ちねんの部屋

劇団鳥獣戯画主宰 知念正文の日記

舞台人の老い

2007年01月24日 | Weblog
誰にでも老いは来るけれど、舞台に立つ者にとって、老いは重大事だ。思うように動けない、喋ることが出来ない…etc.そういう役なら、それもいいと思う。しかし、老いのために見づらい聞きづらい、というのではマズイだろう。舞台に出ても椅子に座りっぱなしだった歌舞伎俳優、いつ話を忘れるか分らない不安におそわれる落語家、動きがままならないパントマイマー…。ボクが見たかつて名声を博したそれらの人々は、それでも観客の暖かい拍手を受けていた。
年をとったゆえの味わいというものは確かにあると思う。でも、それがゆえに成り立っている動きや喋りが滞るなら、出来る範囲でと、お願いしたい。
本人が望まなくても、周囲やファンに押されるようにして舞台に上げられることもあるだろう。だから、身内のみのファンの集いのような会だったら構わない。でも、一般公開は考えて欲しい。
しかし、その老いは確実にボクにも迫っている。ボクが今言ったことは、当然、ボクに返ってくる日が確実に来る。
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