QT Lab.品質・技術研究室

技術者のための品質工学、品質管理、統計学、機械設計、信号処理を
解説します。

システムの考え方Ⅱ

2014-04-29 09:13:08 | 品質工学

3月17日のブログ 「システムの考え方」 でシステムに入出力する「物質」、「エネルギ」、「信号」の3次元からなる関係をさらに進化させることで、システムに関する思考の整理や品質工学による評価がより明確におこなえる可能性があると述べました。
昨日(3月28日)、この考え方を研究されている先生とおはなしさせていただきました。
システムの良好性を評価する特性として 『変換効率』 をつかうことが一般的です。
しかし、新しい考え方の根源は 「物質不滅の法則」、「エネルギ保存の法則」、「情報・通信に関連する種々の法則」を3次元で評価する、というものです。
さらに進めて考えると、3次元の項目、いずれも「エントロピー」という概念が存在するので、この「エントロピー」が重要な評価特性になる可能性があります。

  今、書くことができる内容はこの程度で、なにをいっているのかさっぱりわからないかもしれませんが、いずれ、少しずつ解説をしていきます。


浜松品質工学研究会

2014-04-26 08:42:08 | 品質工学

昨日(4月25日)、2014年度の浜松品質工学研究会が始まりました。
今期は39名の会員でスタートとなりました。はじめて品質工学に触れる方も多いので
研究会を丁寧に運営していきたいと思います。

今期初めての研究会では、「品質工学のススメ 2014年度版」 で品質工学の概要を
解説しました。初心者の方の品質工学への理解がすこしでも深めることができれば
いいのですが。

この解説のなかでは 「品質工学のパラメータ設計」 と 「進化論」 の関係を重点的に
はなしをさせていただきました。品質工学をまったく知らない方のために制作した読み物を
アップします。昨日はこのなかのギニアワームのはなしにとどめました。

「qe_intro1.pdf」をダウンロード

ファイルを開くとデジタルタイムスタンプの認証処理が始まります。ウィルスではありません。
ご心配なきよう。

しかし、昨日は朝からいろいろなトラブルがおき、損失も発生しました。
でも、ゴールデンウィーク前に厄が落ちた、と前向きに考えることにします。
「逆境こそがチャンスだぜ!」(ピンキージョーンズ:MMCZ)


進化論は驚異的な設計手法である、というはなし

2014-04-22 19:48:41 | 技術・エンジニア

 今日、ある実験計画について打ち合わせをしているとき、同僚から、
私が最近よく口にする「科学・技術への進化論の適用」とおなじようなことを
語っている技術雑誌の記事があったよ。と紹介されました。

 さっそく、その記事に目を通しました。

 【ダーウィニズム】ということばで紹介されている自然選択説(多様性と淘汰)
による進化は、一見するとムダが多いが、実は驚異的な設計手法である。
と語られていました。

 また、進化の源泉は『多様性』である。と述べています。そして、エンジニアが
生物から学ぶべきことがあるとすれば、設計思想ではなく、進化による設計手法
である、とも書かれていました。

ぜひ一度、この著者の先生とお話してみたいと思いました。

 うまく設計するコツ、それは、「多様性の獲得」になります。ただし、実務では
無作為に子孫を増やすわけにはいきません。そこで、直交表を使って
必要最小限の多様性を獲得し、その挙動を観察することで、環境に
淘汰されない遺伝子構成をみいだすのが品質工学のパラメータ設計です。

この説明はホームページ版 『QT Lab.品質・技術研究室』をご覧ください。

 でも、設計当初から設計者の提案する最適解とは別に17個の亜種を
設計して試作することに目がいってしまい、なかなかパラメータ設計に
踏み込めないのも事実です。

 このハードルはとても高い。しかし、こんなことばもあります。

「ハードルは高ければ高いほど、くぐりやすい。」 ・・・ 二郎

高いハードルをくぐる方法を探してみます。


あーりんっ!

