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日記と雑学、それからシトロエンC5について。
Just About C5



シトロエンC6のニューマチック・サスペンションはKayaba製・・C6の構成部品の供給メーカーに関するこんな資料 を発見した。

記述を読むと冒頭に”Japanese suspension specialist Kayaba delivers hydropneumatic shock absorbers to the new Citroen C6.”とあるので、C6のサスペンションの主要部品はもはや日本製になっている。

またMC後のC5とC6のV6搭載車はアイシン製6速ATを採用しているから、ハイドロ系シトロエンの心臓部と足回りはニッポン技術陣によって支えられている!ことになる。


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シトロエンC6の海外や国内の試乗記を読んでみると、新しい足回りは概ね大変好評であるようだ。

先日発見したサイト(現状で上から2つ目のフィルム)にあるC6の技術的なハイライトの解説映像”Citroen C6 - tecnologia e progettazione”の中に、この車の新しいサスペンションシステムの作動概念をCG化した映像がある。

これを見る限り、新しいシステムは、これまでのどのハイドロよりもはるかにフレキシブルで高速な制御を行っているようである。
これはハイドロニューマチック→ハイドラクティブに連なる歴代のサスペンションシステムとは、もはや似て非なるロジックで作動している可能性がある。ハイドラクティブの名前を冠しなかった理由はそこにあるのかも知れない。

左右関連懸架というこれまでのハイドロ系の機構上の特徴も継承していないようだ。乗り味に関してはこの点からも違いが感じられるのではないか。

いずれにしても一度体感してみたいものである。

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海外のサイトにC6に関する情報があった。断片的な情報を総合すると、おそらくC6の新しいサスペンションシステムは、以下のようなものである。

・形式 フロント:ダブルウィッシュボーン
    リア:マルチリンク 
・特徴 ハイドラクティブ3+に対しての追加機能
    可変ダンピングシステム
    アンチロールシステム(ACTIVAと同種のもの?)

最新のハイドラクティブ(C5に搭載)では、アディショナルスフィアの断続に伴い、ロール剛性とスプリングレートは2段階に可変するが、ダンピングに関しては一定のままである。一方、シトロエン以外のメーカーでは、4輪独立にダンピングを制御することで、ある程度ロール剛性や車両姿勢の制御を比較的廉価で実用化しているものがある(オペル・アストラのCDC)。もちろん油圧や気圧を使ったより高価なシステムも他に存在する(メルセデスのABCなど)。

C6の詳細はまだよく分からないが、おそらく、従来のハイドラクティブ3+の機能に加えて、
 1)ロール制御のために予てから実用化していたアイデアである”ACTIVA"システム 
 2)車体姿勢のより積極的なコントロールのためのリアルタイムダンピング可変機構 
を追加しているのではないか。
これらを統合制御することにより、よりソフトな乗り心地を実現する一方、これと相反するハンドリングに対するダイレクトかつ安定した反応を得ているのだろう。

ハードウェアとしては、ハイドロニューマチックに始まったシトロエンのサスペンションシステムが、現時点で利用可能な最善かつ最新の技術を投入し、正常進化したものだと考えられる。

ただ気になるのは、これらを最適に制御するためのセンサーやロジックが完成の域に達しているのか否かという点である。ハードウェアは申し分ないが、その制御プログラムのチューニングには相当なノウハウの蓄積が必要なはずである。C5のデビュー当時のハイドラクティブ3のアナウンス、またその後のMCに伴う乗り味の大幅な変化を考えると、これほど複雑なC6の乗り味のコントロールも最初から完璧とはいかないと思う。

C6は触れれば触れるほど欲しくなる実にシトロエンの旗艦らしいクルマだが、私としては、乗り味がより洗練されるであろうモデル中期以後のクルマをいつの日か購入(可能ならば・・)したいと思う。

※今回ご紹介したサイト(たぶんスペイン?)にはC6の美しい写真がいくつかあるので関心のある方はぜひご覧ください。


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海外だけでなく国内での試乗記も最近専門誌やWEBに掲載されているシトロエンC6だが、そのサスペンションシステムについては可変式ダンパー、前輪ダブルウィッシュボーン、後輪マルチリンクといった情報のほか、詳細が掴めていなかった。ハイドラクティブの進化形という解釈を勝手にしていたのだが、ネット上を徘徊していてこのサイトに
C6のサスペンション(ハイドラクティブ)に関する興味深い情報が載っていた。

