広告代理店はイヌと同じだ!【表】

現役広告営業マンの日乗
~表題は某社宣伝部長の金言から(3/19参照)~

なぜケータイ小説は売れるのか

2008-06-20 08:38:45 | 出版ビジネス
差し迫った事情があって、

話題の「なぜケータイ小説は売れるのか」(ソフトバンク新書)

読んでみました。



関心の軸は2点ありました。

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①ケータイ小説本のビジネスモデル

  ※つまり「どうやって成功したの?」「商売してるの?」ということ。



②購入層とその読書スタイル

  ※つまり「誰が、どんな風に読んで、買っているの?」ということ。

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著者の本田透さんがプロの作家ということもあり、
とても面白かった上に、上記2点についても、凄く参考になりました。





で、

まず①について。

最初にビジネスモデルを図にしてみました。

(今回は事情があってpptなので、
 図の出来はともかく、絵柄は美しいですね~)




本書に書かれていることで、面白いなと思ったのは

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★「ケータイ小説」は、作者と読者しかいない世界。
  (作家とファンの関係/セッションで作品が作られること。
   編集(出版社)は中間に介在しない)


★事業者は、既に携帯で一定読者を抱えた作品を出版すること。


★読者は、リアルの世界でも、本を「ファンアイテム」として購入すること。


★ビジネスとしては
 出版前に携帯で大量プロモーションを行う「逆メディアミックス」であること。


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つまり、
同じ「小説」「本」と言う言葉を使うが
従来の出版業とは全く別の次元の代物・モデルではないか?

と言うことです。




おそらく、

ここで書かれる成功事例とビジネスモデルは

「別の意図でやってみて」
  ↓
「途中であれっと気が付いて」
  ↓
「ためしにやってみたら」
  ↓
「成功しちゃった」
  ↓
「なら大規模にやってみよう」

というプロセスを経て構築されたと思われます。

であれば、

同じモデルを同じように真似しようとしても、

なかなか難しそうだと思いました。



でも、

ケータイをプラットフォームとした

作者と読者の関係性については

ビジネスの「ツボ」だと思いました。







さてさて

次に②について。



これは個人的に

今のティーンの活字離れを何とかしなくてはならない、というのは

社会的問題だと思ってますので、関心がありました。




この点では、

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ティーンから20代前半の層にも

「物語」は受け入れられる。寧ろニーズは増している。


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ということが、

まだ仮説とは言え、掴めたことが大きかった。




考えてみると、こうした傾向は確かに

最近の「歌詞」の楽しまれ方、ヒットの仕方などを見ても頷けます。



であれば、

活字離れが叫ばれてますが

要は「物語」の「質」「表現」と「届ける媒体種類」の問題で

アイデア次第で、

まだまだ解消できるのではないかな・・・と。



しかも彼ら(彼女たち)の流行の伝播スピード・傾向を考えると

一度、うまく導線がひければ

一気に「本による読書」への回帰が始るかもしれない。


そう思いました。






面白いので、


「電子書籍」と「リアルの本」については、引き続き


そして


・今の若い世代にとっての「物語」については新しいテーマとして


これからも考えてみたいと思います。






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※The reason why the title is“広告代理店はイヌと同じだ”




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