QT Lab.品質・技術研究室

技術者のための品質工学、品質管理、統計学、機械設計、信号処理を
解説します。

アインシュタインのことば

2015-03-31 20:53:03 | 技術・エンジニア

「解きうる問題を解くのが科学者であり、解くべき問題を解くのが技術者である」 というのが
アインシュタインのことばです。特許庁に勤めていたアインシュタインはすぐれた科学者には
珍しく、技術者を尊敬していてくれたようです。

 科学を追及する、つまり、真理の根底にながれる原理は、いろいろな条件がそろえば、
ほとんどの場合、答えが得られる。つまり、解きうる問題になります。

 しかし、技術者に要求される問題、つまり、このコストでこの仕様の製品をこの期間で
設計しろ、を解決できる解は本当に存在するのか?を胸に秘めて仕事を進めていくのが
技術者です。彼に与えられたのは、彼が解かなければならない問題であり、その解答が
あるかは、誰にもわかりません。

 私は、ノーベル賞を受賞した中村教授、そして、技術者の立場を高めよ、とあんににおわせて
くれた小柴教授を尊敬しています。

 太平洋戦争で徴兵を回避された工学系大学の学生、そして、その身代わりとして命をささげた
文科系の大学生、多くの犠牲のもとにこの日本は発展してきたのです。

 その意思を私は大事にしています。

 おなじように、1945年6月に、激戦が終結しようとしている沖縄から本土に打電された
太田実海軍少将の「沖縄県民かく戦えり」の電文をいまこそ全国民が知るべきだと思います。

 これは、日本史の教科書にのせるべき内容だと思うのですが・・・

 そして、政府関係の方々も、ぜひ、この電文を読んでください。


人間原理とは その2

2015-03-30 20:18:03 | 品質工学

 『観測できないものは存在しない』、『知的生命体(たとえば人類)が存在しなければ宇宙は
存在しない』 宇宙はそれを観測させるために、地球という人類がもっとも生存しやすい環境を
提供した。

 というような考えが『人間原理』ということらしいです。宇宙という絶対的マクロ事象から量子と
いうミクロまですべてに適用できる思想だそうです。

 さて、前回、空中戦をおえて帰還した戦闘機の機体にうがたれた弾痕を統計解析して、どこに
防弾装甲をすればよいか?の研究を命じられた数理統計の学者の答えは、

 「弾痕の見あたらないところに装甲をすればよい」という結論でした。それを聞いた上司は驚愕した
そうです。しかし、すぐにその学者がいっていることを理解したようです。

 つまり、帰還した戦闘機が受けた銃弾の場所では撃墜されにくい、未帰還になった機体に
うがたれた弾痕があった位置こそ、その機体の弱点である。ということです。

 残念ながら未帰還機を観測することはできません。ここにこそ真理があったのです。

 別の見方をすると、刺激に対する鈍感さ、こそが抗たん性が高い、ということです。
 品質工学そのものです。

 さて、今期の深夜アニメはほとんど完結しました。今期は『寄生獣』、『艦コレ』、『ミルキーホームズ第3期』の3つだけを完食しました。来期は結構期待できそうなラインアップです。

 一番期待しているのは『長門有希ちゃんの消失』ですね。『鈴宮ハルヒの憂鬱』のパロディデフォルメスピンオフです(たぶん)。

 アニメなどというとかなり拒絶反応をする方もいるかもしれませんが、原作者の知識や哲学、そして創造(想像)力はへたな小説家などあしもとにも及ばないすごいものです。

 『とある魔術の禁書目録(インデックス)』、『とある科学の超電磁砲(レールガン)』の世界観は
ルーカスやスピルバーグでも考えつかないでしょう。当然、『鈴宮ハルヒの憂鬱』も・・・

 


サクラサク

2015-03-29 10:02:53 | 日々徒然

 昨日、本日と2日連続で山下公園まで早朝ウォーキングをしてきました。
 昨日は曇っていましたが本日は晴天です。
 
 山下公園にはそれほど桜の木は多くはないのですが、とても素敵なしだれ桜が3本ならんでいます。



 ほぼ、満開です。後ろのビルはホテルニューグランドです。背中側(東側)には、美装改装が
終わった氷川丸が係留されています。


 係留索には、カモメが・・・

 

  山下公園をあとにして帰路につき、『象の鼻テラス』の屋根の上からみなとみらい地区を
ながめると、こんな感じです。



 その後、運河ロードに向かう途中のホテルナビオスからながめたランドマークタワーです。



  

左からランドマークと5分咲きの桜、日本丸、ランドマークタワーです。なぜか、ウルトラマンの
『レッドキング』を思い出しました。


 

 




 


人間原理とは その1

2015-03-27 21:10:26 | 品質工学

 第2次世界大戦の序盤、英国本土上空で繰り広げられた『Battle of Britain』 では
日々Royal Air Force(英国空軍)とLuftWaffe(ドイツ空軍)が空中戦を行っていました。

 善戦しているRoyal Air Force でしたが、やはり敵機に撃墜される戦闘機も多く、
優秀なパイロットの損耗が深刻になってきたとき、Royal Air Force はなるべく撃墜を
されないように、多少の性能低下をみとめても撃墜されにくいように戦闘機に防弾装甲を
追加することにしました。

 そして、空中戦を終えて帰還した戦闘機の被弾状況を調査して、どこに防弾装甲を
追加すればよいか?をある統計学者(数学者)に依頼したそうです。

 当然、帰還した機体はいろいろな場所に被弾しているのですが、その統計学者が
出した答えとは ・・・



 もっとも被弾していない箇所に装甲板を追加しましょう。でした。

 あれ?本当にそれでいいの?と一瞬思われると思います。・・・が、理由は次回に。

 みなさん、じっくり考えてみてください。実に合理的な理由です。
 そして、実に品質工学的です。


品質工学の情報と議論

2015-03-24 21:17:55 | 品質工学

 山梨品質工学研究会の熊坂さん(ものづくり革新ナビ:http://www.monodukuri.com//)が『品質工学の情報と議論』というFacebook上での議論の場を開いてくれました。

 私もそのメンバーとしておさそいいただけました。メンバーには、すごい先生、先輩方が大勢いて、これにお誘いいただけたことを大変光栄に思っております。

 やや、低調ぎみな品質工学の社会に大きな一石を投じる活動になると思います。

 積極的に意見を述べていこうと思います。

 

さて、いま読んでいるのが『偉大なる失敗』という本です。大発見をした科学者であっても
その実績の前には勘違いや思い込みによる失敗をしていた、という話ですが、
ダーウィンの『進化論』がなければ、アインシュタインも『一般相対性理論』を導くことが
できなかった可能性があるということを知りました。

19世紀末から20世紀全般の科学の発展には、『進化論』が絶対的に影響をあたえて
いたことを知りました。