ん~・・難しいなぁ
ポビーとディンガン
ひたすらポビー&ディンガンを追いつづける娘を中心に据えて描ききってくれれば、ファンタジーとしてほのぼのとした気持ちで観ることが出来たかもしれないし、私自身もポビー&ディンガンの存在を信じたい気持ちになれたかも知れない
でも、一攫千金を夢見て採掘を続けてもなかなかオパールを掘り当てることが出来ない父親が直面する厳しい現実や、そんな彼に惹かれたものの、今となってはその暮らしにうんざりしている母親の苦悩をこれでもかというほどに見せられると、妹は"妄想癖のある可愛そうな子"としか見えなくなってしまった
確かにそんな妹のためにがんばる兄の姿はけなげで心を打たれるし、彼自身が採掘場でオパールとロリポップの包み紙を見つけるシーンには神秘的なものすら感じたけれど、それも一時だけで、その見つけたオパールで葬式代を支払ってしまったり、そのオパールを葬儀屋が返してくれた後で自分のポケットに入れてしまうあたりで、また一気に現実に引き戻されてしまった
慣れない土地で心の支えになっていた妄想の世界の友人を失ってしまった妹はこれからどうなるんだろう
町の人たちは葬儀に来てくれたけれど、結局兄も両親も、もちろん町の人々も、本当に妹の信じる世界(="ポビー&ディンガン")を理解できたわけではない
またそれも厳しい現実であるに違いなくて、鑑賞後は今後の妹とこの家族が心配で仕方なかった
でも、映画全体の雰囲気は嫌いじゃないしオパールの映像(オープニングや研磨する過程を映し出したシーン)はとても綺麗で、今まで"オパールってなんだかちょっと地味"と思って箱にしまったままになっていたネックレスを着けてみたくなった
(2006/12/30 DVD)362_174