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旅の友・ポップス編 (384) 『遥かなるアラモ』

2018-03-19 14:45:08 | 旅の友・ポップス編

『遥かなるアラモ』 ブラザーズ・フォー
”The Green Leaves Of Summer” The Brothers Four 【YOUTUBEより】


1960年制作のジョン・ウエイン監督によるアメリカ映画『アラモ』の主題歌です。
映画は1836年に起きたアラモの砦におけるテキサス義勇軍とメキシコ軍の壮絶な戦いを描いた70ミリ大画面による
長編アクション大作なのですが、結果的にはジョン・ウエインによる制作・監督・主演のワンマン映画に終わりました。
また映画の監修にジョン・フォードが携わったとも言われており、当時の宣伝ポスターにも「友情監修・ジョンフォード」と
プリントされていますが、どうやらこれは事実ではないようです。
さすがにジョン・フォードが隅々まで監修しておればこれほどの凡作にはならなかったことでしょう。

主題歌の『遥かなるアラモ』はディミトリー・ティオムキンが作曲、ポール・フランシス・ウエブスターが作詞したもので、
農地や牧草地を開拓した人々の大地に対する郷愁が込められた歌詞による見事な民俗音楽となっています。
邦題は『遥かなるアラモ』となっていますが、原題は”The Green Leaves Of Summer”となっていて『アラモ』を連想
させるような内容ではありませんし、映画『アラモ』にふさわしい曲とも感じられません。主題歌として使われたために
的外れな『遥かなるアラモ』と命題してしまったのではないかと思われます。
日本では、映画公開に先立ち、主題歌の本命とされたマーティー・ロビンスの『アラモの歌』のB面でリリース
されましたが、前作の『グリーン・フィールズ』の大ヒットの影響もありA面をしのぐ勢いで爆発的にヒットしました。
【今週のベストテン】において1960年11月第3週に初登場し、8週連続でベストワンに輝くなど翌年5月までのほぼ
半年間ベストテン入りのロングセラーとなっています。

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4 コメント

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こんばんは (すず)
2018-03-19 20:43:16
一度聴いたら耳に残る、
そんなメロディーですね。
曲紹介をいつも丁寧にして頂いて感謝です。
お陰さまで、自分が聴く音楽の幅が広がった気がします。
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アラモ (いせえび)
2018-03-19 21:54:35
こんばんは。
映画は見ていませんが。おっしゃるように、このブラフォーの歌を聞いていると、アラモの闘いなど連想しませんね。
映画から離れた、詩情豊かな望郷の歌という感じがします。
マーティー・ロビンスの「アラモの歌」はアラモの闘いそのものを歌っていますが、この「The Green Leaves Of Summer」は同じブラフォーで、ある程度ヒットした「北京の55日」とは違うところです。
しかしデミトリー・ティオムキンは名前の通り、帰化したロシア人ですが、アメリカ人以上にアメリカ映画、とりわけ西部劇の名作「ハイヌーン」「O,K牧場の決闘」「ローハイド」(どれもたまたま、フランキ-・レインが歌っていますが(^^))などを残していますね。
いつもなつかしい曲など、ありがとうございます。
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すずさんへ (Chochin)
2018-03-20 06:52:41
おはようございます。
良い音楽はおっしゃる通り一度聞いただけで心に残りますよね。
わがまま放題のブログですが感謝の言葉をいただきまして誠に恐縮です。
話は変わりますが、いよいよ球春、今年もパ・リーグが楽しみです。
SBさんはいまのところ、「能ある鷹は爪を隠す」という状態ですが
始まってしまえばきっと独走態勢でしょう。
ウチも離されないようにと応援するつもりです。
コメントありがとうございました。
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いせえびさんへ (Chochin)
2018-03-20 06:54:05
おはようございます。
この曲は『アラモ』の主題歌というよりもフォークソングの名曲のように感じます。
個人的には『アラモ』に使われたことが勿体ないような思いです。
ティオムキンは今回の『アラモ』の音楽について、最初は断わっていたのですが
ジョン・ウエインとジョン・フォードに強く頼み込まれてやむなく
引き受けたというエピソードが残っているようです。
彼の代表作としては「ハイヌーン」、「O,K牧場の決闘」に全くもって同意です。
コメントありがとうございました。
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