一次式を習ったのは中学1年のときでした。
y切片のある1次関数の一般式は
y=ax+b と教わりました。
高校でもこの標記だったのが、大学に入って統計学を勉強したとき
y=a+bx のように傾きとy切片の記号が入れ替わって、
なんじゃ、こりゃっ! と思ったものです。
さて、品質工学の動特性に初めて触れたとき、基本機能が
y=βM と標記されていることで、面喰らいました。
なぜ、ゼロ点回帰式の傾きをbではなく、βにしてあるのか?
なぜ、入力量をxではなく Mなのか?
とても疑問に思ったものです。
βの意味は比較的早い段階で気づきましたが、信号因子の水準(入力量)を
あらわす変数にMをあたえたのか、に思い至るにはかなりの時間が
かかりました。
y=βM
このように標記されるシステムの基本機能。
入力される『エネルギ』、『物質』、『情報』が期待される別の『エネルギ』、
『物質』、『情報』に変換して出力するのがシステムのやくめです。
このときの変換効率がβです。
入力量をMと標記する理由は動特性の感度の真値の式
S=(Sβ-Ve) / r でVeを引く理由につながるのですが、このことに
気がついている人は、長年品質工学にたずさわっている人々のなかでも
それほど多くないのでは?と思います。
著名な先生が書かれた書籍では、Mを入力の真値としていますが、
たぶん、田口先生の説明を聞き間違えたか、誤解したのではないでしょうか。
入力量をMと標記する理由 ・・・ それは、計測工学の書籍を読めばわかります。