「動くヘッドライト」は最近のトレンドである。
シトロエンでは古くはDS、SM、最近C5で復活したが、BMW5、ポルシェカイエン、AUDIA8/A6、トヨタクラウン、日産ティーダにも「アダプティブヘッドライト」が採用された。HIDがブームになったように、この一般受けするメカニズムは今後大衆車クラスにも急速に普及するだろう。
しかし、過去にも存在したこのアイデアがなぜ今になって脚光を浴びているのか。それに同じアダプティブヘッドライトでも、当然高価なBMWやAUDIのものとティーダのそれとは機能に差がある(はず)だ。ちょっと興味を持ったので調べてみた。(ちなみにシトロエンだけは「ディレクショナルヘッドライト」と称しており、独自の機能を持たせている可能性もある。)
アダプティブヘッドライトの安全性研究
(検索結果画面中段のpdfファイルを参照下さい)
表紙だけで中身は読めないが、総論としてはこうした研究によって安全性への寄与が検証され、同時に安全性能が販売を左右する時代にあって、新たな付加価値として見直されているということか。
また技術的な進歩で様々なネガが消され、十分に一般的使用に耐えるものになったようだ。かつてのように単にハンドル角にアナログ的に連動するのではなく、照射角度、作動時間などを車載コンピュータが把握し統合制御するシステムが高級車を中心に実用化されている。ちなみに主要モデルでのスペックはこんな感じ。
クラウン 速度30km以上で作動。3秒後の到達点を予測、
ロービーム下の専用ランプで照射範囲を制御。
※詳しくはHPを参照。
AFS=Adaptive Front Lighting System
BMW 操舵角、ヨーレート、速度などを処理、15%の
範囲でハイ、ローの角度調整。
※詳しくはBMWのこの解説を参照。
比較映像もあり大変分かりやすい。
AUDI 基本的にBMWと同様と思われるが、詳細は不明。
※HPが演出過剰で詳しい情報がない。A8、
NewA6に搭載。
ティーダ 光軸固定の専用ランプが作動し照射範囲を一時的
に拡大。
昔マツダ・ルーチェで採用されていた
「コーナリングランプ」に類似したものか。
※解説はHPを参照。
こうしてみると「動くヘッドライト」といってもメーカー、車種によって機能がかなり異なる。おそらく最も本格的なのがBMWに採用されているタイプで、ハイ、ロービームともにモジュール自体が最大15%の範囲で可動する。あるオーナ-のインプレッションでは「気持ち悪いほどに動く」らしい。AUDI、今度のC5、C6もおそらくこれと同等のシステムが搭載される。ちなみにクラウンのシステムは、専用の追加ランプが可動(多分)し、照射範囲を適宜追加することで照射軸を拡大する。つまりワインディングで対向車を幻惑しにくいというメリットはない。
心配なのは信頼性だが、BMWなどで故障が多いという報告はまだ見たことがない。さすがに一定のレベルは確保されているらしい。ただ、C5のV6ユーザーで夜間ワインディングを「駆け抜ける」ような人は一体どのぐらいいるだろう?
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C5の話題から少し脱線するが先に日本でも報道されたボトムレンジ=C1の写真である。
このサイト、少し重いがそのかわり写真が充実している。日本では見られないような車種のカットがあり貴重。このC1もトヨタ、プジョーとの共同開発、かつシトロエンの最小レンジということでもう少し話題になってもよかったと思うが、ATの発売予定が当面ないこともあってか、車雑誌でもそれほど記事化されなかった。女性と若者向けの車で、コックピット周りなどを見るとデザインの差別化にはそれなりに力が入っているようである。ただリアデザインなどはすこし日本車を彷佛とさせる。そういえばC6のコックピット周りの写真が某掲示板で紹介されていたが、2代目ソアラのデジタルメーターに酷似しており、この人(現在のチーフデザイナー、Jean Pierre Ploue氏)割と「昔の日本車風デザイン」が嫌いではないようだ。

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シトロエンの車体色には、他ではなかなか見られない魅力的な色が設定されることがある。
旧C5の購入に踏み切った時、スタイルにはまだ納得していなかったのだが、限定車の革内装とベールギャランという色を見て「これならまあ、いいか」と。
新C5を注文したときも、どんな色にするかに一番悩んだ。やはりそこは希少車の悲しさ、実物をなかなか見られない。ネットや雑誌で血眼になって写真を捜して想像を膨らませるしかない。
・・微力ながら、これから新C5を買おうとする奇特な(?)方々のために、ボディーカラーを確認するのに役立つサイトをいくつか、ご紹介します。
オーストラリアの販売情報サイト
