QT Lab.品質・技術研究室

技術者のための品質工学、品質管理、統計学、機械設計、信号処理を
解説します。

技術者の勲章

2015-02-21 10:34:40 | 技術・エンジニア

 以前、ある著名な技術者の方が、有名な技術情報サイトで技術者について連載されて
いました。
 そのなかに、『技術者の評価』 という話題がありました。
 技術者は、どのように定量的に評価されるべきか?というもので、3つの指標が示されて
いました。

1.主たる技術者として開発・設計や評価・判定した製品の数
2.特許の数
3.理化学・工学・技術に関連する特許の数

さて、これを自分に当てはめてみると、以前ブログでも書きましたように、たぶん世界で一番生産されて売れた
タイムレコーダの開発プロジェクトをまとめていたのは私です。
1985~1990年代に設計・生産されたタイムレコーダのほとんどに私はかかわっています。

また、私が勤めている創業80年以上の企業で、創業以来出願数、登録数とも、
もっとも多いのが私です。はっきりいって自慢です。

そして、品質工学会と社会人大学でいくつか論文を発表しています。

こうしてみると、私はかなり評価の高い技術者といえそうです ・・・ 冗談はさておき、
昨日、とてもうれしいことがありました。

10年ほど前に1年半ほど一緒に仕事をした、ちょうどそのころ若手から中堅に脱皮しかけて
いた後輩が、私にデータ解析と評価方法について質問をしにきました。
とてもうれしかったので、かなり丁寧に解説したところ十分に理解し、納得してくれたようです。
さらに話がはずんで一緒に仕事をしていたころの話題になりました。

当時の私は第2次世界大戦のドイツ陸軍の独立重戦車大隊のように、火消しの仕事で
奔走していたのですが、彼には、多くの難問を不思議と短期間で解決していたように
見えていたようです。こちらにはそんな余裕はなく、本人も覚えていないような内容について
「なんであんなことを考えついたんですか?」 などといわれました。

つぎに彼と入れ替わりで、また、別の技術者がたずねてきました。彼はさきほどの子より
少し年上です。
彼とも1年ほどしか一緒に仕事をしていませんが、昔、私が実施したある評価方法に
ついて質問してきました。こちらもとても楽しく対応することができました。

私がまだ、角が取れきれていない頃の付き合いでしたから、私に対してあまり良い感情を
もっていないのかと思っていたのですが、そんなことはなかったようです。

ふたりの技術者の訪問を受けて、技術者を本当に評価できるのは、少なくとも上司では
ないな、と思いました。上司が部下の技術者を評価するときの指標は、「結果」だけです。

しかし、同僚や後輩は、「結果」だけでなく、手法・方法などを含めた「工程(プロセス)」も
しっかりとみているのです。さらにいえば、その技術者の技術哲学や倫理観も合わせて
評価しています。

自分も尊敬できる先輩が何人もいましたが、今思えば、決してだした「結果」がすごいから
ではなく、知識、経験、発想、洞察力、仕事の進め方などが尊敬すべき対象でした。

昨日は技術者にとっての大きな勲章をふたついただきました。
ありがとう、N君、T君。これからもよろしく。


さて、今年も妻の妹たちからバレンタインデイのチョコレートをいただきました。



私の体型に似ているからマトリョーシカのチョコレートを選んでくれたとのこと???

あと、妻からも、

 ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。


 


横浜港

2015-02-09 20:05:35 | 日々徒然

 2月7日(土)、いつものように早朝ウォーキングで、山下公園の南西端を折り返し
もどり始めた時、朝日と雲の関係で少し珍しい光景を目にしました。

みなとみらいのビル群が、ダークグレイに染まっていました。ランドマークもインターコンチも。
不思議でした。

そのあと、新埠頭で海上保安庁の最大級巡視船 『あきつしま』 を見ることができました。

艦首の20㎜バルカン砲と両脇の機関砲が印象的でした。
サイズ的には、旧帝国海軍の軽巡洋艦なみのサイズです。ただし、速度は26ノットと
5500トン軽巡の35ノットよりも大幅に遅いのですが。

さらに歩を進めて新高島駅付近では、『横浜BLIZ』の解体工事が始まっていました。

ももクロもここでがんばってたんですよ。彼女たちもこの姿は、さびしいだろうなぁ。
すこし、かなしくなりました。


工学における数式について

2015-02-07 09:34:39 | 技術・エンジニア

 1月8日のブログ『品質管理検定のレベル改定について』 でお知らせしましたように
次々回(第20回 2015年9月6日予定)の品質管理検定試験から、新しいレベル表に
のっとった試験となります。
 
