湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

ミシンの糸

2019-08-02 11:30:00 | ポエム
ミシンには
上糸と下糸

今のミシンって
どうなってるの?

ひと昔は
下糸は、ボビンケースに入っていて
上糸と同じ強さで糸が
布を挟んで絡まって
結び合って
縫っていく


上糸は見えてるの
だって、すぐ目の前にあるんだもの

下糸は
ミシン針の下のプレートの中だから
見えないままで
いつもそこにあると思いながら
布を走らせていくのね


時折それが
縫ったはずの布が
最後まで来て『完成だー』って
ミシン針からはがすとき
一本の上糸だけが
残念そうに伸びていく


せーのーせって
上糸と下糸が
息を合わせて
織り成していくから
一つのものが出来上がるのに
下糸がついてこれない


見えてるとこの糸だけが
一生懸命で
中身の糸は
もう無くなってちゃったり
切れてしまっていたりするの


どちらかが強くても
どちらかが弱くても


どちらが足りなくても
どちらが頑なでも


布は
重なり合いはしない


人の営みに似てる?


タイミングよく
手を繋ぎたい
心を繋ぎたい


けれど
時折その
タイミングがちがってくる


違ってきてることに
気づいてあげられなくて


自分だけで走っているように

いつもいつも
自分の思うような
ペースでは走れないよね


互いの足を気にしたり
疲れてないか
顔や手を見たりしなきゃいけないんだもの


だから‥


少しゆっくり‥
少し休もうか‥


ボビンケースの中の
下糸に
また糸が
巻ける時が来るまでね















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8月1日新月の空②

2019-08-01 10:34:00 | ポエム
今日も
暑くなりそうだわと
真っ青な空を見上げた


珍しく
トンビが輪っかを描いてた


上手に
風をその翼に蓄えて
羽を広げたまま
ひとふりとて
羽ばたくこともなく


まるで
風の谷のナウシカのメーヴェのようだね
あれは、
ドイツ語で『カモメ』らしいけど


トンビさん!
あなたは
ただ風をとらえるの?

ただ本能のままに飛んでるの?



あまりにも
気持ち良さそうに
穏やかに飛んでるものだから

顔は見れないけれど
その姿は
私に元気をくれる


その
存在がいると言うだけで

こうして
見ていると言うだけで


価値って
それぞれの人が決めるもの


私は
私の価値で
この空のトンビを見上げてる


ふっーっと
自分の胸に手を当てた


小さな幸せを
この胸に育てていくこと


これからも、、、、、。






今日も暑い日

気をつけて、、、、。





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8月1日新月の空

2019-08-01 05:00:00 | ポエム
8月は祈りの月日

新月は祈りの月の形

天の川は
星と
雲で
出来ている願いの川


愛しい人者たちへ


まるで
コバルトブルーの海を
みているようだよ


舟を導いてく海路が出来ている



風には波立たない

穏やかな川は

真っ直ぐに

真っ直ぐに

上へ上へと登りゆく





8月1日am1:00









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家の明かりの心模様

2019-07-18 22:06:00 | ポエム
家は昔かたぎの大工さんが建てた
玄関から入ると
まっすぐに
玄関の同じ間淵で広がるホール
 
大工さんは言った
田舎の家は、このホールの広さが大事なのだと
 
たしかに
広がりのある空間
 
しかし
私には
もうひと部屋作れそうなほど
 
ここを遊ばせておくのはもったいないと思った
 
ついこの間まで
東日本大震災のあとの
水や保存する食料や
あれやこれやの備蓄のものを
すのこで作った木のラックに入れて
L字型になったホールから
廊下に続く場所に置いていた
 
それでもまだ
案外重宝な広さなもので
多少の荷物や
ゴルフバックが占領する時もあったり
両親がいたときには
奥の部屋から居間に続く道として
手すりをつけて歩いていた
 
 
子供が小さな頃は
小さな車に乗せてここをぐるぐるしたり
追いかけっこしてみたり
臨時のボーリング屋さんに
なったりしたものだ
 
だんだんと静けさを取り戻したここは
時折私が
ペタっと座り込んでは
夏なぞは家の中で
一番風通しが良いことに
そこから外の緑を見たりしていた
 
 
ものが
だんだんと少なくなり
 
人もだんだん少なくなり
 
 
二階へ続く階段の下のものは
各押し入れに入れられて
その震災用の備蓄のものは
階段下へと移動となっていった
 
 
ガランとしたホールが
家を建てた当初には
大好きな叔母からもらった
布でできたストックの花を
常滑焼の花瓶に入れて
そこに置いただけで
とても満たされていたっけ
 
 
しかし
それも年月とともに移り変わっていく
 
 
習い始めた花を飾ったこともある
 
 
だけれど
昔から
一番置きたかったものは
陶器でできたランプシェードだった
 
 
古い旅館などの
エントランスや
廊下にそっと置かれていたりして
なぜか気持ちを落ち着かせる明かり
 
 
今日
探していたものが
人のツテで手に入ったんだ
 
笠間焼だけれど
少し斬新なデザインのランプシェード
 
 
蛍光灯の明かりじゃなく
丸電球の暖かさは
柔らかく優しい
 
 
何もかも
身軽になる方がいいと
断捨離もすすめてきて
まだまだやらなきゃいけないことが
たくさんあるにはあるけど
 
 
今は
この明かりを見ていたい
 
 
そうね
板の間に
体育座りでもして
何を考えようか
 
 
懐かしいこと
手のぬくもりのこと
心にこの明かりが映って
しみていくように
自分まで優しくなっていきそうよ
 
 
今夜は誰かに寄り添って
優しく肩を抱かれている夢を
見られるような気がしてくるから不思議
 
 
柔らかな
優しみのある明かり
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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エピソードの糸たち

2019-07-12 20:57:00 | ポエム
ふるえてるの
 
声が震えて動きだす
 
 
 
混ざっていくのよ
 
声が飛び交い絡み合う
 
しっかり覚えてるよ、声
 
 
 
 
今日は何を話そうかなんて
 
頭のすみにさえないゎ
 
 
 
その震える音に
 
沿って声を合わせていくだけだもの
 
 
 
 
その震える音の瞬きが
 
体中に浸透していくみたい
 
 
 
 
どこかで発芽していくように
 
 
 
音のするほうから
 
糸が降りてくる
 
 
 
四方八方に伸びていく
 
 
ほどけて繋いで探し回って
 
たどり着くもの
 
並んで絡んで強くなるもの
 
 
 
底のほうのものを確かめている
 
 
 
いろんな音の糸から
 
初めて聞いたその声に
 
たどり着いたときから
 
また始まっていくのよ
 
 
 
思い出や
 
 
写真や
 
 
エピソードたち
 
 
 
 
 
 

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