これを見る限り、やはりハイドラクティブの進化形であることは確かなようだ。ただし、ロール制御などの方法はハイドラクティブ3とはかなり違っている可能性がある。リアがマルチリンクとなったことで、サスペンションシリンダー、スフィアの搭載位置などもこれまでのシトロエンとは異なっている。

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シトロエンC6はラグジュアリーセダンの中でも最高の安全ボディを誇っているようだ。このクラッシュテストの結果をみる限り、歩行者保護の点でも新技術をいち早く応用し素晴らしい結果を得ている。これでC4、C5、C6の各車はそれぞれクラスでドイツ車以上に秀でた衝突安全性能を持つに至ったということになる。80年代、90年代のかつてのシトロエンを知るものにとっては、まさに隔世の感がある。


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これはシトロエンC6のスモールランプ点灯の写真。何やら六本木ヒルズ界隈に似合いそうな佇まいである。

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いつ頃日本に上陸するのか不明だが、気になるクルマのひとつである、シトロエンC6のベージュ内装の写真。グレーとは随分雰囲気が違う。

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先週久し振りにC6の記事をアップしたら、思いがけず興味深い画像サイトの情報を頂きました。ちょっと前のイベントですが、ジュネーブショーでC6の写真を撮った人が、C6関連の掲示板(海外のもの)に写真をアップしているようです。この情報はc5グリアルミV6F-2さんより頂きました。

ここにその画像がアップされています。

画像が多く、かつ重いので、ロードに暫く時間がかかりますが、C6のオフィシャル画像に飽き足らない方には大変興味深い、実車の気になるディテールカットが数多くあります。

これを見ると間違いなくジュネーブショー「行ったつもり」になれます。

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このブログには便利な機能がついていて、訪れた方がそれぞれ、どんな検索ワードを使ったかがある程度分かるようになっている。このブログは私の所有車がシトロエンC5であるが故に、その情報中心に綴っている。しかし、実は情報のニーズとして最も根強いのは「シトロエンC6」。

数カ月前の写真とリリース、ジュネーブショーでの発表のレポート以来、本国を含めあらゆるメディアの前に新情報は途絶えている。試乗記がそのうち出てくるだろうし、その際新たな写真も流通するだろうが、それまでは同じ状況が続くと思われる。

私も何とか新しい情報を、と探索は続けていたのだが、ついに画像に関しては「決定的!」と言える程のサイトに行き当たった。

やたら前置きが長くなって恐縮である。

このサイトにはシトロエンC6のオフィシャル画像の全てがある。(と思われる。)

左右の→をクリックすると、送り、戻りが出来る。それでは、気になる画像をダウンロードするなりして、「情報飢餓状態(失礼!)」からのひとときの安らぎをどうぞ。

ここにも殆ど同じものがありました。
ここにも少し違うものが数枚ありました。

・・と思ったらここにこそC6画像の全てがありました。
 ※c5グリアルミV6F-2さん 情報ありがとうございます!



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◆ちと古いですが、ジュネーブでのC6の画像(24枚)がこのサイトにあります。

◆C5のもここにあります。

◆というよりここにいろいろとあります。



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興味があったので調べてみました。
ヨーロッパのカーオブザイヤーです。賞自体は1964年からスタートしています。

◆以下は授賞歴からのピックアップです。
 その年の1st,2nd,3rdの車種名(カッコ内は獲得ポイント)

1971年 シトロエンGS   (223)
       VW K70   (121)
       シトロエンSM  (105)

1975年 シトロエンCX   (229)
       VW GOLF  (164)
       AUDI 50  (136)

1988年 プジョー405   (464)
       シトロエンAX  (252)
       ホンダプレリュード(234)

1990年 シトロエンXM   (390)
       メルセデスSL  (215)
       フォードフィエスタ(214) 

1992年 VW GOLF   (276)
       オペル アストラ (231)
       シトロエンZX  (213)

1994年 フォード モンデオ (290)
       シトロエンXantia (264)
       メルセデスCクラス(192)

2003年 ルノー メガーヌ  (322)
       マツダ6     (302)
       シトロエンC3  (214)


こうしてみると、CX~XMとシトロエンのトップレンジにとってこの賞は「指定席」という感じですね。DSの生まれた年にはこの賞はまだ存在していないのですが、もちろん圧倒的に支持されたでしょう。90年のXMは、エグゼクティブクラスとして2位のSLに大差をつけています。(逆にその後の販売では差をつけられていますが)

面白いのは71年で、この年はGSがイヤーカーになっているのですが、SMが3位だったんですね。これはちょっと驚きです。これはこの後の各年度の授賞歴を見ても、ああいったタイプの車が登場してくることはなく、非常に稀なことだと思います。それほど、当時インパクトが強かったのでしょう。

