元気のたね

ヘルスフィットネススペシャリストの浅田千鶴です  

解説「おうちでエクササイズ その7 体幹トレーニング 」 後半

2020-05-09 21:34:23 | 健康
「おうちでエクササイズ その7 体幹トレーニング」の解説後半です。
動画はこちらです。



解説の前半では体幹トレーニングの歴史や効果について私の経験をもとにして書きました。

サブタイトルに「赤ちゃんの発達に習って・・・」と付け加えました。
動画のプログラムは 赤ちゃんが生まれて約1年で一人立ちをする。
その発達段階にエクササイズを並べました。

体幹トレーニングのエクササイズを生み出した人が赤ちゃんの発達を参考にしたか、どうかは、はっきりわかりません。
私は 1つ1つのエクササイズをしている間に、
「あ!そうか!!赤ちゃんの発達だ!」と気づき、指導の際に動画と同じようにエクササイズを並べて
「赤ちゃんの頃を思い出して!」 
「赤ちゃんの1年間を取り戻そう!!」
とレクチャーするようになりました。

そう言いながら、自分の赤ちゃんの時は思い出せないのですが、子育てをして・・・
気づいたか?というと、気づけなかったんです。
私は愚かでした。

うちの娘は 6ヶ月で、なんと!つかまり立ちをしました。
早い!すごい!!なんて思ってしまったのです。
それから、伝い歩きをしました。
ところが、手を離しての「立っち」や一人歩きは早くはありませんでした。


その後、マタニティ体操やキッズ体操の資格を取り、指導を行いました。
その時、赤ちゃんにとってのハイハイの重要性に気づきました。
ハイハイをしっかり行うことが 体幹の筋肉を丈夫に発達させる動作なのだと。
うちの娘はハイハイ不足で、体幹トレーニングの機会が少なかったのですね。
娘は のちに中学高校でマーチングバンド部に入り、10kgもあるドラムを担ぎなら演技をしていましたので、しっかり体幹筋力を鍛え直すことができました。


伝い歩きでは体幹は鍛えられないので、高齢者のリハビリトレーニングを行う際、できるだけ杖を外す事を重要視します。
杖に頼ると、体幹筋力も脚力も向上しません。
体幹筋力が衰えると、四肢の筋力も衰えます。
四肢の筋肉の始まりは体幹にあるからです。


高齢者だけでなく、子供から若い世代の人も運動不足。
スマホネックという俗名もできるほど、ゲームやネットで姿勢が悪化しがちです。

今のステイホームで、オンラインでの作業も多いことでしょう。
体幹トレーニングやストレッチをして、体幹を鍛え、気分転換をしていただけたらな~と思っています。


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1.おなか凸凹(ドローイン):腹式呼吸とともにお腹を凸凹させる運動
呼吸筋であり、体幹を支える筋肉(肋間筋、腹横筋、外腹斜筋など)を柔軟かつ増強する運動

赤ちゃんは 小さな体なのに大きな声で泣きますね。
強い力で、おっぱいも吸います。
おっぱいを吸うときは 吸気ー嚥下ー呼気のサイクル。

赤ちゃんは腹式呼吸です。肺呼吸は得意ではないかもしれません。
お母さんのお腹の中では 肺は働いていませんでした。
酸素・二酸化炭素の交換は臍帯・胎盤を通して、お母さんにしてもらっていました。
出生直後から自分の肺で呼吸をし始めます。
それだけでも劇的な変化なのに、「おっぱいを吸う」という酸素消費量の多い運動をすぐに始められるって不思議ですよね。
すごい!!!
呼吸をしながら、吸啜(おっぱいを吸う)をする。
ここ、生命の源ですよね。

あ、運動の解説に行かなければ。でも・・・

こんな神様から与えて頂いた人間の体の神秘は 感動を超えて、畏敬の念・・・
身体を大切にすることに繋げたいです。
だから、ちゃんと体のメカニズムを伝えたいと、いつも思います。


そこで、生まれた瞬間に働き始める「肺」・・・
肺は 心臓のように自ら収縮しないのです。
肺は自分で動けない・・・
だから、息を止めたり、大きく呼吸をするなどが可能です。

なにが肺をコントロールしているか!? 筋肉です。
心臓は自らが筋肉であります。
しかし、腕、脚、体幹の筋肉(骨格筋)のように意識して動かすことができない不随意筋。
心臓は 自分で動きを止めることはできません。
 できたら緊張も止めれるかも~ ドキドキドキ


肺は風船と同じように常にしぼもうとする性質があります。
胎児の間は ずっと、しぼんでいたのです。
膨らませるためには「仕事」が必要なのです。

その仕事をするのが、筋肉!
肺を包んでいる胸郭(あばら骨)の周りの筋肉です。
あばら骨の一番下は 腕を垂れ下げた肘の位置まであります。
胸の周りの筋肉だけでなく、お腹の筋肉も仕事を手伝います。


