QES2016 でL18直交表にのっとった実験結果から4374通りの組みあわせ
すべてについて、感度とSN比を推定し、4374対のデータとして散布図を描くことで
情報を可視化する方法を提案しました。感度‐SN比要因効果図というものです。
その場での議論でひとついただいた提案が、
「L18 のどの制御因子がどのように結果にかかわっているのか?を一目瞭然に
把握できると、もっといいですね」 というものでした。
以前から気になっていた方法が使えるのでは?と試すことにしました。それが
『チャーノフの顔グラフ』 という可視化方法です。
私も業務で『顔認証』技術を研究していますが、数学的アルゴリズムではかなり
判別が困難な『顔』でも、人間は判断できるのです。
また、楕円が3つあると顔として無意識に認識してしまうようです。
赤ちゃんがお母さんをすぐに見つけることができたり、心霊写真まで・・・
1970年代にチャーノフ先生は人が顔を認識する能力を利用して、顔グラフを
考案しました。多変量データの項目データを顔の部位の形状や大きさ、
中心からの位置などに割りあてて顔を描く。というものです。
顔の特徴や表情は多変量の項目データでいろいろ変化します。
L18 の場合、Aの制御因子が2項目、B~Hが3項目ですから、離散データとして
簡単に顔を作ることが可能になります。
そこで、手持ちのL18直交表にのっとった実験結果を感度‐SN比要因効果散布図に
顔として散布してみました。するとこんな結果に・・・
頭髪があるおじさんのほうがSN比が高そうです。しもぶくれのおじさんは
感度が低そうです。
これは、感度とSN比の二つの要因効果図を突合させてみればわかることですが
顔として感度‐SN比要因効果散布図に記入すると、『一目瞭然』です。
顔グラフのもっと効果的な使い方はMTシステムへの利用です。
たとえば、MT法で多変量データをもとに単位空間を作った場合、各項目に
顔の部位を割りつけて、そのデータで大きさや形状、表情を変化させます。
そして、ある項目を横軸、マハラノビス距離(MD)を縦軸にして散布すると、
単位空間の傾向がつかめるかもしれません。
手持ちの関東人気スポット情報を使って試してみました。
『人気度』、『奇抜度』、『飲食性』、『買い物利便性』、『街並み美観』など11項目を
MT法で解析し、そのMDを縦軸、項目データを横軸に散布するのです。
下のグラフは項目『人気度』で散布した結果です。
このようなグラフを項目ごとに合計11枚作成してながめると、面白い結果が
確認できました。
QES2017の発表テーマとしたいな、と思っています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます