最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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●不登校児についての相談

2007-08-01 10:00:30 | Weblog
【不登校児についての相談】

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 広島県H市に住んでいる、MEさん(母親)から、二男の不登校に
ついて、相談がありました。MEさんから、掲載許可をいただきまし
たので、紹介します。

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【MEさんから、はやし浩司へ】

 今年の7月10日から二男(小6)のGDが不登校になりました。夏休み明けから、資料室登校を何日か続けていましたが、狭い資料室で一日を過ごすという異常な学校生活だったためか、なかなか教室に戻ることが出来ずにまた不登校になり、現在に至っております。

 このホームページを拝見するようになったのは5日ほど前です。書かれてあるとおり、私は半狂乱になり、どうにか登校してくれるように刺激した結果、底だと思っていた底にもっと底があり、次々と子どもといっしょに別の底へも落ちていきました。

 私は腹をくくり、……とは言っても、毎日くくった紐はほどけ絞めなおし、それを繰り返している毎日です。

 二男はテレビゲームとパソコン三昧の怠惰な生活を続けています。幼稚園のころからKK式、4年生になって中学受験を目標にN研へ変わり、そこそこの成績で地元のトップばかりを集めた中央の本校へと変わり、広島でも難関の、RA中学、HU附属中を目指しておりました。

 本人が負担に思っていたのにもかかわらず、バカな親でした。こうした生活からそうなっていったのではないかと思います。夏休みから、塾は一切やめて、隣町の小学校へ転校しようとしていたのですがうまくいかず、今では転校しても登校しそうにありません。

 このまま何もせず、ゲーム三昧の日々をだまって見ているのがいいのでしょうか。本人は毎日「悲しい、僕は僕で悩んでいろいろ考えている、学校へ行くことを考えると緊張する」と言います。

 土日は主人とキャッチボールやバッティングセンターに、楽しんでいっていました。先週主人と小学校で見た、地元のソフトボールチーム(小学生の)に入りたいと言い出して、今頃から入部してもどうだろうかと思ったのですが、お願いして練習に体験入部させてもらいました。

 やはり、思ったとおりには行かず、4時間の練習時間でしたがすることもわからず、困惑した状態で終わってしまいました。自信をなくしたようで、翌日は少し荒れていました。家の中でゴロゴロしているのが、私にはたまらなく耐えられないのですが、それでいいのでしょうか。
(広島県H市 MEより)

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【はやし浩司から、MEさんへ】

 メールの様子からして、つまり二男の方の症状からして、このタイプの不登校は、かなり長くつづくと思います。半年とか、1年ではなく、数年以上になるということです。

 いただいたメールの中で、もっとも気になるのは、MEさんが、二男の様子について、「怠けている」という表現を使っておられる点です。

 二男のGD君は、怠けているのではありません。そう見えるだけです。心は、いつも張りつめた緊張感でおおわれています。その緊張感をほぐすために、やむをえず、自ら心をいやしているのです。その方法として、テレビゲームをしたり、パソコンをしたりしている……。

 風邪をひいて、家でゴロゴロしている子どもを、あなたは、「怠けている」と言うでしょうか。言わないですよね。それと同じです。

 風邪のように、熱が出るとかいう症状がないため、外からはわかりにくいのが、この不登校の特徴です。(私のHPの不登校の記事を参考にしてください。グーグルか何かで、「はやし浩司 学校恐怖症」を検索してくださると、いくつか、ヒットするはずです。)

 そしてつぎに大切なことは、「なおそう」と思わないこと。「今の状態を、今以上に悪くしないことだけを考えて、様子をみる」です。

 ときどきこまかい周期(数週間から1か月単位)で、症状が改善したかのように見えたり、悪くなったかのように見えることがありますが、そういった変化に、一喜一憂しないこと。半年単位で、様子をみます。

 ……と書くと、「学校はどうする?」「受験はどうする?」となりますね。

 答えは、簡単。あきらめなさい。あきらめるのです。

 MEさんが、「まだ何とかなる」「うちの子にかぎって」と思っている間は、この問題は、解決しません。MEさんのもっている緊張感が、そのままGD君に伝わってしまうからです。この緊張感が、症状を長引かせます。

 この問題は、一見、子どもの問題に見えますが、実は、親の問題です。親自身が、学歴信仰、学校神話という呪縛から、いかに自分を解き放つかということです。もし今、MEさんが、(恐らく、そうだろうと思いますが……)、「学校とは行かねばならないところ」「学校へ行かなければ、うちの子はダメになる」と思っているなら、そういう考えは、捨てることです。

 といっても、簡単なことでないことはよくわかります。カルト教を信じている、信者のようなものです。しかもあなたが子どものときから、あなたの親によって、徹底的に叩きこまれている。そのカルトを体から、抜くことは、たいへんなことです。よくわかっています。しかし、抜くのです。

