、ここで脇八段に投了されたのは、
本当にびっくりした。
もっとも、後手としては、
「少しずつ足りない」とずっと思っていたはずなので、
実戦心理として、投了される気持ちも分からなくはない。
時間にして、8時間以上つらい状態でいたのだろうから。

とことん読んでも、
結局読み切ることはできなかった。
仮に今より遥かに強くなったとしても、
今度はもっと手前の段階で読み切ろうとするだろうから、
「読みきれない」というもどかしさは、
ずっとついて回るのかもしれない。

でも、今自分にできることを積み重ねて、
一歩一歩強くなろうと思う。






次の対局

2月1日 竜王戦 対中村(太)四段

です。
与えられた機会に感謝して、
いつも通りベストを尽くします。
コメント (4)
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