エンジンはHdi、内装は明るいベージュ系、
バンパーモールは黒。シトロエンは人気があるようだ。
イギリスの販売店サイト
赤,緑、水色などが見られる
屋外での灰色のブレーク
屋外での赤セダン
屋外での銀ブレーク
漁港での水色セダン
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今月号のLE VOLANT誌にて、2000年からシトロエンのチーフデザイナーを務めているJean Pierre Ploue氏へのインタビューが掲載されている。繊細な感性と誠実さを感じさせる、魅力的な人物である。ルノー、VW、欧州フォードを経て現在シトロエン各車のデザイン、コンセプト、品質管理に腕を揮っている。
C5のデザイン再構築の妙、新しいC4の出来も、こういう人の仕事なら、と納得した。いくつか重要と思われる部分を要約する。
・00年に現職へ就任(99年リナージュ発表後の入社)
・すでにC5は発表、C3完成間近、C2は開発中、
C4はゼロから全てを手掛けた仕事となった。
・C4,C5のフロントマスクのダブルシェブロンは
C6リナージュにヒントを得てこの人が完成。
・各レンジの不統一は偶然ではなく、ポリシー。
つまりフロントマスクに強いキャラクターを統一して
存在させるより、一つの価値観による製品の多様性による
アプローチをとる立場にある。
シトロエンに対して深い理解と愛情を持っていることがその言葉から伺える。その経歴から品質面、顧客志向といった部分でも現在のシトロエンに多大なる貢献をし得る人物であり、まさに現代シトロエンの救世主となることが期待される。
思うに、00年就任当初は大変な苦労があっただろう。当時はピカソがバカ売れしている最中だったのだから。旧C5の失敗が経営陣を目覚めさせ、この才能あるデザイナーにさらに大きなチャンスを与え、発言力を高めることになった可能性は否定できないと思う。
彼の言葉「滑らかに、静寂のうちに動く生きたオブジェ」あるいは「静寂さ、流麗さ、心地よさ」あるいは「これらが混ざったもの。」(シトロエン・デザインを表現して)
数年後のC5はどのようなコンセプト、スタイルでデビューするのだろう。今その仕事の真っ最中であるはずだ。
※画像はmotorlegend誌インタビューより。
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ちなみに同じコースを同ペースで走行中の、AUDI A4。
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私のシトロエン車歴は、初期型Xantia SX →後期型Xm →00年式Xantia SX →C5 2L。こうしてみると節操なく乗り換えているようだ。最初のXantiaで車に対する見方が変わってしまい、2台目のXmに6年乗るに至って完全にハイドロ以外の足周りは考えられなくなってしまった。
どうしてこうなったのか。その理由の一つは「ハイドロの魅力と不完全性」にあるのだと思う。最初の完全なハイドロ車であるDSにまで遡れば、半世紀に渡る改良を経たサスペンション機構である。なのに、乗っていたどの車も、それぞれに魅力を感じつつも、「もっと良くなる、次はどうなるんだ」という気持ちを強く抱かせた。つまり「もっと進化したハイドロ」にずっと乗ってみたくなる。「その先」を見届けたくなるのだ。
しかし私も一般サラリーマンなので、共働きだった時代が終わり子供が1人、2人と生まれるに至って、そうそう車にばかり血道を上げるわけにもいかない。
実は過去、本当に欲しくてたまらなかったが結局諦めたシトロエンが1台だけあった。おそらくその存在はあまり知られていないだろう。歴代のシトロエンの中で最も先進的なロール制御機構を備え、実験的サスペンションを装備した特別なXantia、"Xantia Activa"である。
この車は非常に徹底したロール制御のシステムを持っており、そのためだけに電子制御で断続がコントロールされるスフィアを2つ持っている。XantiaのHydractive2ではスフィアはメインの他に4輪に各一つ、アディショナルが前後に一つずつ、車高維持のために別に一つついているが、Xantia Activaはさらに2つ、全部で10個ものスフィアを搭載する代物である。
ロール制御の仕組みは比較的シンプルで、フロントとリアに極太のスタビライザーを装備し、シャシーとの間に油圧シリンダーとそれにバルブを介してそれぞれ1つずつスフィアを備えている。ボディのローリングが予測されると、バルブが切断されシャシーとスタビライザーが剛結された状態になる。実際、ほとんどロールが発生しないサスペンションで、異次元の操縦感覚を持っていたらしい。それでいて、ロール制御から解放された分、ソフトモードの設定を従来より柔らかくすることができたので、直線路の通常走行ではHydractive2よりもさらにゆったりとしたフラットな乗り心地を得ていた。話だけ聞くと、まさに理想のサスペンションである。
