今回は、第18回QC検定2級 問3の②について解説します。
問題は
H0:μ=μ0 H1:μ<μ0 (μ0=8.0)の検定を行いたい ・・・ が、原料のばらつきは前回のばらつき σ^2=1.1^2 をそのまま使っていいかは現時点ではわからない。(普通はこう考えるべきだと私は思います)
有意水準5%で検定するとき、検定統計量は(4)となり、棄却限界値は(5)である。したがって、この検定結果は有意(6)である。
というものです。『第18回品質管理検定 2級 問3 その2』 で、今回抽出した9個のサンプル平均;μ=7.0 で、偏差平方和;S=12であり、分散;s^2=12 /(9-1)=1.5 であることをしめしました。
前回の分散;σ^2=1.1^2であり、今回の分散;s^2=1.5≒1.225^2 であり、前回よりやや分散が大きくなっています。
問1ではs^2とσ^2 は違いがないとして解析しましたが、サンプルから計算するとこのように違いがでました。本当に違いがなかったとしても、サンプルから計算した分散は、σ^2(=1.1^2)のまわりでばらついた結果となることが予想されます。
このようなときには、標準正規分布の形態をもう少しすそのを広げたイメージの t分布という分布で評価します。
自由度;fは(9-1)=8であり、そのときのの片側5%の tの値はt表より、1.860(P=0.1,f=8)です。これが(5)の答えになります。
基本統計量;t0 は、t0=(μ-μ0) / (s^2 / n)^0.5
=(7.0-8.0) / (1.5 / 9)^0.5=-2.44949 となり
小数点以下4位を四捨五入して、2.449になります。そして、t0>t(片側5%)ですから
この検定は5%有意となり、帰無仮説H0 は棄却されます。
以上より、(5)の選択肢は(イ)、(6)の選択肢は(オ)、(7)の選択肢は(キ)になります。
一般的な品質管理では、問1よりも問2の検定を先に行うべきだと思います。
次回は③の解説をします。
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