それから、88年のAX、92年のZXも意外に健闘していたようです。プジョー傘下になってから、モデルサイクルが短くなったこともあって「指定席」というわけには行かなくなったようですが、それなりに高く評価されています。Xantiaはモンデオに僅差で負けていますが、Cクラスを抑えて2位になっています。

この賞の位置付けについてはまだ詳しく分かりませんが、結構玄人受けする車が選ばれているような気がします。それから、プジョー405(88年)は日本ではマニアックな車ですが、デビュー当時、強く支持されていたようです。ホンダプレリュードの3位というのもなかなか・・。

ちなみに今年は、

2005年 トヨタ プリウス  (406)
       シトロエンC4  (267)
       フォードフォーカス(228)

プリウス(初代)は03年にもアルファ147、モンデオに続き3位に選ばれていますが今年は特に高い評価を受けています。(おかげでC4は2位に・・)
さて、果たして、来年C6は「指定席」に座ることができるのでしょうか?

※この賞についてさらに詳しくは公式ページを参照。

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基本的にはDS以来変わっていない・・。つまりシトロエンDSがいかに並外れた車であったか。改めて開発陣の鬼気迫る才能と努力には本当に敬意を表したい。しかも現在に至るまで、その素晴らしさを本当に理解した人はそう多くはないだろう。まさに天才のなせる技である。

機構的に理解することは多少の想像力が必要かもしれないし、DSではサスペンション以外も全て油圧回路でコントロールしたことでハードウェアとしては伝説的に複雑になってしまったが(これはこれで別な意味で凄いこと)、サスペンションに限って言えばある意味で非常にシンプルなシステムである。しかも達成した成果は非常に大きく、近年、電子コントロール化されたデバイスによって他社がようやく到達した体感性能のレベルを当時既に一部具現化していた。これは完調のDSに乗ってみるとよくわかる(こちらは何度か経験あります)。

さて、ハイドラクティブだが、これも素晴らしい着想である。CXの後継車を開発する段階で、シトロエン技術陣としては電子制御で何が出来るか、多様な可能性を模索したことは想像に難くない(Acitivaもその成果の1つ)。しかし彼らが次世代技術として選択したのは、フロントに一つ、リアにも一つスフィアを追加することだった。そして、それを油圧回路から条件に応じて断続する。ハードウェアとして基本的にはこれだけの改良である(この他にロール速度を規制するダンパーが左右をつなぐ流路に加わる)。DS以来のサスペンションには機械的信頼性・生産性の向上以外、さしたる原理的改良の余地はない。とそう考えていたかのようだ。これはその通りだとも言えるし、またそういう信念に小気味良いプライドを感じとることもできる。

私が考えるところでは、ハイドラクティブで重要なのは、ソフトウェアとセンサー技術の方である。今回のC5のマイナーチェンジでは、おそらくサスペンションのハードウェアはほとんど変更せずに大幅に乗り味を変えてきた。それは今のところ歓迎されているようだが、これを可能にしているのはシトロエン独特のハイドラクティブのシステムにある。

つまり、追加スフィアが1つだけで済むのは左右関連懸架だからであり、バルブによって制御されるのはガス容量だけではなく、サスペンションの左右の関連自体も断続される。しかも「瞬時に」である。バネ定数だけでなくダンピングの強さ、左右関連と左右独立、全く違う「2台分の」サスペンションシステムが瞬時に、必要に応じて切り替わるのである。たった1つのバルブのコントロールだけで(正確に言うと前後2つ)。まったく、うまいやり方を考えたものである。

従って、問題は「どんな時に」「どのくらいの長さ」それを切り替えるのか、だけである。それを判断するために、車両の各部から色々な情報を入手する。そしてそれを解析し、指令を出す。これはサスペンション技術における、非常に効率的なアナログとデジタルの融合=ハイブリッド・システムである。

ハイドラクティブ1から2への進化はセンサー技術の高速化と精緻化、そして解析ソフトの能力向上である。さらに3においては油圧制御自体電子化され、さらに電子コントロール化が進んだ。つまりソフトの設定一つで乗り心地もある程度自在に変えることが出来るのだろう。私は旧C5→新C5への変化は、主にソフトウェアの変更によって行われたと考えている。ただし、走行性能そのものは旧C5の方があるいは上かもしれない。旧C5の乗り味はハイドラ3によって手に入れた能力を目一杯、性能向上に振った結果だと考える。逆に新C5は「チカラを抜いた」設定にしているのではないか。

