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日記と雑学、それからシトロエンC5について。
Just About C5



C6のデビューをきっかけに興奮ぎみだった頭の中を、少し整理してみた。

シトロエンとしてもXmに代わるトップレンジはずっと欲しかったに違いない。99年のリナージュ発表以降も、なかなか開発にGOサインが出ないまま試行錯誤を続けていたのであろう。

ドイツや日本の強力なライバルが支配する今の高級車市場で採るべき戦略を考えたとき、過去の遺産をモチーフとして取り込む方向性はシトロエンとしては当然浮上するアイデアであり、その際DSにまで遡ることが余りにも冒険であると判断したとすれば、よりモダンなCXを選択することは自然な流れとして理解できる。

しかし、今のシトロエンのポジションにおいて、トップレンジ構築上最も重要なことは、「世界に二つとない高級車を創造すること」(少なくともそのイメージを獲得すること)であり、現状考え得る最良の戦略としても、これに尽きると思う。

今回のC6には、従来よりさらに対応範囲を広げて俊敏性と快適性を両立させたサスペンション、各種安全装備、ディレクショナルヘッドランプや速度によって展開するスポイラーなどのギミックも満載されている。だが、このセグメントで成功するにはそれでもまだ不十分だと思う。

半世紀を経て完成された独自のサスペンションシステム、今日的水準にアップデートされた装備類、過去の遺産と伝統を現代にマッチさせたデザイン。これ以上何を望むのか、と問われそうだが、このセグメントにおける戦いは熾烈であり、ドイツの2強に加え、AUDI、ジャガー(フォード)、キャディラック(GM)、VW、レクサス、ホンダなど強力なメンバーが常にブランド、プロダクトを通じて強烈にアピールしている世界である。そこに割って入るには、シトロエンの実力では「得意なこと」だけを並べていては不十分であり、「不得意なこと」を何らかの戦略によって、逆に「強み」に変える程のアイデアと実行力が不可欠だと思う。

具体的に言えば、トヨタとの提携による「ハイブリッドシステム」の採用を決断すべきであったと思う。このセグメントにおいて、伝統ある仏製高級車への採用はビッグニュースになり得ただろうし、トヨタにとっても戦略的に歓迎すべき動きだろう。

電子化されたシトロエン・ハイドラクティブモジュールと、トヨタ・ハイブリッドシステムの結合は理想的なカップリングであり、マーケットに対して新しい高級車像を構築し得たのではないか。私はプリウスというクルマには乗ったことがないが、あのクルマが近所の路上でまったくの「無音」で路肩に寄せ、停まったのを見て大変な新鮮さを覚えたことがある。シトロエンの旗艦C6が(ホントはリナージュのデザインのままが良かったが)、同様に「無音で、未来の宇宙船のように」発進していく様を想像すると、そのカッコ良さに痺れる思いである。

それがベンツやクラウンではなく、シトロエンであることに意味があるのだ。

無い物ねだりなのは自覚しているが、余りにも惜しいと思ったのでつい書きました・・

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C6 雑感 (opsensual)
2005-02-14 01:22:52
こんばんは。



同じく C5 納車待ちの者として、いつも楽しく日記を読ませていただいております。



C6 がついに発表になりましたね。



写真ではかなりクールな印象で、アウディとかにも似てるかなという気もしますが、実物はシトロエン独特の「なまず」を思わせるシルエットではないかと、ちょっと「変な」期待を抱いております。



私は正直いってかなり気に入りました。というか、C6 については事前にかなり情報が流れていたので、予想していたイメージとほとんど違わないものが出てきたなという感じです。でも、実際に買うかといわれれば、私にとっては実用からかけ離れた部分が多い車なので、やはり難しいかなと思います。



それはともかく、石油があと何十年もつかわからないという時代にさしかかっていますので、石油をむやみに喰う車に対する風当たりはしだいに強くなるでしょうね。ヨーロッパはディーゼル車の需要が強いので、シトロエン(PSA)も今のところディーゼルの開発に熱心ですが、そのうちまた風向きが変わるかもしれませんね。



私はしばらく前にヨーロッパで C5 の 2L HDi を 1 週間余り借りて乗りましたが、平均燃費は 16 km/L、1 回の給油で 1,000 km 近く走れました。これじゃ、ふつうの人が年に 2 万 km くらい走り、キャンピングカーを引っ張って旅行する人も多い国でディーゼルに人気があるは当然ですね。C6 に 2.7L V6 の強力なディーゼルエンジンが搭載されたのも、基本的には、長距離移動の快適さを売りにしているメーカーの個性とヨーロッパ市場の特性が合わさった結果でしょうか。別の見方をすれば、シトロエンはまだまだヨーロッパ市場しか目の中にないということかもしれませんが。



でも、やや長い目でみれば、シトロエンにとっても、ハイブリッドを含め、他の選択肢が魅力的になるときがくるかもしれませんね。
 
 
 
こんばんは (c5skyblue)
2005-02-14 23:57:57
いつも御覧頂きありがとうございます。

私もそろそろC5の納車が待ち遠しいです。



リナージュにこだわるようで恐縮ですが、結局のところ、リナージュにあってC6で希薄になったものは「パーソナルな感覚」だと思います。リナージュの良かったところは、家族での(あるいは大切な人々との)非日常的な空間を共有した快適な移動シーンの演出にあり、the art of travel (だったと思います)というコンセプトワードも的確にそれを捉えていたと思います。



opsensualさんがY掲示板でご指摘のとおり、C6は少なくとも写真を見る限りパーソナルな雰囲気というよりは社用車、リムジン的なイメージが伺えます。ただ私も現物を見たわけではありません。実車はかなりの大きさですし、シトロエン独特の微妙なフォルムが感じられる造型は健在なのかも知れません。



足周りは基本ハイドラ3で、ロール制御に関しては少し進んだ機構が追加されているようです。サスペンション形式もマルチリンク、という情報もありますが詳しい発表を待たないとよく分からないですね。



ディーゼルのトルクの太さは別なクルマで体験したことがあります。あれがもっと洗練され、燃費も良く排ガスの問題も解決されているとしたら、合理的なフランス人はそっちを選択するでしょうね。日本では変なレッテルが貼られてますから当分は難しいでしょう。



ただ、今回C6には「シトロエンの」という形容詞がなくても通用する、高級車としての斬新な提案が何か一つ、どうしても欲しかったです。
 
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