最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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●被害妄想

2007-08-01 10:57:48 | Weblog
●被害妄想

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うつになるから妄想が生まれるのか。
それとも妄想が重なるから、うつに
なるのか。

うつと妄想は、いつも同時進行の形で
その人を襲う。

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 ありもしない恐怖や脅威を、ことさら心の中で肥大化させ、被害者意識をもつ。それを被害妄想という。

 その被害妄想にも、いろいろある。

 よく知られた例に、追跡妄想や被毒妄想がある。追跡妄想というのは、いつもだれかに追跡されているのではないかという、妄想観念をいう。被毒妄想というのは、だれかに毒をもられているのではないかという、妄想観念をいう。

 しかし、こういう被害妄想もある。

 X氏(65歳)は、ある日、隣のY氏(50歳)と、けんかした。「お前は、いつもオレのうちをのぞいている!」「のぞいていない!」と。

 X氏は、それをさかのぼること、数年前から、隣のY氏が気になり始めた。最初のきっかけは、ささいなことだったというが、それについては、私は知らない。

 そこでX氏は、自分の家のまわりに木を植えた。しかし冬になると、葉が落ちる。そこでブロックの塀の内側に、さらに、木の塀をとりつけた。

 が、それでは足りない(?)。今度は、X氏は、Y氏の家に面している窓ガラスを、すべてすりガラス(型ガラス)にかえた。部屋のすべてに、厚手のカーテンをつけ、さらに、家の中で電気をつけるときは、雨戸をすべて閉めるようになった。

 被害妄想である。

 Y氏は、私が知るところ、隣の家をのぞくような人ではない。だいたいにおいて、X氏の家など、のぞいてもしかたない。X氏は、妻と2人暮らし。

 ……と、このように、「家の中をのぞかれている」「いつも監視されている」というような、妄想観念をもつことを、注察妄想という。この注察妄想をもつ人は、多い。

 Aさん(45歳、女性)も、そうだ。「道をはさんだ、向かいのBさん(女性)が、私の家をいつも監視している」と、悩んでいる。

 が、それだけではない。ある日、私にこう言った。

 「私が、新しいバックででかけるとき、Bさんが、『いつも、新しいバックを買って、バカみたい』と言って笑っています」と。

 しかしこの話は、おかしい。Aさんは、どうしてBさんが、そう言っているのを知ったのか? そこで私が、「本当にBさんが、そんなこと言っているのですか?」と聞くと、「私には、Aさんの言っている声が、聞こえます。目つきや、顔の表情を見れば、それがわかります」と。

 こうした被害妄想は、つぎつぎと、新しい妄想を生む。そしてあとは、底なしの妄想地獄。

「では、どうしたらいいか?」ということになるが、脳の機能の問題とからんでいるだけに、ことは簡単ではない。先のX氏にしても、Aさんにしても、どこか、うつ的。X氏は、異常に几帳面(きとうめん)なところがあるし、Aさんは、反対に、生活習慣が、きわめて怠惰(たいだ)。だらしない。日常の生活そのものが、ふつうではない。

 言いかえると、被害妄想をもちやすい人は、あらゆる面で、そうした妄想観念をもちやすい。大切なのは、まず、自分がそうであることを知ること。日ごろから、思い過ごしや、取り越し苦労をしやすい人は、それだけ被害妄想をもちやすいということになる。

 もちろんうつ病タイプの人は。要注意! あれこれと悶々と悩み始めたら、できるだけ早く、気分転換をしたほうがよい。そしてそのことを忘れる……。

 (しかし実際には、忘れようとすればするほど、かえって、深みにはまってしまう。私のばあいは、周囲の状況や、自分の心の中を、徹底的に分析することで、こうした妄想観念と戦うようにしている。わかりやすく言えば、相手を乗り越えるということ。相手が、自分よりバカに見えたとき、はじめて、その妄想観念から抜け出ることができる。)

 どんな人でも、ふとしたことから、妄想観念をもちやすい。そしてそれが被害妄想になり、ここでいう注察妄想になったりする。くれぐれも、ご注意!

 ちなみに、広辞苑には、こうある。

 被害妄想……自分が他から迫害されていると信ずる妄想。多くは精神分裂病に見られる、と。ゾーッ!
(はやし浩司 妄想 被害妄想 被毒妄想 追跡妄想 注察妄想 妄想観念)


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