以前、ある著名な技術者の方が、有名な技術情報サイトで技術者について連載されて
いました。
そのなかに、『技術者の評価』 という話題がありました。
技術者は、どのように定量的に評価されるべきか?というもので、3つの指標が示されて
いました。
1.主たる技術者として開発・設計や評価・判定した製品の数
2.特許の数
3.理化学・工学・技術に関連する特許の数
さて、これを自分に当てはめてみると、以前ブログでも書きましたように、たぶん世界で一番生産されて売れた
タイムレコーダの開発プロジェクトをまとめていたのは私です。
1985~1990年代に設計・生産されたタイムレコーダのほとんどに私はかかわっています。
また、私が勤めている創業80年以上の企業で、創業以来出願数、登録数とも、
もっとも多いのが私です。はっきりいって自慢です。
そして、品質工学会と社会人大学でいくつか論文を発表しています。
こうしてみると、私はかなり評価の高い技術者といえそうです ・・・ 冗談はさておき、
昨日、とてもうれしいことがありました。
10年ほど前に1年半ほど一緒に仕事をした、ちょうどそのころ若手から中堅に脱皮しかけて
いた後輩が、私にデータ解析と評価方法について質問をしにきました。
とてもうれしかったので、かなり丁寧に解説したところ十分に理解し、納得してくれたようです。
さらに話がはずんで一緒に仕事をしていたころの話題になりました。
当時の私は第2次世界大戦のドイツ陸軍の独立重戦車大隊のように、火消しの仕事で
奔走していたのですが、彼には、多くの難問を不思議と短期間で解決していたように
見えていたようです。こちらにはそんな余裕はなく、本人も覚えていないような内容について
「なんであんなことを考えついたんですか?」 などといわれました。
つぎに彼と入れ替わりで、また、別の技術者がたずねてきました。彼はさきほどの子より
少し年上です。
彼とも1年ほどしか一緒に仕事をしていませんが、昔、私が実施したある評価方法に
ついて質問してきました。こちらもとても楽しく対応することができました。
私がまだ、角が取れきれていない頃の付き合いでしたから、私に対してあまり良い感情を
もっていないのかと思っていたのですが、そんなことはなかったようです。
ふたりの技術者の訪問を受けて、技術者を本当に評価できるのは、少なくとも上司では
ないな、と思いました。上司が部下の技術者を評価するときの指標は、「結果」だけです。
しかし、同僚や後輩は、「結果」だけでなく、手法・方法などを含めた「工程(プロセス)」も
しっかりとみているのです。さらにいえば、その技術者の技術哲学や倫理観も合わせて
評価しています。
自分も尊敬できる先輩が何人もいましたが、今思えば、決してだした「結果」がすごいから
ではなく、知識、経験、発想、洞察力、仕事の進め方などが尊敬すべき対象でした。
昨日は技術者にとっての大きな勲章をふたついただきました。
ありがとう、N君、T君。これからもよろしく。
さて、今年も妻の妹たちからバレンタインデイのチョコレートをいただきました。
私の体型に似ているからマトリョーシカのチョコレートを選んでくれたとのこと???
あと、妻からも、
ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。