湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

電話の余韻

2018-05-23 23:19:04 | 日記
『電話機』って
古臭い言い方になるのでしょうね


家の電話は『固定電話』
持ち歩く電話は『携帯電話』

ガラケーやスマホの違いはあれど
『携帯してー』
『スマホしてー』
『LINEしてー』

けれど、やっぱり『電話してー』は
ほとんどの場合、携帯になるのでしょうね


家からの電話同士のエピソードは
誰でも数知れずあることでしょう
家の誰が出るかわからないドキドキ感

心して、息をのんで、事に当たらねばと。

今は個人へと
互いの名前が分かりすぎるから
構えることもなければ
スルーしてしまうことも
拒否することも出来てしまう


最初の否応なしの段階は
好きな選択で
突破できてしまうが

さて、話をした後のこと


固定電話からだけだった時代

電話は、かけた方が先に切る
かけられた方が相手の切った音を確かめてから、こちらも切る

また、その逆も時にはあるだろう

しかし、どちかかが先にきる

心を残したい者が後できる

切ったあとには切ない無機質な音

時には
どちらかが先に切るとか
喧嘩さえ甘いやり取りとなる


その音の余韻は
また、自分の心に響いて
嬉しさや悲しさ
納得や後悔を生んだり
受話器を大切に置くまでがお話


それはそれで美しいとさえ思う



携帯同士になってから
私はとても戸惑ってしまう

切ったあとには何もない

小さなな音は儚く
その余韻は残らない
次の場面へと進んでいくだけ

相手の気持ちは?
自分の心は?

問いかけることもなく
心まで無音になっていくようで

だから
さっきまでの話
覚えていてね
忘れないでね


こころに留めていてくれますように


些細な
おなざりのような
せめてもの小さな最後の音が
締めくくりまでのエピローグ


そして‥

また、今度ねって
心の中で呟く


相手の元気そうな声を
自分の幸せなこととして‥
胸に余韻を刻む






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