湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

春の和歌

2018-03-10 21:16:04 | 日記
『春されば まづ さきくさの
幸(さき)あらば
後にも 逢はむな
恋ひそ吾妹(わぎも)』
柿本人麻呂


春がくれば、まず真っ先に咲く三枝のように、何よりもあなたが無事ならば、また会えるでしょう。そんなに恋焦がれて苦しまないでください、愛しい人よ。



そんな意味の万葉集の春の歌があるそうです。



遠い昔々は
和歌(恋文)を交わし合うことが
自分の気持ちであれ
相手の聡明さであれ
はかることができた唯一のもの



とある中国の奥地では
山の頂から
次の頂へと
歌を歌で返し
互いの気持ちを確かめ合うと言う


今は
待つことが大切に扱われない時代


便利なようで
人の奥底の気持ちなんて
瞬時にわかる時ばかりではないのに。


少し時を追ってわかること
人の優しさや愛情は
言葉の裏に隠されていることもあるから。


人の幸せを願う気持ちも
じんわりと沁みてくることだってあるでしょう


せめて
過ぎ去ろうとする言葉を大切にしたいねって
誰とかじゃなく
自分自身にも
刻んでおきたいこと。



この和歌で出てくる三枝(みつまたの木)は
和紙の原料になるらしいのですが
私なりに、早春を告げる花木は、
『ユキヤナギ』
今年は咲くのが遅いなぁ。











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