2014-04-21 22:11:14 | 日々徒然

ももクロのあーりん、こと、佐々木彩夏ちゃんが、なんと、今年2回目の
足の骨折! 今週末からファンクラブ限定ライブが開催されるというのにぃ。
いずれにしても、私は浜松品質工学研究会やらなにやらあって、金、土、日、
3日とも参戦できないのですが。
参戦されるモノノフのみなさん、あーりんをいたわってあげてください。

もっとも、昨夜のフジテレビONEでの生放送、足首をギプスでしっかり固定していて
痛々しかったのですが、いつもどおり明るいあーりんがほかの4人のメンバーを
回していましたから、すこし安心しました。

ももクロちゃんたちは、何事も全力で、がんばりすぎちゃうんですよね。
ある意味、アスリートですから怪我はつきものかもしれませんが、これからは
ちょっと気をつけてなるべく怪我をしないように!

という自分も、2年前の夏の西武ドームはろっ骨が折れた状態で参戦、その年の
クリスマスライブは50肩、それをひきずったまま翌年春の西武ドームと横浜アリーナの
ファンクラブ限定ライブ。(でも猛烈な痛みと闘いながらサイリウムを振りました!)

昨年夏の日産スタジアムにはなんとか無事に参戦できたのですが、先日の
国立競技場に参戦したときには、右手薬指の腱が切れていて ・・・

7月26日、27日には、お互い五体満足で行きましょうね、あーりんっ!

早く回復できるように、カルシウムをたくさん含む食事、しっかりとってください。


クレームが発生するメカニズムについて Ⅱ

2014-04-17 21:50:31 | インポート

クレームが発生するメカニズムについて図のように考えることができます。



Photo_5 

横軸が出荷から経過した時間、縦軸が製品機能と市場環境・使われ方の想定される分布です。

設計者が自身で納得し、他者を説得するときにつかう設計マージンとは、設計時点における機能・性能の中央付近の値と、想定される市場における環境や使われ方の中心との距離のことです。この市場における環境や使われ方の中心は、その製品のことをもっともよく理解している設計者が生活している環境であり、設計者の使い方で想定している場合がほとんどです。

ですから、この設計マージンというものは非常にあいまいなものになります。

製品が完成し出荷検査を終わって入庫される直前において、製品品質の分布はもっとも急峻になっているはずです。
そして、設計マージンと呼ばれる距離も同様に最大になっているはずです。

入庫と輸送を経て製品は商品として店頭にならびます。しかし、この間、径時変化や輸送のストレスで製品品質の分布の中心は出荷直前のそれから変化し、しかも、ほとんどの場合、設計マージンが小さくなる方向に移動します。

また、分布も出荷直前よりすそが広がり扁平になっている可能性があります。

製品がユーザーの手元にわたって使用され始めると、時間が経過するごとに、分布の中心は設計マージンが小さくなる方向にさらに移動し、製品品質の分布はどんどん扁平になります。

そして、製品品質の分布と市場の環境、使われ方の分布が交錯したところでクレームが発生します。その領域のある位置でクレームが発生する確率は、分布の両者を基準化して標準正規分布に変換したときのそれぞれの位置における確率密度の積になります。

これが、クレームが発生するメカニズムになります。

では、なるべくクレームが発生しないようにするにはどうしたらよいでしょうか。方法はつぎの6通りになると思います。

1.設計マージンをもっと広くとる。

2.製品品質の分布をもっと急峻にする。

3.製品品質が時間経過で扁平化するのを極力防止する。

4.市場の環境・使われ方を制御する。(ユーザーの啓蒙)

5.製品自体が環境の変化をとらえ、自身のシステムを調整する。(自動制御)

6.環境が変化しても、乱暴な使われ方をしても、安定的な機能が発揮できるように設計する。

みなさんはどれがよいと思いますか?

品質工学は6.を目指します。

では、どうやるか? 
それは、『QT Lab.品質・技術研究室』 をご覧いただければ、ご理解いただけると思います。