QT Lab.品質・技術研究室

技術者のための品質工学、品質管理、統計学、機械設計、信号処理を
解説します。

告知!!!!

2016-07-19 15:00:32 | 日々徒然

 7月27日に『今度こそ納得 難しくない品質工学』が発売になります。

 今回の書籍は、品質工学を実践するうえで絶対必要になる知識だけでなく、
すでに品質工学を活用されている方でも疑問やひっかかりがある内容も
解説しています。

 たとえば、
  y=bxではなくy=βMと記述する理由、品質を損失という負の指標で
評価しなければならない理由、などなど。

 また、以前から主張しているパラメータ設計と進化論の関係や、損失関数の
不思議から、L9直交表とL18直交表の共通性などの小ネタまで、今までの
経験をいろいろと解説しています。

 そして、統計学と品質工学数理を完全に結びつける解説や、直交表の
メカニズムなども具体的に紹介しています。

 さらに、L18直交表にのっとった実験を計画から解析、最適化まで支援する
ExcelのマクロをDLできます。これには新たな概念のSN比(エネルギ比型、
回帰寄与率型、SN23)での解析機能も実装しています。

 そのほか、損失関数シミュレータ、中心極限定理体験シミュレータもDLして
いただけます。

 発売になりましたらなにとぞよろしくお願いいたします。


顔グラフ

2016-07-16 07:07:19 | 品質工学

 QES2016 でL18直交表にのっとった実験結果から4374通りの組みあわせ
すべてについて、感度とSN比を推定し、4374対のデータとして散布図を描くことで
情報を可視化する方法を提案しました。感度‐SN比要因効果図というものです。

 その場での議論でひとついただいた提案が、
「L18 のどの制御因子がどのように結果にかかわっているのか?を一目瞭然に
把握できると、もっといいですね」 というものでした。

 以前から気になっていた方法が使えるのでは?と試すことにしました。それが
『チャーノフの顔グラフ』 という可視化方法です。

 私も業務で『顔認証』技術を研究していますが、数学的アルゴリズムではかなり
判別が困難な『顔』でも、人間は判断できるのです。
 また、楕円が3つあると顔として無意識に認識してしまうようです。

 赤ちゃんがお母さんをすぐに見つけることができたり、心霊写真まで・・・

 1970年代にチャーノフ先生は人が顔を認識する能力を利用して、顔グラフを
考案しました。多変量データの項目データを顔の部位の形状や大きさ、
中心からの位置などに割りあてて顔を描く。というものです。

 顔の特徴や表情は多変量の項目データでいろいろ変化します。

 L18 の場合、Aの制御因子が2項目、B~Hが3項目ですから、離散データとして
簡単に顔を作ることが可能になります。

 そこで、手持ちのL18直交表にのっとった実験結果を感度‐SN比要因効果散布図に
顔として散布してみました。するとこんな結果に・・・

  頭髪があるおじさんのほうがSN比が高そうです。しもぶくれのおじさんは
感度が低そうです。
  これは、感度とSN比の二つの要因効果図を突合させてみればわかることですが
顔として感度‐SN比要因効果散布図に記入すると、『一目瞭然』です。

 顔グラフのもっと効果的な使い方はMTシステムへの利用です。

  たとえば、MT法で多変量データをもとに単位空間を作った場合、各項目に
顔の部位を割りつけて、そのデータで大きさや形状、表情を変化させます。
 そして、ある項目を横軸、マハラノビス距離(MD)を縦軸にして散布すると、
単位空間の傾向がつかめるかもしれません。

 手持ちの関東人気スポット情報を使って試してみました。

 『人気度』、『奇抜度』、『飲食性』、『買い物利便性』、『街並み美観』など11項目を
MT法で解析し、そのMDを縦軸、項目データを横軸に散布するのです。

 下のグラフは項目『人気度』で散布した結果です。

 このようなグラフを項目ごとに合計11枚作成してながめると、面白い結果が
確認できました。

 QES2017の発表テーマとしたいな、と思っています。
















 

 


ゲリラ豪雨

2016-07-15 10:08:29 | 日々徒然

 昨夜から実家の静岡に来ています。

 昨日19時ごろの新横浜駅です。天井の上は新幹線のホームです。

 

 

ひどい豪雨で天井から雨漏り、しかもポタポタでなく、ガシャガシャと
いう感じでした。

新幹線に乗るころには雨は上がっていました。

台風のように強風と豪雨で、新幹線ホームにいた人たちは
全身、ずぶぬれでした。