元気のたね

ヘルスフィットネススペシャリストの浅田千鶴です  

背骨と肩

2009-02-18 22:37:05 | 身体
「僕ね~ びっくりするんだよねえ~ 写真を写してもらったら、すごく背中が曲がって、姿勢が悪いよね~!!」

75歳のHさん・・・ はじめは 右肩の疾患でスポーツ医学センターに来られました。
腕を上げようとすると、肩の高さで痛みが走り、常に手の先も痺れていました。

半年間は 肩のリハビリエクササイズを中心に、昨日書いた“アナトミー・トレイン”を考え、全身に渡り包括的なトレーニングを行いました。

半年を過ぎ、肩の痛みや手の痺れもなくなり、肩の可動域(屈曲)は 95度から160度に拡がり、日常動作に困る事もなくなりました。
全可動域の180度まで上がらないのは 背骨が 円背である事が原因。

Hさんは 身長が 178㎝御有りだったそうで、その年齢にしては とても大きく、性格的にとても腰が低いHさんは 頭が他の人より飛び出る事にコンプレックスがあり、いつも少し腰をかがめていたのだそうです。

「こんなことなら、ずっと胸を張っておけば良かった・・・」
と、後悔されています。
もし、Hさんの背骨が 正常に伸びていたなら、肩の痛みも起こらなかったかも・・・。

これも生活習慣病ですね・・・ 
間違った身体の使い方を繰り返せば、そのように身体が変化するのですね。
長年の時間をかけて築き上げた“わが城”=自分の身体には 歴史が刷り込まれています。


多くの患者さんには 立位姿勢の写真を撮っています。
「え~こんなに・・・!?」と、改めて驚かれる方も少なくありません。

でも、「いつもの姿勢でね~!!」
と言っても、写真をとるときは スッ~と背筋を伸ばす人が多いです。
わざわざお化粧直しをする人も・・・!?

Hさんも姿勢測定写真をとるときは いつもより、スイ~っと背筋が伸びました。
自尊心を傷つけてはいけないので、その時には だめ押ししません。
なんとか、意識をすれば背すじが伸びるのであれば、可能性があります。
その筋肉の持久力をつけ機能を高めていけばいいのです。
背筋を伸ばそうと思っても、骨が変形した構造的な変異では 誤魔化す事もできません。

立っていれば、なんとか誤魔化しが効きますが、動いてみれば、そうはいかず、本当の姿をあらわします。
4つんばいになっていただいて、背骨の運動をしていただき、横から写真を撮り、お見せすると・・・・
「え~~!? 僕は 精一杯腰を反っているのに、全然反れていないね~!?」

ちょっと意地悪なようですが、「まだ大丈夫・・・」と、甘口の情報が脳にインプットされると、残念ながら身体の機能は後退します。
今の姿を脳に正しくインプットし、「こうしなければ・・・」という新たな情報をアウトプットして常に意識を持つことだけでも、立派なトレーニングです。

そんなHさんも だんだんと姿勢が良くなってきました。
姿勢が良くなれば、もっと肩の動きも良くなるでしょう。
楽しみです。
 


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