このあたりは何の情報もないのでもはや個人的想像に過ぎない。しかしC6の「16通りのサス設定」という断片的な情報を耳にすると、あながち外れではないように思う。C6ではたぶん4輪それぞれのダンピング制御を可変できるとのことなので、さらに進んだセンサー&ソフトウェア技術と相俟って、さぞかし素晴らしい走りをソフトにも、ハードにも堪能できる車に仕上がっていることを期待したい。

・・BOSEのサスペンションシステムも発表されたことだし、そろそろ車もパワーや燃費ではなくサスペンション性能も競う時代に入ってもいいのではないか。逆に、サスペンションのスペックを言い表わす適当な数値が(エンジンにおけるパワー、トルク、出力特性とか)出てくれば分かりやすくなるかもしれない。


<後記>

姿勢変化の少なさを言い表わす数値や評価指標は、もしかすると軍事用語(船や戦車、飛行機などは動きながら相手を正確に狙い打つ必要がある)では既に存在している可能性がある。余談だが、ハイドロサス採用の国産車として74式戦車がある。これは電子制御ではないが、地形に応じて被弾リスクを最小限にするために車高および車両姿勢を前後左右どちらにも傾けられるようだ。さらに余談だが、90式戦車では姿勢制御は前後傾のみとなる一方で電子制御化された。もちろん、乗り心地を良くするのが主目的ではなく、これは「行進間射撃」を可能にするため、つまり被弾しないよう頻繁に動きながら弾を撃ち敵に命中させる(!)目的である。電子制御化された油気圧サスと独自に開発した射撃管制装置の組み合わせで可能になった技術で、これが建て前でなく「本当に」できるのはこの90式くらいのようで、合同演習でその能力を目の当たりにした西側将校を戦慄させた(らしい)。



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実はハイドロ・シトロエンも関連懸架である。ただし前後ではなく左右前輪、および左右後輪をそれぞれ油圧を通じて関連させている。これはダンピングにおいてのみならず、バネに至っては事実上、左右で共有している。(実際、ハイドラクティブではバネ定数を変えるための追加スフィアは1つしかない。ちなみにハイドロシトロエンでは前後は関連しない。)

このところ改めてハイドロ探究を続ける一方、前述のREASシステムの詳細を読み返し、実際はこの「左右の関連懸架」が、ハイドロ・シトロエンの「個性の源」となるキーワードのひとつではないかと考えるに至った。ちなみに左右関連懸架は調べる限り採用車種がなく、現状はハイドロ・シトロエンのみである。

路面の不規則なうねりに対して車体を水平に保つためには、この左右の関連懸架は極めて有効である。片側の足が縮んだ分、油圧に押されて反対側の足が伸びようとするからである。しかもシトロエンのシステムだとこの動きに関してはダンピングはさほどかからない。結果、「湖水に浮いたような(ある意味本当に浮いていると言える)」ローリングの少ないフラットな乗り味が得られる。

スフィア内蔵のオリフィスによるダンピングがかかるのは、加速/減速時のほか左右同時にプラス/マイナスの荷重が生じるときである。カーブはこのシステムの弱点で、このままだとロールに対して何の抵抗力も持たない。そこで、強靭なスタビライザーバーを備えている。これらの特徴から、鋭い段差を乗り越えるときには、通常時に比べ意外な程のショックを感じることになる。XantiaSX,XMのハイドロモデルまではスフィアの仕様やサス形式の違いを除くと、仕組みとしてはDS以来基本的には変わっていない。

つづく

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97年にヤマハはREASと呼ばれるシステムを発表した。なぜヤマハ、と思われるかも知れないが、ここには、車体剛性も含め、車のサスペンション技術、及びシトロエンのハイドロサス/ハイドラクティブを理解する上で、改めて参考になる情報が含まれている。

以下、関連情報をまとめておく。

開発者の弁
ヤマハ発動機のプレスリリース ※発表当時(97年)
技術発表論文 ※REAS及び発展形のXーREASについて
→「自動車シャシー技術の開発 X-REAS/パフォーマンスダンパー … 沢井誠二/坂井浩二 (印刷用:1100KB)」をダウンロードしてご覧下さい。

このシステムはコンベンショナルなバネサス車に特殊なダンピング機構を付加することで、車両姿勢を安定させ、走行安定性、操縦性、乗り心地などにおいて、必ずしも数値に現れない走行の「質」の向上を狙ったものである。実際にはトヨタ車(スープラやハイラックス・サーフ)において一部に採用されている。

