湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

京都の旅の最後(東京駅難民になる)

2019-09-12 22:30:00 | 旅行
京都の旅、最後の日
ご機嫌な朝食をとり
トランクに荷物を詰め込んだ
お土産もシッカリと持った

さぁ、いざ行かん

目指すは、京都駅八条口のコインロッカー

あと一箇所
新幹線に乗る前に
行っておきたい場所があったので。

次に目指すは『東寺』
弘法大師ゆかりの地

真言宗としては見逃せない場所。

ここも、いつも行こう行こうと思いつつ
決して来れなかった場所









今回の旅は
今まで行けなかったところをめぐるような旅で
本来、京都に来た目的は
娘の婚約者さんの親御さんに会いにきたというのに
ついでとはいうにはあまりにも豪華版

東寺は、
お大師さんが描きたかった立体曼荼羅がある

色んな仏像が意味を持ち
そこにおわします

のちに、ここから
即身成仏となるために高野山に渡った書かれていました。

呑気にこうして京都の最後を
最後まで満喫。


関東に上陸した台風
大雨と大風に思いを馳せることなく
昼前には
新幹線に乗り込んだ


新幹線が動いてるから大丈夫!
何故か妙な自信めいたもの


新幹線の中でお弁当を食べていると
家のご近所さんから連絡が入ってきた

『かえってきても停電してるから
そのつもりで。
それから、瓦が何枚か壊れているよ』

そうなんだーと。
半ば他人事のようにメッセージを受け取って
新幹線が動いてるんだから
普通に自宅に帰れる!
帰ったら、どんな具合かをみてみよう、、、と。


私の乗った新幹線は、
東京駅に10分遅れで着いた


駅構内の
あたりを見渡すと
物凄い行列の場所と
途方にくれた顔のような人だらけ
みんな疲れた顔をしていた、なぜ?


私達さっさとこれから電車に乗ろう!

電光掲示板を見た

運転見合わせ、、、

この文字を何個見ただろう。


疲れた足を引きずって
元来た改札を見るも同じこと

もしかして
もしかして

私たちは、東京から出られない?
家に帰れない人になってる?


東海道本線、新幹線のほかは、
山の手線がかすかに動いてるだけで
高速道路も不通
家のもよりのインターチェンジなぞは、行き着くのは不可能だと言われているのと同じ。


高速バスもダメ
快速もダメ


せめて、成田空港までいければなんとか帰れそうだから
検索するも、その時は
成田空港内は、陸の孤島化していた。

叫び声が聞こえそうなほど
ニュースが飛び込んでくる!


東京駅と成田間が寸断されたんだ!


認識するのに、どのくらい時間がかかったんだろう、まさか。
その線だけは、何があっても
揺るぎないだろうと思っていた私


佇んで、トランクを脇に
しゃがみこんでしまっていた。

次第に息がしずらくなる
パニック症候群の前の予兆
冷や汗と、動悸

マズイぞ!

そう思った途端、大きな声が飛ぶ

『ここ通ります、空けてください。
緊急搬送です、空けてください』

担架に乗せられた、どこかの婦人が運ばれていく。

怖い、、、。

このまま、ここに居る訳には行かない。

東京駅の近くのホテルを
押さえることは可能か?
動いている電車はあるか?

自然とスマホで行き先を入れた

各電車会社の『運転見合わせ』の文字。

しかし、数時間前のまま
新しい情報ではない

ツイッターの誰かの言葉が突き刺さる

常磐線がノロノロと動いているのは何故だ?被害はなかったのか?

誰かのつぶやきをみた

2分前になっていた

立ち上がり、トランクを持ち
『常磐線、常磐線はどこだ?』

常磐線の特急があと少しで出発らしい。
全て指定席となっているせいか、
人はまばらだ

ツイッターでは
どこかの電車では、電車に殺到する人達で、気分を悪くなった人が出たとも、書いてあった

これなら余裕で、
車を置いてある駅までいける!
思わず飛び乗ったら
すぐに発車した

アナウンスでは
指定席、特急券が必要ですと、繰り返す。
私達は、無賃乗車してるの?

相方は、堂々としたものだ。
お金なんていうのは
後からなんとでもなる
新幹線を降りた時、改札は再び新幹線のチケットを吐き出したので
改札を通ることなく乗り込んだ特急

生きたここちがしなかった。

行き先の途中でまた、止まる。
倒木があるとのこと。
しばらく待たされたあと

『柏駅まで行かれる方は、となりに各駅停車が入ってます。
そちらへ乗ってください。
ただし、特急券は払い戻しはいたしません』

誰も動かない。

しかし、私達は手を上げ、その特急から降りて、柏駅行きの各駅停車の電車に乗った。

柏駅までは、そのままスムーズに行ったが、また、倒木のため止まった。
柏駅で降りた。
清算するため、スイカと新幹線のチケットを駅員に渡した。
計算されたのは各駅停車の電車分ほど。

あ、助かったー。
ホッとして、バスを探したが
もうバスは無かった。


タクシー乗り場までは、
また、反対側の出口

重いトランクを抱え
階段を上ったり降りたり。

かといって、タクシーがいるとは限らないし、沢山のお客さんがならんでいるかもしれなかったが、
もう、そうするより術はないように思えた。

タクシー乗り場では、お客さんが3人。
車が一台のみ

待っていてもどうなるか、、、。
けど、全く来ないわけではないだろう。
10分ごとに一台ぐらいのタクシーが入ってくる。
缶コーヒーを飲みながら待った

あたりは、夕方へ。
夕暮れになっても、生ぬるい風
ビルとビルの谷間

汗だくの時間

やっとタクシーに乗れた

事情を説明し、車を置いた駅の名を告げた

二本の国道を使えるが
どこも、渋滞のため、数時間かかるという
利根川の河原を走り、昔の街道をいけば、もしかしたら、渋滞にはまきこまれないかもしれないとドライバーが言った。

もう、こうなれば賭けだ

『お願いします』

そう言ったあと、走り出した。

1時間半。
タクシーは、走った

目的地である駅に着いたときはあたりが真っ暗で信号も付いてない状況だった

自分の車を駐車スペースから出して
自宅へ向かう

途中で明るい道に出て
営業している飲食店を見つけ
とにかく食べて、
また走らした

自宅に着くと
自宅の駐車場のコンクリート部分は
枯葉、落ち葉、木っ端が一面に
敷き詰めた状態で
コンクリートが見えない

ミシミシとした足元
スマホの懐中電灯を照らしながら
家の中に入ってからすぐ
震災を経た後に、災害用に作った階段下の木箱の中から
ランタンとろうそく、電池を取り出した










震災の教訓が役に立つなんて。

まさか、台風の後とは思いもよらなかったけど。

見える範囲で目視して
連絡しなきゃいけないところに連絡したあとは、疲れて眠ることにした

朝が開けて
被害の確認。














既に停電から1日が経っていた

停電が解消されたのは
次の日のお昼過ぎ

冷蔵庫には旅に出るために 
ほとんど空っぽにしていた

何が幸いするか分からないものだ


うちは、まだ、これでも感謝です。
この暑さ、停電されているお宅が沢山いらっしゃる

今回の台風は、
私自身、出会ってない。
みんな口々に言った
『こんな怖い思いは初めてだった』

ご近所は、うちと同じか、すこし軽い程度の被害

旅は、家に帰った時に完結するという。

待っていたのは、停電と、ちょっとした被害


けれど、うちより酷い地域、
方々に、お見舞い申し上げます。
1日でも早いライフラインの復旧を
お祈りしておりますm(__)m










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