第18回QC検定2級の問題で、問2はサンプリングの問題ですから特に解説の必要はないと思います。
問3の解説をします・・・が、まず、品質管理検定の受験用参考書では、あまり、というか、ほとんど十分な解説がなされていないとても重要な統計学上の定理を理解する必要があります。
それは、『中心極限定理』というものです。これを理解することで、次回解説する、母集団の分散を推定するときに、サンプルで計算した偏差平方和;S をサンプル数-1、つまり、n-1で割るのか?が納得できると思います。
中心極限定理とは・・・?統計学的に厳密な解説ではありませんが理解しやすいことばで説明すると
母集団がどのような分布であれ、その分布が連続していれば、「その集団からn個のサンプルを取り出し、その平均:xi_bar を求める」、という行為を多数回くりかえして平均の群を作ります。nを大きくしていくと、その平均の群の分布は正規分布にしたがいます・・・①
矩形分布であろうと、バスタブ分布であろうと、母集団の分布が連続していれば、この性質が成立します。当然、母集団が正規分布にしたがうのであれば、n=4 程度でも成立します。
そして、その平均群の平均(xi_bar)_barは母集団の平均:μの推定値となり、その
平均群の分散:s ^2は母集団の分散:σ^2のn分の1、つまり、s^2=σ^2 / n に近づきます。・・・②
このようなおどろくべき性質があるのですが、いくら本を読んでもなかなか理解できないと思います。実際に実験して体感するのが納得の早道です。
この定理、というか性質を体感できる実験ツールをExcelで制作しました。これをこのブログにアップしようと思ったのですが、gooさんのブログではExcelファイルなどをアップできないようです。(もし、できるのならどなたか教えてください!)
拙書『めざせ!最適設計 実践・公差解析』 を購入していただくと、このツールがダウンロードできるのですが・・・
いずれ、ホームページ版 『QT Lab. 品質・技術研究室』 の引っ越しが済んだら、なんとかします。
本日はここまでにしますが、問3を本質から理解するためには中心極限定理について少し勉強する必要があることをご理解ください。 次回から解説をします。