この技術のポイントは、ダンピングにおける左右の相互作用であり、それを極めてシンプルに実現していることである。実際の作動図と解説を見てみると、ダンピング機能に的を絞ってはいるものの、構成としてはシトロエンのハイドラクティブサスに驚くほど似ている。

以前もC6の走りについて考察したことがあるが、その後も結局、ハイドロ・シトロエン独特のフラットなフィールは、何によって実現されているのか?という疑問が頭から離れなかった。そこで改めてDSやCXのハイドロや、XM以降のハイドラクティブに遡って調べてみた。すると、他の油気圧サスペンションシステムやアクティブサスにはないシトロエン独特の機構上の特徴をひとつ見つけることができた。それは、「関連懸架」である。

「関連懸架」というと2CVが有名である。2CVでは前後のサスが関連していて、小さな軽い車体でもピッチングを抑えることで極めてフラットな乗り心地を得ている。(乗ったことがないので受け売りですが)

つづく

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ここまでハイドロシトロエンのことばかり書いてきて矛盾するようだが、ハイドロニューマティックサスペンション、及びアクティブサスペンション自体は今日、シトロエンの専売特許ではない。

日産もシーマで一時期油圧式アクティブサスを設定していたし、トヨタも昔から様々なアクティブサス、エアサス、油圧/エアサスなどかなり積極的にセリカからクラウンまでの車種に採用し続けている。

最近ではドイツ車がアクティブサスに本腰を入れていて、BMWの7シリーズ、ベンツS/CL/SL/Eなど上級クラスは本格的なものを備えている。

今流行の「動くヘッドライト」についても以前、ちょっと調べたことがあったが、サスペンションシステムもこれ同様、各社各様の名称と作動原理をアピールしている。何処がどう違うのか分かりにくい。そこで勝手に分類してしまうことにした。その上で、最新最高の(?)シトロエンであるC6について、現行の車種で比べられるものがあれば探し出そうと思う。

大雑把に分けるとアクティブサスペンションについては3つの要素がある。

 1)ダンパー     可変ダンパー
 2)バネ       エアサス(ハイブリッド型もある)
 3)スタビライザー  可変スタビライザー

BMW7シリーズでは、1と3が採用されている。可変ダンピングシステム、可変スタビライザーによるロールコントロール(低Gではロールせず、高G域では80%まで許容する)という仕組みである。これによりこれまでのBMWにない乗り心地と旋回時の安定性を両立させたと伝えられる(200kmのコーナリングで新聞が読める、らしい)。これはXantiaActivaのものと似ているように思える(Activaは2と3を備えた車である)。

ベンツの最新システムはADSとABCと呼ばれるものの併用型で、高度にアクティブ制御される1と2を備えた車になっている。アンチロールについては3ではなく、油圧で車両姿勢を制御する機構が備わっている。荷重の有無に関わらず車高を一定に保ち、高速域では車高を下げる。結果としてハイドラクティブ3と同様な機能を持っているが、信頼性はこちらの方が上か。ダンピングも4輪独立してリアルタイム制御しており(ADS)、これに油圧による車両姿勢のコントロール(ABC)が加わる。

こうしてみると、既に機能としては同等以上のものが実現されているようだ。そのような中でシトロエンの「ハイドラ3」の価値はおそらく・・

 ・比較的シンプルな機構で昔からこうした
  サスペンション機能を実現していたこと
 ・比較的安価でそれを提供していること
 ・DS以来の伝統で独特のポリシーに基づいた
  乗り味を獲得していること

といったところに今や集約されるのではないか。

C6はアクティブサスに関しては現状で考えられる1~3まで全ての機能を持つ車である。C6は可変ダンピングシステム、ハイドラクティブ、アンチロール機構を備えているとアナウンスされており、しかもそれらの設定パターンは16通りにも及ぶという。

そしてC6に1日の長があるとすれば、さらに「人に心地よいセッティング」「長い間に培って来た操安性と乗り心地の独特のバランス」「アクティブサスでありながらシンプルで独特な機構(スフィアや関連懸架など)によりアナログ的な乗り味を持っていること」という部分、つまり素材や縫製技術そのものではなく、結果として得られる着心地や細部のデザインといった感性の部分にあるのだと思う。

もしC6がBMW7シリーズやベンツCLに対して低価格でオリジナリティの高い上質な乗り味と着心地を提供できるのなら、それなりの訴求力はあるのではないか。伝えられるスペックを見る限り可能性は十分あると感じられる。

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