このXantia Activaについては、本国ではXantiaのスポーツモデルという位置付けで発売されたが、上述のごとくその内容は別物であった。1988年にパリショーで発表した"Activa"というサスペンションシステム実験用のコンセプトモデルがあり、そこで完成したシステムをXantiaに搭載したということだったと思う。
現行のC5は見かけや雰囲気はともかく、ハイドラクティブの能力向上に関しては開発に力の入った車で、全面的に電子制御を取り入れ反応速度の圧倒的な改善と(これによって走行中のリアルタイムの車高制御などが可能になった)モジュール化により信頼性も高めた「新世代」と言える内容を持つ。
しかし今から振り返ると「過渡期の試作品」であったかもしれないが、"Activa"にはシトロエンの熱い思いが込められており、当時のライバル車である3シリーズ、AUDI A4などのライバルとはその独自のサスペンションシステムによってまさに「1線を画していた」。一部の情報によると新しいC6には、この"Activa"で培われたノウハウが受け継がれているとのこと。もしそれが本当だとすると、このクラスのVIP車として再びライバルと「1線を画す」操縦性を持っている可能性があり、内装/外装のテイストが保守的になってしまったことを差し引いてもこれは本当に楽しみである。(当時のライバルとの比較記事はブックマークを参照)

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◆期待しているところ
・V6エンジン+6速AT
かつてこれほど洗練された駆動系を搭載したシトロエンは存在しなかった。本来のソフトさとフラットライドに磨きがかかったハイドラ3+サスペンションとともに、日常の足として、週末の家族の船として、どのような体験をさせてくれるのか本当に楽しみ。
※旧C5で一番不安を感じていた4速AT(AL4)の信頼性の問題が、このアイシン製6速AT(TF80SC)によって完全に払拭されるのか、そこが逆に不安。ただこのATは最近のボルボでも採用されていて、そこでは特にATに問題があるという情報は見つからなかった。
・ディレクショナルヘッドランプ、パーキングアシスタンス、クルーズコントロールなどの装備。
Xmにはクルーズコントロールが、旧C5にはバックソナーが装備されていた。ときどき?な動作をして信頼性はいま一つだったが、実はかなり使える便利なアイテムだった。新C5はナビ関連を除くと、そうした便利な装備をほぼ一通り網羅している。特に、ディレクショナルヘッドランプについてはどんなものなのか、早く夜道で試してみたい。
※さらに緊急時のESP、BAS、エアバッグなども改良されていて、安心して運転に集中できそう。
◇不安なところ
・ディレクショナルヘッドランプ
電器仕掛けとしてはシトロエン史上初登場の装置だが、他社と違ってかなりグリグリ積極的にロー、ハイともに動くタイプらしい。これが面白くもあり、不安を感じるところでもある。どのくらいの耐用年数か分からないが故障とは無縁であって欲しい。
・フロントまわり
2Lでもステアリング系のしっかり感が今一つだった。今回はさらに荷重のかかるV6を選んだので、年数を重ねるとどうなるか、気になる。ブレーキも旧C5は盛大に鳴いたが、新C5ではどの程度改善されたのか分からない。

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C6のデビューをきっかけに興奮ぎみだった頭の中を、少し整理してみた。
シトロエンとしてもXmに代わるトップレンジはずっと欲しかったに違いない。99年のリナージュ発表以降も、なかなか開発にGOサインが出ないまま試行錯誤を続けていたのであろう。
ドイツや日本の強力なライバルが支配する今の高級車市場で採るべき戦略を考えたとき、過去の遺産をモチーフとして取り込む方向性はシトロエンとしては当然浮上するアイデアであり、その際DSにまで遡ることが余りにも冒険であると判断したとすれば、よりモダンなCXを選択することは自然な流れとして理解できる。
しかし、今のシトロエンのポジションにおいて、トップレンジ構築上最も重要なことは、「世界に二つとない高級車を創造すること」(少なくともそのイメージを獲得すること)であり、現状考え得る最良の戦略としても、これに尽きると思う。
今回のC6には、従来よりさらに対応範囲を広げて俊敏性と快適性を両立させたサスペンション、各種安全装備、ディレクショナルヘッドランプや速度によって展開するスポイラーなどのギミックも満載されている。だが、このセグメントで成功するにはそれでもまだ不十分だと思う。
