創造

首は360度回らない
骨格と間接で
制限されている自由が人間だという証なら
それを逸脱して
人間以外になりたいなぁ
普通じゃ嫌だ
見えない人はきっと
私たちの知らないものをたくさん見てる
越えられない線をたくさん越えて
普通以外のところへ行きたい
私と遠く離れた誰かと
溶け合い
今までに無いものを創りあげたい

そうだ、私は女だ。創造できる力がある。

雨の日

雨に濡れたい
体中雨を染み込ませて
記憶を溶かす
忘れたい

忘れない
あの日も雨がふった
本当は傘がほしかった
私を拭ってほしかった

こども

汚いことばをはいて
意表をついて
笑って逃げた
そして泣いた

なんて優しい子なんだ　おまえは
びっくりさせたかっただけなんだろう
わかってほしいと思っていたのに
そして皆わかっていたのに
わからないふりをしてしまった
間違いを認めるのが恐かったから

汚いことばを飲み込み続けた
おとなのほうがほんとは汚い
泣いてもいいって教えてあげたかった
そしておとなは教わる
守るべきものばかり見てきてしまったことに

運命の人

運命の人をみつけるよりも
運命の人になるほうが手っ取り早い。

雲に乗って

くもにのると
まちが小さく見えた

わたしだけが
浮いていた

やさしさについて

昔わたしは
やさしさみたいなものを
ほしがった

やさしさは
透明なのに七色に輝いて
最後に割れて消えてしまう
シャボン玉だった

だからわれないやさしさ、みたいなものを
ほしかったんだと思う

解放

あなたは何から解放されたのか
わたしとむかいあうあなたと
世間とむかいあうあなたには
何の違いもないのに
あなたは何かに許されて生きているようだ

「人混み」が「人塵」へと変換してきた誰かの頭の中で
捨てられたものたち
悲しさまで
捨てられた

生きていてくれさえすれば
幸せだったと思った
納得できない空へ叫んだ
朝が来て有耶無耶になっていく空へ
過去さえ無ければ
あなたに出会わなければ

拾わなければ
捨てる事もなかったのだろう

わたしは何からも解放されないまま
あなたに許されることだけを願っている