肺を包む胸郭(あばら骨)のぐるりの筋肉は 内外へ開閉、
お腹の筋肉は胸郭の下から上下にに動きます。
この筋肉たちが動くとき、胸郭が柔らかく弾力性のあるカゴのようなイメージです。
膨らむことも、しぼむことも、凸凹両方が柔軟に動くことが大切です。



息を吸う時、
肋骨の周囲の筋肉は外へ広がります。
肺の下の横隔膜は下降します。
*横隔膜は 膜だから、薄いのか?と思いきや、意外に分厚いです。 
横隔膜は みなさんが よくご存知の「はらみ」です。分厚くて美味しいでしょ?
立派な筋肉です。
息を吸うと、肺が風船のように膨らみ、肺の底にある横隔膜が下へ下がります。
お腹の内圧が高まるのでお腹が膨らみます。


息を吐く時、
肋骨の周囲の筋肉は内へ、肺は しぼみます。
横隔膜は上へと戻ります。

安静時の呼吸は お腹の凸凹は目立ちません。
小さな呼吸では お腹の筋肉の動きは少なく、肋骨に着く筋肉の仕事で呼吸で賄われます。
(胸式呼吸)
もともと肺は しぼむのが得意ですから、
安静時の呼吸では 肋骨は 内側へ戻り、下に少し下降した横隔膜は元の位置に戻り程度の動きです。
安静時は酸素と二酸化炭素の交換も少なくて良いので、小さなポンプ運動で賄えます。


少し運動が多くなると、体は 酸素を多く必要とします。
大きな声で話す、歌う。 小走りに急ぐ。 荷物を持って歩く・・・など。
そんなとき、呼吸筋が弱い人は「息が上がります」=「呼吸数が増えます」
ポンプが弱く小さいので、ポンプの回数を小刻みに増やさなければなりません。


呼吸筋が強い人は「息が上がりません」=「呼吸数は増えません」
ポンプが強く大きいので、呼吸数を増やさず、たくさんの量の酸素を二酸化炭素を交換する能力があるからです。(最大酸素摂取量が多い=心肺機能、全身持久力が強い)

ポンプが大きいという表現をしましたが、これがお腹の筋肉です。
肋骨周囲の筋肉よりも容量が大きいのです。
日常の小さな呼吸では わまり使われない腹横筋や外腹斜筋などのお腹の筋肉も動員されることで、ポンプが大きくなるのです。

腹巻のように位置する腹横筋や外腹斜筋は強い呼吸のときにしか、呼吸の手伝いをしません。
使わなければ弱くなります。
いざという時には呼吸のポンプは小さいままです。
かなり低体力な場合、お腹凸凹が不可能な方もいらっしゃいます。


腹横筋や外腹斜筋は 呼吸補助筋であると同時に・・・
(やっと来ました!!!!!)体幹を支える重要な筋肉なのです!
肋骨と骨盤を包むコルセットの仕事をします。


強い呼吸でも仕事をするので、
いやでもハァ~ハァ~するようなハードな運動をすれば、腹横筋や外腹斜筋のトレーニングになります。
よく走っているアスリートはウエストラインの筋肉は美しく引き締まり、頑丈な天然コルセットを持っています。
そこで、我々中高年・・・
息をはぁはぁさせるハードな呼吸運動をするのは脚腰に負担になります。
そこで、体にストレスなく、簡単にできて効果的な「お腹凸凹腹式呼吸」をオススメします。

元気な若者は ぜひ走れるうちに、しっかり走ってください。
呼吸器が顕著に発達するのは中学時代です。
中学生のお母さん、お子さんに ぜひランニングを!!


あ~長かった~~~~~


お腹凸凹運動のポイントは「吐く(お腹を凹ます)」をゆっくり長くしっかり行います。

ランニング時の呼吸リズムは 吐いて吐いて 吸う 吐いて吐いて 吸う
ラマーズ法も
 ヒーヒー(軽く吐いて吐いて) フー(しっかり吐く) すぅ  ヒーヒー フー すぅ
です。
私、出産のとき、試しにやってみました。
ヒーヒー(吸って吸って) フー(吐く) ヒーヒー(吸って吸って) フー(吐く)
見事に過呼吸になり、顔や手が真っ青になりました。
トレーナーなので大丈夫。即、自分で救急法を施しました。助産師さんに感心されました。

*口を手で覆い呼吸する救急法:紙袋で覆うことで「ペーパーバック法」とも言います。
この方法は現在推奨されていません。
パニック症候群などで過呼吸を起こす人は私のようなコントロールができないので、酸素が足りなくなる可能性もあるので。
救急法は ゆっくり腹式呼吸を行い、気持ちを落ち着かせる。


このお腹凸凹運動は過呼吸の予防や対処法としても効果的です。
過呼吸にならないように、吐くことゆっくり・・・
気をつけてくださいね。


きゃ~
またまた
続く・・・

 













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