半世紀を経て完成された独自のサスペンションシステム、今日的水準にアップデートされた装備類、過去の遺産と伝統を現代にマッチさせたデザイン。これ以上何を望むのか、と問われそうだが、このセグメントにおける戦いは熾烈であり、ドイツの2強に加え、AUDI、ジャガー(フォード)、キャディラック(GM)、VW、レクサス、ホンダなど強力なメンバーが常にブランド、プロダクトを通じて強烈にアピールしている世界である。そこに割って入るには、シトロエンの実力では「得意なこと」だけを並べていては不十分であり、「不得意なこと」を何らかの戦略によって、逆に「強み」に変える程のアイデアと実行力が不可欠だと思う。
具体的に言えば、トヨタとの提携による「ハイブリッドシステム」の採用を決断すべきであったと思う。このセグメントにおいて、伝統ある仏製高級車への採用はビッグニュースになり得ただろうし、トヨタにとっても戦略的に歓迎すべき動きだろう。
電子化されたシトロエン・ハイドラクティブモジュールと、トヨタ・ハイブリッドシステムの結合は理想的なカップリングであり、マーケットに対して新しい高級車像を構築し得たのではないか。私はプリウスというクルマには乗ったことがないが、あのクルマが近所の路上でまったくの「無音」で路肩に寄せ、停まったのを見て大変な新鮮さを覚えたことがある。シトロエンの旗艦C6が(ホントはリナージュのデザインのままが良かったが)、同様に「無音で、未来の宇宙船のように」発進していく様を想像すると、そのカッコ良さに痺れる思いである。
それがベンツやクラウンではなく、シトロエンであることに意味があるのだ。
無い物ねだりなのは自覚しているが、余りにも惜しいと思ったのでつい書きました・・
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リナージュコンセプト(斜め前方から)
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リナージュコンセプト(後ろ上方から)
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99年のジュネーブショーで発表された「リナージュ」コンセプトである。願わくば、この形で復活を遂げて欲しかった。
プロポーションはほぼ同一だが、フロント、リアのデザインのディテール、あるいはピラーの角度など、重要なポイントに変更が加えられた結果、C6は凡庸な印象に落ち着いてしまったと思う。
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Xmの発売終了以降、永らく空席だったトップレンジ復活である。
このクルマの原型となった「リナージュ」コンセプトは、全体のプロポーションはCXに極めて似通っている。しかし単なる懐古趣味ではなく、モダンな繊細さと優美さを兼ね備えており、発表時かなり良い印象を抱いた。しかし今回のC6は写真を見るとアウディやメルセデスCLSなど最近のドイツ車にかなり近い雰囲気になっている。色々事情はあったと思うがオリジナルの魅力をもう少し再現して欲しかった。「似て非なるもの」というのが率直な感想。
サイズはかなりのもので、既にC5もマイナーチェンジでXmより大きなクルマになってしまったが、C6は我が家の駐車場には無難に収まらないほど巨大である。(全長4.9m×全幅1.87m×全高1.47m)
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2年前の春、遅い桜を見に水上温泉へ行った。
3日ほど滞在し、家族風呂でゆっくりと湯に浸かり、夕方、宿の近くを流れる川沿いを散歩して満開の桜を楽しんだ。桜は仄かに薄桃色を感じさせるが殆ど真っ白に輝いていて、見ているだけで心が和む。
最終日、少々足を伸ばし温泉街を抜けて、地元の人々が訪れる近くの公園を歩いた。
ちょうど芝桜が元気良く咲いていた。精いっぱい根を張り、束の間、白く高貴な桜とは趣の違うピンク色の花々で土の面を埋め尽くそうとするかのようであった。
今年もその季節がやって来る。
新しいC5で再び訪れたいと思う。
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<先週土曜日は発掘の日であった。好天に恵まれ、それでも鼻水を垂らしながら140万年前の浅海底の遺物を掘り出すべく、手足を動かしていた。するとどうだろう。貝やウニの殻ばかりだった化石と全く違う、異様な形をした何かが姿を現したのだった。その化石は、子供の頭よりも大きなドーナツ型をしており、容易にその全容を伺い知ることはできない。結局、寒さと疲労でその日はそれ以上の探究を諦め現場を後にした。>
その「何か」である。
直径30cmはあるだろうか。ほぼ円系のドーナツ状の化石である。
いったいこれは・・
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