湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

冷たい雨②

2017-10-14 23:16:38 | ポエム
雨の日に
迎えに来てくれる人がいた


遠い遠い昔のこと


窓に冷たい雨が叩く日は
ときどき
思い出してしまう


ステンドグラスが
作り付けの窓にはめられていて
雨が降るにつれて
涙を流すみたいにつたってゆく


肩越しにみた風景


雨が強くなっていくと
私の鼓動も
あの人の呼吸と合わさりながら
次第に強く強く乱れていく


雨の日は
魔法がかった媚薬のよう


雨音と
途切れた吐息が
もつれ合いながら
いつもあの部屋にあった


嬉しい時も
悲しい時も
別れの時も


あの人の胸で泣いた気がする



いつしか
心は冷たくなって
ステンドグラスに手を当てて
自分の心の冷たさと比べてた



サヨナラ言ったのは私


それから
雨の日は1人になった


冷たさと引き換えに
痛い思いを心の奥にしまい込んだ



遠くの街にきてから
あの人がやっと幸せになったと聞いた


心の底から
良かったと思った



自分の愛した人はみな
幸せであって欲しいと願う


なんの理由なんてない


だって
私が愛した人達だから





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