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【憲法】スッキリ9条(第一話)今さら・・されど・・そうだったのか!

2017-08-07 23:43:54 | そうだったのか憲法9条

(前提)成立過程はさておき、70年前日本国憲法を国民のものとしたということは、私達一人ひとりが70年前書いたということと同じです。だから、9条は「自分が書いた文言であり、自己矛盾(言ったあとで自分が困ること)があってはおかしいことである」と考えながら読まなければならないと思います。

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5月3日、安倍さんが憲法9条の改正について発言して以降、改憲論議が高まってきた。

そこで、改めて9条をじっくり読んでみた。

というのは、実は今まで、9条には「何と」書いているのかを正確に他人に説明することが出来なかったからである。 

この度、一応纏まったので、私の思考過程を織り交ぜながら、ご披露させていただこうと投稿することにしました。

尚、私の国語的解釈で可笑しい点がありましたら、国語学者からのご指摘、ご批判をいただければ幸いです。

但し、憲法学者の解釈論争はお断りします。

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憲法9条スッキリ(第一話)

では、「ざあーと読み」してみましょう。

  「憲法9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、 国際紛争を解決する手段として永久にこれを放棄する。

   第二項 前項の目的を達するため、陸海空その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」 

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難解な文章ですねえ。

一項では、「てにをは」がちんぷんかんぷん。2項では、メモ的なので、本意がつかめない。

でも我慢して、頭を空にして、先ず、3つの「は、」の解明から。繰り返し丁寧に読んでみましょう。

 

 「憲法9条 第一項 日本国民は、・・・(主語)として

正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、・・(願望・枕詞)

 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、・・・(課題提起)については、

 国際紛争を解決する手段として・・・・(場合・条件)、の場合には、の条件では、

永久にこれを放棄する。・・・・(述語・結論)

・・・・・ということが分かりました。

 

では、初めに、「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、」・・これは希望願望であり、枕詞のようなものですので、省略します。

  先ず、主語・述語をはっきりさせましょう。「日本国民は、永久に「これ」を放棄する。」です。

「放棄する」の目的語は「これ」ですから、これを確認してまいります。

 

「これ」とは、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」を指すので、「戦争」という言葉にまとめますと、「日本国民は、永久に「戦争」を放棄する。」となります。

ここまでは、日本国民の常識ですよね。

 

  ところが、「国際紛争を解決する手段としては、」がまだ残っています。

(「国際紛争を解決する手段」って何? 「としては」って、微妙ですよねえ・・・・)

 

「としては」から見ていきましょう。 辞書に、「としては」=「の場合には」「の条件では」とありますから、一項を通してみますと、「日本国民は、(「戦争」という課題については、)国際紛争を解決する手段の場合には、永久に「戦争」を放棄する。」となります。日本語としてなんだかヘンですが、主旨はわかるようになりました。

 

つまり「国際紛争を解決する手段の場合の戦争は放棄する。」という条件付き戦争放棄であった、ということでした。

 さて、最後に「国際紛争を解決する手段」とは、どういうものかと疑問が残ります。

 幸い、それが何か?ということを知る手掛りが、GHQ憲法草案作成過程にありました。

 

このフレーズは、9条作成時の出典となったマッカーサーノートの中にありました。

 その二項には、「日本は、国際紛争を解決する手段としての戦争、さらに自国を守る手段としての戦争をも放棄する。」と書かれています。

「自国を守る手段としての戦争」は明らかに自衛戦争のことですから、もう一方の「国際紛争を解決する手段としての戦争」は、侵略戦争のことである、と判断できます。

(余談になりますが、某日、「国際紛争」はすべてをさすので すべての戦争放棄だ、と主張する人がいました。そこで私は、それなら「全ての戦争の場合以外の戦争を挙げてみてください」と言いましたら、その人はだまってしまいました。つまり、彼は文字のつまみ食いをし、「としては」の文言を無視するという自分ご都合の解釈をしているのでした。)

 

 従って、最終的に1項は、「日本国民は、侵略の場合の戦争は、永久に放棄する」という「方針」を書いた条文である、というがわかりました。(この段階では、軍隊の有無は、関係ありませんよね。)

 

 第二項 

 そこで次に、軍隊(戦力)についての措置(具体策)が述べられる、というわけです。

 では、ゆっくり読んでみましょう。

「前項の目的を達するため、陸海空その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」

 (この項も なんだか変ですねえ。第一項に比べて随分メモ的です。他人が読めば、誤解されやすくはありませんか? でも、まあ、)慎重に文言を追ってみましょう。

 

「前項の目的を達するため、」・・・・(前項の)とありますので、2項と1項は一つの文章となりました)

陸海空その他の戦力は、これを保持しない。・・・・(具体策)

国の交戦権は、これを認めない。・・・・(前項の目的を達するため、に続くフレーズ、メモの読み方後述します)

 

 では、「前項の目的を達するため」について

「前項の目的」とは「第一項の方針」=「侵略の場合の戦争を放棄すること」ですので、これを当てはめますと「侵略の場合の戦争を放棄することを達成するため」となります。ここで注意しなければならないことは「条件付き目的」であるということを忘れてはならないことです。侵略の場合以外は目的にはならないのですから。

(「侵略(・)戦争を放棄することを達成するため」としたら、絶対目的になり、主旨が異なってしまいます。)(・)は、「の場合の」の文字が欠落(消えている)しています、という意味です。

 

 次に、「陸海空その他の戦力」を「戦力」という言葉にまとめますと、第二項は「侵略の場合の戦争を放棄することを達成するため、戦力を持たない」となり、「戦力」は「そのための」つまり「侵略の場合の戦争のための」戦力であるとなります。

ところが、「すべての戦力」だ、と主張する人がいます。よく聞いてみると、「侵略(・)戦争を放棄する」のが目的だから、というのです。それでは絶対目的になってしまいますので、当然「すべて・一切の」とならざるをえないでしょう。「条件付き」という事を忘れている(消している?)結果だと思います。注意が必要です。

また、第二項は、第一項の「方針」を受けた「具体策」を述べたものであり、一連の文章としてみなければならない、のに「1項は・・、2項は・・」と切り離す論法では、「前項の」を無視しがちになるので、注意が必要です。

(ところで、「2項は1項に制限を架けている」という憲法学者がいますが可笑しなことです。

1項で、侵略の場合の戦争を否定しておきながら、2項で自衛の場合の戦争をも否定するとするなら、すべての戦争を否定するわけだから、1項に戻って一切の戦争を放棄する、とスッキリ書き直さなければおかしいだろう。

学識のある国会議員や、憲法学者なら、少なくとも作成過程においてこのくらいはわかるであろう。なのに今書かれているままという事は、それでよいということであり、「2項は1項に制限を架けている」というのは錯誤・捻じ曲げというほかない。また、 また、「1項と2項は矛盾している」という人もいるが、なんのことはない、自分が誤読しているだけのことなのである。)

 

以上より、9条は「日本国民は、侵略の場合の戦争を放棄し、(そのための)戦力を持ちませんし、(そのための)交戦権も認めません」という明快な条文となりました。

これでスッキリ(ケーディス にっこり、芦田議員も にっこり、みーんなニッコリ)

◎次回は、解釈学説の出鱈目さを暴露します。


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