 先日、日本規格協会のホームページにアップされました新しいレベル表で気になるところをざっとみたところ、1級の『品質工学』 関連で、今まではSN比に特化した出題であったのに
たいして、改訂版では、「パラメータ設計の考え方」、「動特性のパラメータ設計」、「静特性の
パラメータ設計」となっています。

 たぶん、ISO-16336を意識した内容になることでしょう。

 また、管理図関連では、今までX(bar)-R管理図 というキーワードが3級以上の範囲に
あったのですが、今回、2級以上でX(bar)-s管理図が加わりました。

 X(bar)-R管理図のRはレンジのことであり、抽出したサンプル群特性値の最大値-最小値データです。
  昔、コンピュータが一般的でなかった頃、そろばんや電卓レベルでも計算できるレンジから
標準偏差;sを推定し、サンプル平均やレンジの上側管理限界(UCL)や下側管理限界(LCL)を一気に計算結果として得られるように、A2、D3、D4などの係数が提示されています。

 しかし、現在のようにPCが一般化した状況では、サンプル群の標準偏差:s が簡単に
計算できるので、わざわざレンジからsを推定するなどという非合理的で精度が劣化する
手法をとること自体に、私は強い疑問を持っていました。

 これが徹底されることで、より正確な品質管理ができる方向に向かうものと思います。

 まじめな人が多い日本人は、教科書などに【数式】 が掲載されていると、それが
絶対に正しい、ととらえがちです。
 しかし、上の例のように、真理は別にあるがそれに近い結果をなるべく簡単な工程で
手にいれる方法が提示されいる場合も多いのです。

 機械工学では、歯車の歯の強度をはじめとする応力計算で、数々の「実験式」、
「経験式」 が提案されていますが、それは真理ではなく、
「こういった傾向がある」 という内容にあてはまりのよい数式がしめされているわけで
その計算式で計算した結果と、コンピュータによる構造・応力解析の結果が一致する
ことはないようです。

 品質工学で田口先生が提示している数式も、計算工程の簡略化などが行われた
結果から得られたと考えられる式も多いのですが、品質管理に遅れをとらないよう
品質工学会もPCありきの計算工程の研究を率先して始めるべきではないでしょうか。


とろろ汁

2015-02-01 08:30:33 | 日々徒然

 近くのスーパーマーケットで、栽培ものですがよい山芋(自然薯風)が販売されていたので
購入しました。

 旧東海道の丸子宿(静岡)では、『東海道中膝栗毛』 にもあるように、自然薯料理、とくに
とろろ汁が有名ですが、 今回は遠州風のとろろ汁にしあげました。

 遠州風のとろろ汁とは、おろしてすり鉢で十分にすってなめらかにした山芋(800gくらい)に、ほんの少しの醤油をくわえ、またすり続けます。この工程を『いもころし』 というそうです。

 つづいて、たまごを1個くわえ、またすり続けます。そのあと、味噌汁をお玉一杯分ずつ
すり続けながらくわえていきます。これを10~12杯分くらいつづけてのばすと、ごはんとの絡みが最高の状態になります。

 さて、くわえる味噌汁ですが、本当は生のサバをむして、骨と皮をとってくずした身をだしに
して、かなり濃いめに仕上げるのですが、さすがに生サバからはめんどうです。
  そこで、鍋に水をいれ、混合節(さば、いわし、宗田)の厚削りとこんぶをいれて1時間ほど
おき、そのあとごく弱火にかけます。

 沸騰する直前でとりだし、つづけて、混合節の薄削りをひとつかみ投入、こちらは、
弱火で3分ほど煮出します。そのあと漉して味噌をかなり多めに加えて味噌汁をつくります。

 味噌汁としてはそうとうくせが強く、そのまま味噌汁として飲んでもあまりおいしいとは
いえませんが、とろろ汁の味、香りをかなり高める効果があります。

 とろろ汁だけではもったいないので、味噌汁を数杯くわえたあとにやまかけ用にキープ
しました。やまかけ用にマグロも用意しました。別のスーパーマーケットのタイムセールで
激安価格で確保できた『本マグロの中トロ(養殖ですが)』 を刺身にしました。





 
 山芋料理を堪能しました。

 まだ、少し残っているので、本日はとろろそばを楽しみます。 

 しかし、かなりの重労働で、肩と腕がぱんぱんです。