 この問題は、あなたがそのカルトから抜け出たとき、解決します。今は、カガミの向こうの世界のようで、信じられないかもしれませんが、カガミの向こうは、実に広く、ゆったりとした、おおらかな世界です。

 今は、学校だけがすべてという時代ではありません。無数の選択肢も用意されています。また不登校児になったからすべておしまいというより、むしろ、不登校を起こす子どもほうが、(まとも)なのです。

 たしかに原因の一つとして、過負担、親の過剰期待などがあったと思います。いわゆる子どもが、オーバーヒ-トしてしまったというわけです。燃え尽きたのかもしれません。あるいは何らかの原因で、集団に対して恐怖心をもったためかもしれません。このあたりの子どもの心理は、複雑で、簡単には説明できないことが、多いです。

 で、これから先、どうしたらよいかということですが、いくつかのポイントがあります。

(1) おどし、励ましは、タブー。

 「こんなことでは、将来、ダメになる」式のおどし。「がんばれ」式の励ましは、禁物です。あくまでも、子どもの立場で、考えます。

 「あなたもつらい思いをしたのね」「よくがんばったのよ」式の、ねぎらいの言葉を多くかけてあげてください。

(2)ほどよい親、暖かい無視 

 やりすぎず、しかし、やるべきことはする。そして子どもを暖かく、無視する。子どもが愛情のより所を求めてきたら、すかさず、いとわず、愛情表現をしてあげてください。添い寝、抱っこなど。

 年齢的にむずかしいかもしれませんが、入浴なども、子どもがいやがらなければ、いっしょにしてあげてください。

 症状が改善に向かい始めると、一度、幼児がえりを起こすかもしれません。赤ちゃんぽくなって、お母さんのおっぱいを求めるなど。いとわず、応じてあげてください。

(3)キーワード、ターゲットに注意

 子どもがとくにいやがるキーワードなどがあれば、努めて、その話題から遠ざかります。「受験」、「入試」、「不合格」など。子どもによって、とくに気にしている言葉がありますので、それについては、触れないようにします。

 またこの時期、子どもは、あれこれ理由らしきことを言いますが、そうした言葉にまどわされてはいけません。「A君がいじめる」「先生が怒った」など。これをターゲット(標的)といいます。この時期、子どもが口にする、ターゲットは、いろいろ変化します。

 しかしもともと、理由などないのです。ですから理由を聞いたり、原因をさがしても、意味はありません。

(4)退屈作戦

 とにかく、退屈にさせます。退屈で、退屈でしかたないといった状況にします。しばらくすると、子どものほうから、何かアクションが始まります。そのアクションを、じょうずに、引き出していきます。

 このタイプの子どもがよく見せる症状は、幼児期からの「成長の再現」です。一度、赤ちゃんぽくなって、幼児期に使っていた本や玩具を取り出して遊んだりすることがあります。そういう意味では、勉強にあけくれた少年期で、幼児期から今の時代に、間が抜け落ちてしまったのかもしれませんね。

 もし幼児がえり的な現象が見られたら、「ここからやりなおし」と思って、暖かく見守ってあげてください。

(5)CA、MGの多い食生活

 わかりやすく言えば、海産物主体の食生活にします。心を安定させるためです。不安や心配ごとが入り込んでも、動揺しないようにします。リン酸食品などは、避けます。私のHPのどこかに、詳しく書いておきましたので、また参考にしてください。

 最後になりましたが、MEさん自身の学歴信仰などと戦うためには、私のマガジンを、また読んでください。ところどころで、それについて書いています。

 お気づきのように、今が、まだ「底」ではありません。ですから、今の状態を悪くしないことだけを考えて対処してください。無理は禁物。半日、資料室登校をしたら、「よくがんばったわね。3時間も行かなくてもいいのよ。2時間で帰ってきなさいよ」と言ってあげてください。

 この親の心の余裕が、子どもの心を溶かします。

 あとあと、よい思い出になりますよ。この時期は、遅々として進まないように見えるかもしれませんが、終わってみれば、あっという間のこと。今こそ、あなたとお子さんの、暖かいドラマを、しっかりと思い出の中に、刻むときです。

 暗くて長いトンネルに見えるかもしれませんが、終わってみると、あっという間のできごと。この時代を光り輝かせることができるかどうかは、あなたがGD君を信じきったかどうか、決まります。

 あなたの子どもを信じてあげてください。不登校など、いろいろな問題がありますが、何でもない問題です。いつか必ず、笑い話になります。「ようし、私も、十字架の一つや二つ、背負ってやる」「嵐がこなければ、航海もおもしろくない。来るなら、来い!」と、あなたも、前向きに、そう怒鳴ってみてください。

 心が、ずっと軽くなりますよ。

 では……。
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